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三話

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「いやーいい天気ですね」

 その瞬間、稲妻が縦に線を引く。

「じゃないみたいですね」
「そうだな。こちらにこい」

 気まずい雰囲気を隠しながら呼ばれたからとそばに小走りで寄る。単純な男だまったく。俺が

「きましたけどなんですか? 皇帝さま」

 ふてぶてしく胸を張る。ここに口うるさいものがいれば不敬罪だと騒ぎ立てるだろう。

「いや…呼んだだけだ」
「そうですか」

 皇帝が座っている椅子にもたれかかるように座る。これは何か用があるのだろう。だから話してくれるまで待つしかない。静かな空間が支配する。

「研究は忙しかったのか」
「夢中にはなってしまっていましたね」

 あいまいに答える。それに皇帝は納得したようにうなずく。事実だが皇帝は俺に甘い。実力主義とかいいつつ実力が伴っていない幼馴染の俺を城の薬剤師として採用しているのだから。俺に特殊な点はあるが弱いし、そんなに薬が量産できるわけでもないし。幼馴染だからこその甘さなのだろう。お忍びで来ていた皇帝とあの日であったのがこんなことになるとはな。そんなことを考えていると皇帝の手が頭にあてられる。

「なんですか」
「がんばったのだろう」

 おとなしくなでられておこう。なでられていやな気はしないからな。

「ただ一週間に一度は顔を見せるという約束はどうなったのだ。ここにたて」
「…あ、えーと」

 何か逃れる方法を考える。多分お仕置きだよね。やだな。

「たて」
「へい」

 俺は急いで皇帝のまえにたつ。手は震え、汗を握る。

 早すぎて見えなかったが抜いた剣で俺の首を切断する。首が宙に舞う。俺の胴体から血が噴き出してるのが見える。
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