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1話 全ての始まり①
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「お兄ちゃん、入れて」
毎日のように弟は優しくドア越しから声をかけてくれる。いつも来てくれるのに申し訳ないと思いながらも人生を謳歌してる弟には俺の気持ちは分からないんだと心の中で強く思う。
そう...いじめられて引きこもりになった俺の気持ちなんか誰にも分からないんだ。周りの人は全員敵だ。
「......」
だから弟だとしても入れてはいけない。信用してはいけない。
いつもはドアを開かないと弟は去っていく。だが今日は違った。
「父さんとやつえさん、海外出張に行ってくるって。」
やつえさんとは俺のお母さんのことだ。俺と弟は血が繋がっていない。だからかお母さんのことを弟はやつえさんと名前で呼んでいる。
それにしてもお義父さんが海外出張とは急だな。今までは1回もなかったから驚いた。何の仕事をしているか分からないが私生活でも見える優秀さ、仕事でも優秀で今までも海外出張の話は来ていただろう。来ていない方がおかしい。行かなかった原因はおそらく俺だろう。お義父さんも弟と同じようにお母さんと共に毎日声をかけてくれていた。以前はご飯を置いても食べないことが多かったが最近は最低限は食べるようになっている。
いじめから3年経った今でもこのような状態だ。いじめを受けた側からすれば心の傷はいうつまでも癒えるようなものでは無い。
お義父さんはやっと俺に安心をしたのだろうか。それは良かった。
俺はふーっと息を吐いてドアの方へ耳を傾ける。
「それでね、お兄ちゃん。この家を売りに払ってマンションで2人で住むことになったんだ」
えっ。今弟はなんて言った。売りに払う。そしてマンションに住む。え、、ということは引越しの時にこの部屋を出て荷物を運ばなければならない。荷物は少ないから別にいい。だが部屋を出てマンションに行く。引きこもりの俺にこれほど難易度が高いミッションはない。
「それで荷物をまとめといて欲しいんだけどできる?」
まとめておくことはなんとかできる。だがその次の部屋を出ることができない。どうしたらいい。俺はその答え頭の中で探したが答えにはたどり着けない。
「お兄ちゃん?」
これは声を出さなければいけない流れなのか。今まではなかった追求の言葉に俺は焦ってしまう。引きこもる前は普通の事だったのに。ついそう考えてしまい落ち込む。
「お兄ちゃん?」
弟に優しくお兄ちゃんと呼ばれ言わざるを得なかった。
「...う、うん。」
ーーーーー
過筆&修正が完了しました(11/10)
毎日のように弟は優しくドア越しから声をかけてくれる。いつも来てくれるのに申し訳ないと思いながらも人生を謳歌してる弟には俺の気持ちは分からないんだと心の中で強く思う。
そう...いじめられて引きこもりになった俺の気持ちなんか誰にも分からないんだ。周りの人は全員敵だ。
「......」
だから弟だとしても入れてはいけない。信用してはいけない。
いつもはドアを開かないと弟は去っていく。だが今日は違った。
「父さんとやつえさん、海外出張に行ってくるって。」
やつえさんとは俺のお母さんのことだ。俺と弟は血が繋がっていない。だからかお母さんのことを弟はやつえさんと名前で呼んでいる。
それにしてもお義父さんが海外出張とは急だな。今までは1回もなかったから驚いた。何の仕事をしているか分からないが私生活でも見える優秀さ、仕事でも優秀で今までも海外出張の話は来ていただろう。来ていない方がおかしい。行かなかった原因はおそらく俺だろう。お義父さんも弟と同じようにお母さんと共に毎日声をかけてくれていた。以前はご飯を置いても食べないことが多かったが最近は最低限は食べるようになっている。
いじめから3年経った今でもこのような状態だ。いじめを受けた側からすれば心の傷はいうつまでも癒えるようなものでは無い。
お義父さんはやっと俺に安心をしたのだろうか。それは良かった。
俺はふーっと息を吐いてドアの方へ耳を傾ける。
「それでね、お兄ちゃん。この家を売りに払ってマンションで2人で住むことになったんだ」
えっ。今弟はなんて言った。売りに払う。そしてマンションに住む。え、、ということは引越しの時にこの部屋を出て荷物を運ばなければならない。荷物は少ないから別にいい。だが部屋を出てマンションに行く。引きこもりの俺にこれほど難易度が高いミッションはない。
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まとめておくことはなんとかできる。だがその次の部屋を出ることができない。どうしたらいい。俺はその答え頭の中で探したが答えにはたどり着けない。
「お兄ちゃん?」
これは声を出さなければいけない流れなのか。今まではなかった追求の言葉に俺は焦ってしまう。引きこもる前は普通の事だったのに。ついそう考えてしまい落ち込む。
「お兄ちゃん?」
弟に優しくお兄ちゃんと呼ばれ言わざるを得なかった。
「...う、うん。」
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