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2話 醜い容姿
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「分かりましたわ。一応お聞き致します。なぜなのですの?」
私が冷静に言うとウィリアム王子が苛立ったように片足を大きく地面にたたきつける。少しビクッとしながらも依然とした態度を崩さないように自分に言い聞かせる。
次期王妃としてどんな苦しい王妃教育にも耐えてきた。最前を尽くしてきた。それも全て父上や母上に認められるため。親の愛を獲得するために頑張ってきた。
「長いその汚い前髪にボサボサの髪が次期王妃として恥ずかしくないのか!ほら見てくれ、この綺麗なネアの髪!」
「ふふっありがとうございます。ネアの髪は平民の頃から自慢のものだったんです。」
ウィリアム王子が私を嘲笑ったように見てネア令嬢の髪を手でするりと撫でるように掴む。それに答えるように優しく儚く笑っている。平民の頃と恥じる様子はなく逆に強調している。
「そんな容姿が醜いお前が俺と親しくしているこの美しいネオに嫉妬して学園でいじめたそうじゃないか!」
よりざわめきが大きくなる。まさか...、でも辻褄は...とかが聞こえてくる。
確かに私の容姿は醜い。だから前髪でなるべく隠して...最初はウィリアム王子と会うのが1ヶ月に迫った時、父上に言われたのが始まりだった。
「ロアナ、前髪で顔を隠しなさい」
その言葉だけで理解した。あぁ私の顔は見るに堪えないほど醜いのだと。父上のような凛々しくかっこいい顔ではない。母上のように歳をとっても誰もが振り返る可愛い顔ではない。私はつり目で決して顔も整っている訳でもない。父上のようにかっこよくを目指した時期もあったが父上に似合ってないと言われてしまった。
私がもっと醜くなければ父上にも母上にも愛されたかもしれない。
私が冷静に言うとウィリアム王子が苛立ったように片足を大きく地面にたたきつける。少しビクッとしながらも依然とした態度を崩さないように自分に言い聞かせる。
次期王妃としてどんな苦しい王妃教育にも耐えてきた。最前を尽くしてきた。それも全て父上や母上に認められるため。親の愛を獲得するために頑張ってきた。
「長いその汚い前髪にボサボサの髪が次期王妃として恥ずかしくないのか!ほら見てくれ、この綺麗なネアの髪!」
「ふふっありがとうございます。ネアの髪は平民の頃から自慢のものだったんです。」
ウィリアム王子が私を嘲笑ったように見てネア令嬢の髪を手でするりと撫でるように掴む。それに答えるように優しく儚く笑っている。平民の頃と恥じる様子はなく逆に強調している。
「そんな容姿が醜いお前が俺と親しくしているこの美しいネオに嫉妬して学園でいじめたそうじゃないか!」
よりざわめきが大きくなる。まさか...、でも辻褄は...とかが聞こえてくる。
確かに私の容姿は醜い。だから前髪でなるべく隠して...最初はウィリアム王子と会うのが1ヶ月に迫った時、父上に言われたのが始まりだった。
「ロアナ、前髪で顔を隠しなさい」
その言葉だけで理解した。あぁ私の顔は見るに堪えないほど醜いのだと。父上のような凛々しくかっこいい顔ではない。母上のように歳をとっても誰もが振り返る可愛い顔ではない。私はつり目で決して顔も整っている訳でもない。父上のようにかっこよくを目指した時期もあったが父上に似合ってないと言われてしまった。
私がもっと醜くなければ父上にも母上にも愛されたかもしれない。
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*思いつきでプロットなしで書き始めましたが結末は決めています。暗い展開の話を書いているとメンタルにもろに影響して生活に支障が出ることに気付きました。定期的に強気主人公を暴れさせないと(?)書き続けるのは不可能なようなのでメンタル状態に合わせて書けるものから書いていくことにします、ご了承下さいm(_ _)m
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