24 / 27
22話 服えらび
しおりを挟む「…ふぅ」
僕はベッドの上で軽く息を吐いた。
やっと体調も回復したのに父さん達は僕がベッドから出るのをまだ許してくれない。
「…ひま」
暇つぶしのものは本とスマホしかないし。
…夏が言ってたゲームやってみようかな。
僕は記憶を頼りにいくつかゲームを入れてみた。
「…えっと…これを押せばいいの?」
「…ゆず?」
「な…なつぅ!!これどうすればいいの!?」
扉から顔をのぞかせた夏に僕は泣きながら抱きついた。
「げ…げーむやってたらね…しらないひとに…はなしかけられて…」
「え?みせて?」
夏は僕のスマホを見ると…
「なんだ。ほかのプレイヤーか」
「…どうすればいいの?」
「ともだちになるか、ならないかってだけだよ?」
…友達?
ゲームの中なのに?
「てかこれなつのやってるゲーム?…ゆず…もしかしてきょうみあるの?」
「ううん。ひまだったから」
「そか」
夏はベッドに上がり、僕と一緒に大きな枕にもたれ、自分のスマホを出した。
「じゃあなつとフレンドとうろくしよ?」
「ふれんどとーろく?」
「ともだちになってたすけあってゲームするの」
「…する」
わかんないし。
夏がいれば怖くない。
「…ひっ!!」
僕は急に怖くなってスマホを投げ出した。
「ゆず?」
「こ…こわい!!」
僕は夏にぎゅーっと抱きついた。
「…夏。柚はどうしたんだい?」
「わかんないけど…きゅうにこわいって」
「夏。何があったのか母さんに話してくれる?」
「かぁしゃん!!」
僕は母さんの胸に顔を擦り寄せた。
「なつと…げーむしてたの」
「うん」
「そしたらね…しらないひとがはなしかけてきて…」
「それで?」
「『いくつ?』ってきかれたから…さんさいってこたえたの…そしたらね『いいなぁ。おじさんとともだちにならない?』って…」
「…怖いところはないと思うけど…」
「そのあとにね…いっぱいぷれぜんとくれたの。『リアルでもあおうね』って…りあるって…げんじつってことでしょ?しらないひとこわいの…」
「…夏。そのゲームのプレイヤー調べられる?」
「わかんない。けどゆずのスマホここにあるよ?」
夏は僕の捨てたスマホを取り上げた。
「ちょっと貸して」
「はい」
父さんはいくつか操作をして…
「…ちっ。逃げたか」
「なんとか出来ないの?」
「出来ない。…けどプレイヤー名は知れたからね。通報くらいは出来るんじゃないかな。夏、近づいてきたら教えて」
「わかった!!」
母さんはその間もずっと僕を抱きしめて背中を撫でてくれた。
「大丈夫よ。…そんな人なんて消えてしまえばいいのに」
「…かぁしゃんもこわい…」
「ごめんなさいね。ちょっと本音が表に出ちゃったわ」
「…雫が柚に怖がられてどうするの」
僕はベッドの上で軽く息を吐いた。
やっと体調も回復したのに父さん達は僕がベッドから出るのをまだ許してくれない。
「…ひま」
暇つぶしのものは本とスマホしかないし。
…夏が言ってたゲームやってみようかな。
僕は記憶を頼りにいくつかゲームを入れてみた。
「…えっと…これを押せばいいの?」
「…ゆず?」
「な…なつぅ!!これどうすればいいの!?」
扉から顔をのぞかせた夏に僕は泣きながら抱きついた。
「げ…げーむやってたらね…しらないひとに…はなしかけられて…」
「え?みせて?」
夏は僕のスマホを見ると…
「なんだ。ほかのプレイヤーか」
「…どうすればいいの?」
「ともだちになるか、ならないかってだけだよ?」
…友達?
ゲームの中なのに?
「てかこれなつのやってるゲーム?…ゆず…もしかしてきょうみあるの?」
「ううん。ひまだったから」
「そか」
夏はベッドに上がり、僕と一緒に大きな枕にもたれ、自分のスマホを出した。
「じゃあなつとフレンドとうろくしよ?」
「ふれんどとーろく?」
「ともだちになってたすけあってゲームするの」
「…する」
わかんないし。
夏がいれば怖くない。
「…ひっ!!」
僕は急に怖くなってスマホを投げ出した。
「ゆず?」
「こ…こわい!!」
僕は夏にぎゅーっと抱きついた。
「…夏。柚はどうしたんだい?」
「わかんないけど…きゅうにこわいって」
「夏。何があったのか母さんに話してくれる?」
「かぁしゃん!!」
僕は母さんの胸に顔を擦り寄せた。
「なつと…げーむしてたの」
「うん」
「そしたらね…しらないひとがはなしかけてきて…」
「それで?」
「『いくつ?』ってきかれたから…さんさいってこたえたの…そしたらね『いいなぁ。おじさんとともだちにならない?』って…」
「…怖いところはないと思うけど…」
「そのあとにね…いっぱいぷれぜんとくれたの。『リアルでもあおうね』って…りあるって…げんじつってことでしょ?しらないひとこわいの…」
「…夏。そのゲームのプレイヤー調べられる?」
「わかんない。けどゆずのスマホここにあるよ?」
夏は僕の捨てたスマホを取り上げた。
「ちょっと貸して」
「はい」
父さんはいくつか操作をして…
「…ちっ。逃げたか」
「なんとか出来ないの?」
「出来ない。…けどプレイヤー名は知れたからね。通報くらいは出来るんじゃないかな。夏、近づいてきたら教えて」
「わかった!!」
母さんはその間もずっと僕を抱きしめて背中を撫でてくれた。
「大丈夫よ。…そんな人なんて消えてしまえばいいのに」
「…かぁしゃんもこわい…」
「ごめんなさいね。ちょっと本音が表に出ちゃったわ」
「…雫が柚に怖がられてどうするの」
6
お気に入りに追加
3,144
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
結婚しましたが、愛されていません
うみか
恋愛
愛する人との結婚は最悪な結末を迎えた。
彼は私を毎日のように侮辱し、挙句の果てには不倫をして離婚を叫ぶ。
為す術なく離婚に応じた私だが、その後国王に呼び出され……
乙女ゲームの世界だと、いつから思い込んでいた?
シナココ
ファンタジー
母親違いの妹をいじめたというふわふわした冤罪で婚約破棄された上に、最北の辺境地に流された公爵令嬢ハイデマリー。勝ち誇る妹・ゲルダは転生者。この世界のヒロインだと豪語し、王太子妃に成り上がる。乙女ゲームのハッピーエンドの確定だ。
……乙女ゲームが終わったら、戦争ストラテジーゲームが始まるのだ。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
高慢な王族なんてごめんです! 自分の道は自分で切り開きますからお気遣いなく。
柊
恋愛
よくある断罪に「婚約でしたら、一週間程前にそちらの有責で破棄されている筈ですが……」と返した公爵令嬢ヴィクトワール・シエル。
婚約者「だった」シレンス国の第一王子であるアルベール・コルニアックは困惑するが……。
※小説家になろう、カクヨム、pixivにも同じものを投稿しております。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
無表情な奴と結婚したくない?大丈夫ですよ、貴方の前だけですから
榎夜
恋愛
「スカーレット!貴様のような感情のない女となんて結婚できるか!婚約破棄だ!」
......そう言われましても、貴方が私をこうしたのでしょう?
まぁ、別に構いませんわ。
これからは好きにしてもいいですよね。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
断罪される令嬢は、悪魔の顔を持った天使だった
Blue
恋愛
王立学園で行われる学園舞踏会。そこで意気揚々と舞台に上がり、この国の王子が声を張り上げた。
「私はここで宣言する!アリアンナ・ヴォルテーラ公爵令嬢との婚約を、この場を持って破棄する!!」
シンと静まる会場。しかし次の瞬間、予期せぬ反応が返ってきた。
アリアンナの周辺の目線で話しは進みます。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
私はざまぁされた悪役令嬢。……ってなんだか違う!
杵島 灯
恋愛
王子様から「お前と婚約破棄する!」と言われちゃいました。
彼の隣には幼馴染がちゃっかりおさまっています。
さあ、私どうしよう?
とにかく処刑を避けるためにとっさの行動に出たら、なんか変なことになっちゃった……。
小説家になろう、カクヨムにも投稿中。
悪役令嬢は永眠しました
詩海猫
ファンタジー
「お前のような女との婚約は破棄だっ、ロザリンダ・ラクシエル!だがお前のような女でも使い道はある、ジルデ公との縁談を調えてやった!感謝して公との間に沢山の子を産むがいい!」
長年の婚約者であった王太子のこの言葉に気を失った公爵令嬢・ロザリンダ。
だが、次に目覚めた時のロザリンダの魂は別人だった。
ロザリンダとして目覚めた木の葉サツキは、ロザリンダの意識がショックのあまり永遠の眠りについてしまったことを知り、「なぜロザリンダはこんなに努力してるのに周りはクズばっかりなの?まかせてロザリンダ!きっちりお返ししてあげるからね!」
*思いつきでプロットなしで書き始めましたが結末は決めています。暗い展開の話を書いているとメンタルにもろに影響して生活に支障が出ることに気付きました。定期的に強気主人公を暴れさせないと(?)書き続けるのは不可能なようなのでメンタル状態に合わせて書けるものから書いていくことにします、ご了承下さいm(_ _)m
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる