2 / 2
下卑た視線
しおりを挟む
王城に売られたLucyは洗濯女となった。
借金の形であるからして身分など全く関与せずに、ただ人の足らないところに配属されたのだ。
しかし彼女の聡明さと我慢強さ、そして美しさは、また一つしか使われないことになってしまった。
汚れた服を着て、洗濯をする彼女の姿は一般にいう貴族の姿とは遠くかけ離れていた。
しかし彼女のもつ独特の気品は何人も真似できないものであり、それが気品だと気付かない下々の人間はただ違和感を感じるだけであった。
洗濯女とはどれも似たような境遇の持ち主であった。
本来、王城の仕組みは本当に働きのよいものを登用するものとして整えられていた。
しかし、自らの力が及ばない様々な出来事の末にこの洗濯場へ流されてきた者たちは、
ただ一つの方法でしか彼女たちの欲求を満たすことが出来なかった。
それは、より下の者を作り出すことである。
その意味ではScarletとAzaleaが、Lucyを嘲笑うためだけに家事をやらせていた状況と何も変わりはしない。
Lucyの醸し出す「違和感」にいち早く気付いた洗濯女たちは、強い同族意識を発揮して、彼女を仲間内から追い出すことに力を注ぎ始めた。
まず彼女たちは、Lucyを一番辛い仕事へ送り込んだ。
冷たい水の中延々と洗濯をし続ける、賽の河原のような場所であった。
また、そこは特に厳しいので知られていて、少しでもサボっていると見なされるとすぐに鞭で赤い筋を付けられてしまうのであった。
しかしLucyは持ち前の要領の良さと、義母に掛けられた様々な迷惑から、周囲の7倍の速度で仕事をこなしていく。
厳しいとは実力主義と同義であり、彼女の働きぶりは当然、鞭打ちの対象にはならなかった。
予想が外れて歯ぎしりをする下女たちは、彼女をどんな酷い目にあわせようかと画策を始めた。
もう彼女らの頭には、Lucyをひどい目に合わすことしか無いのである。
Lucyはその日も非常に多くの仕事をこなした。
夕食をとり、ボロボロになった白いネグリジェに着替えた彼女は寝床に入るとすぐに寝てしまう。
その様子をしかと確認した悪魔たちは、彼女の手足をベッドの脚に括り付けてしまった。
翌朝、どうも窮屈を感じながら目を覚ましたLucyは、二度瞬く間にすべてを理解したがもう遅い。
なんとか外そうともがいたが、いかんせん彼女に罰を与えるためだけの縄が彼女のよいように働くはずもない。
口に詰められたハンケチをもごもご言わせながら、自由にならない手足を縄に食い込ませることしか出来ないのであった。
城ではどんな理由があろうと、遅刻は厳罰の対象であった。
そして下女たちには、発見された状態のまま公開の場へ引きずり出され、鞭打たれるという非公式の制度があった。
大抵は寝間着のままであるから、その羞恥心を利用していると思われる。
これは城からお触れが出ているわけではないが、洗濯女の宿舎には大きく明記されていることだ。
問題なのは、発見された状態のままという条文だ。
案の定、彼女はベッドごと城の裏手へ連れていかれた。
彼女の、16にしては若干大きい胸が揺れに反応する。
食料の不足から、彼女の体は未来の危機に備えて少しでも栄養を貯めておこうとするかのようであった。
そして普段は大変な仕事をしない者が、こういったときだけ嬉々として重労働をするのはよくあることである。
仕掛けた者たちも含め大勢の、他人の不幸を喜ぶ者たちが集まっていた。
未だ括り付けられたままの少女は、寝間着のまま下卑た視線に晒される屈辱に耐えるようにして、その大きく、長いまつ毛の添えられた目を伏し目がちにするのであった。
借金の形であるからして身分など全く関与せずに、ただ人の足らないところに配属されたのだ。
しかし彼女の聡明さと我慢強さ、そして美しさは、また一つしか使われないことになってしまった。
汚れた服を着て、洗濯をする彼女の姿は一般にいう貴族の姿とは遠くかけ離れていた。
しかし彼女のもつ独特の気品は何人も真似できないものであり、それが気品だと気付かない下々の人間はただ違和感を感じるだけであった。
洗濯女とはどれも似たような境遇の持ち主であった。
本来、王城の仕組みは本当に働きのよいものを登用するものとして整えられていた。
しかし、自らの力が及ばない様々な出来事の末にこの洗濯場へ流されてきた者たちは、
ただ一つの方法でしか彼女たちの欲求を満たすことが出来なかった。
それは、より下の者を作り出すことである。
その意味ではScarletとAzaleaが、Lucyを嘲笑うためだけに家事をやらせていた状況と何も変わりはしない。
Lucyの醸し出す「違和感」にいち早く気付いた洗濯女たちは、強い同族意識を発揮して、彼女を仲間内から追い出すことに力を注ぎ始めた。
まず彼女たちは、Lucyを一番辛い仕事へ送り込んだ。
冷たい水の中延々と洗濯をし続ける、賽の河原のような場所であった。
また、そこは特に厳しいので知られていて、少しでもサボっていると見なされるとすぐに鞭で赤い筋を付けられてしまうのであった。
しかしLucyは持ち前の要領の良さと、義母に掛けられた様々な迷惑から、周囲の7倍の速度で仕事をこなしていく。
厳しいとは実力主義と同義であり、彼女の働きぶりは当然、鞭打ちの対象にはならなかった。
予想が外れて歯ぎしりをする下女たちは、彼女をどんな酷い目にあわせようかと画策を始めた。
もう彼女らの頭には、Lucyをひどい目に合わすことしか無いのである。
Lucyはその日も非常に多くの仕事をこなした。
夕食をとり、ボロボロになった白いネグリジェに着替えた彼女は寝床に入るとすぐに寝てしまう。
その様子をしかと確認した悪魔たちは、彼女の手足をベッドの脚に括り付けてしまった。
翌朝、どうも窮屈を感じながら目を覚ましたLucyは、二度瞬く間にすべてを理解したがもう遅い。
なんとか外そうともがいたが、いかんせん彼女に罰を与えるためだけの縄が彼女のよいように働くはずもない。
口に詰められたハンケチをもごもご言わせながら、自由にならない手足を縄に食い込ませることしか出来ないのであった。
城ではどんな理由があろうと、遅刻は厳罰の対象であった。
そして下女たちには、発見された状態のまま公開の場へ引きずり出され、鞭打たれるという非公式の制度があった。
大抵は寝間着のままであるから、その羞恥心を利用していると思われる。
これは城からお触れが出ているわけではないが、洗濯女の宿舎には大きく明記されていることだ。
問題なのは、発見された状態のままという条文だ。
案の定、彼女はベッドごと城の裏手へ連れていかれた。
彼女の、16にしては若干大きい胸が揺れに反応する。
食料の不足から、彼女の体は未来の危機に備えて少しでも栄養を貯めておこうとするかのようであった。
そして普段は大変な仕事をしない者が、こういったときだけ嬉々として重労働をするのはよくあることである。
仕掛けた者たちも含め大勢の、他人の不幸を喜ぶ者たちが集まっていた。
未だ括り付けられたままの少女は、寝間着のまま下卑た視線に晒される屈辱に耐えるようにして、その大きく、長いまつ毛の添えられた目を伏し目がちにするのであった。
0
お気に入りに追加
14
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説

ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。



今日の授業は保健体育
にのみや朱乃
恋愛
(性的描写あり)
僕は家庭教師として、高校三年生のユキの家に行った。
その日はちょうどユキ以外には誰もいなかった。
ユキは勉強したくない、科目を変えようと言う。ユキが提案した科目とは。

セクスカリバーをヌキました!
桂
ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。
国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。
ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……

ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる