11 / 15
第11話 隠された体操着 いじめっ子と対決!?
しおりを挟む
その夜、上ばきは、叔母さんや恵ちゃんに心配をかけたくないから、お風呂に入る時にこっそり持ち込んで自分で洗った。
洗っている最中に、自分がみじめに思えて涙が出てきた。
私が悪いことをした訳じゃないのに、なんでコソコソと、上履きを洗わなきゃならないんだろう。
そんな風に気分が落ち込むたびに、イリヤくんの「俺たちは家族だ」と言う言葉を思い出した。そうだ、私には異世界の王子や、スライムやエルフの家族がいるんだぞ!
でもやっぱり考えこんじゃって、次の日の朝ごはんの時、叔母さんや恵ちゃんに話しかけられても、返事できなかったりした。心配をかけちゃったかな。
こっそり部屋の窓の外に干した上ばきが、朝までに乾かなかったので、次の日も職員室からスリッパを借りる事になった。
四時間目が体育だったので、先週、持ち帰って叔母さんに洗濯してもらった体操着を、朝のうちに、教室の後ろのロッカーに入れておいたんだ。
なのに、体育の前の休み時間に、更衣室に行こうと思ってたら、なくなっていた。
仕方なく、体育館に制服のまま行くと、先生に何か言われるより先に、坂切さんが駆け寄って来た。
「山野辺さん、大丈夫? またやられたのね」
坂切さんは体育の先生に、私の上ばきが昨日も盗まれた事、体操着を盗んだのも同じ犯人だろうと必死に訴えてくれた。
「担任の先生に相談しなさい」と言う先生に「いじめなんですよ、放っておくんですか?」と食い下がる坂切さんの言葉に、私は改めて、自分がいじめられている事を痛感した。
変な動物でも見るような、クラスの皆の視線が痛い。
結局、体育の先生から、担任の先生に、授業の後で報告する事になり、私は体育の授業を見学する事になった。
体育館の隅で体育座りをして、ぼんやりとボールを追いかける皆を見ていると、西園寺さんと、その取り巻きが時々、私の方を見てニヤニヤする様な気がした。
体育の授業が終わって昼休み。着替える必要のない私は、皆より早く、体育館から校舎に戻る。
次の事件は、そこで起こった。
掲示板の前に、生徒が集まっている。
学校や生徒会からのお知らせがここに貼り出されるが、今まで、こんなにたくさんの人が集まった事はなかった。
なんだろう、と皆の後ろから、掲示板をのぞきこんだ私は、思わず声をあげそうになった。
掲示板に貼り付けられ皆の注目を浴びていたのは、無くなったはずの私の体操着だった。「一年A組 山野辺響」と書かれたゼッケンの下には、おそらくマジックで、荒々しい字で「百九十六位のバカ 退学しろ」と書かれていた。
目の前の景色がグルグル回り、私はその場にペタンと座り込んだ。
「ちょっとあなた、大丈夫?」
先輩らしい女生徒が声をかけてくる。
あちこちから「なんだ、あの子のか?」「これ、いじめじゃねーの」という声が聞こえてくる。
みんなが私を見ている。あの子が成績が百九十六位の響だと。
もう止めて、私を見ないで!
私は、両手で耳をふさいで、うずくまった。
「山野辺さん、どうしたの?」
体操着から着替え終わり、やって来た坂切さんが、私を見て走り寄る。
「先生を呼んできて!」
坂切さんに言われた男子のクラスメイトが、職員室に走る。
「保健室に行く?」
坂切さんはそう言ってくれたが、私はもう帰りたかった。
こんな学校に、もういたくない。
「私、帰る!」
「待って、山野辺さん!」
坂切さんの静止を振り切って、私は昇降口へと駆け出した。
もう嫌だ。
勉強にはついて行けないし、校則は厳しいし、嫌がらせはされるし。
こんなにひどい事ばかりの学校に、私はいたくない。
スリッパを脱ぎ捨て、ローファーにはき替えて、昇降口の外にでる。
陽の光を浴びた瞬間、イリヤくんの言葉が頭に浮かんだ。
「フォアリー・モンスターは、人間のネガティブな感情を食べて成長する」
私はハッとした。
ゲタ箱にゴミを入れるのはともかく、体操着の嫌がらせは、簡単に出来るだろうか?
体操着を、私やクラスの人たちに気付かれずに、どうやって持ちだしたのだろう。
体育の授業があったのに、いつの間に掲示板に体操着を貼り付けたのかな。
それに、何よりも。
なんで私の中間テストの順位が、百九十六位だと知ってるの?
順位は上位三十名しか公表されないから、私と先生しか知らないはずなのに。
少しずつ、私は冷静になって行った。
「顔取り女」と出会い、マンティスとイリヤくんたちが戦った翌日から、嫌がらせが始まったのも、気になる。
まさか、私の嫌がらせはフェアリー・モンスターのしわざ?
そんな事を考えていると、少し先を、西園寺さんが歩いて行くのが見えた。
いつもの取り巻きはいない。私にも気づいておらず、何か急いでいる様だ。
体育館の更衣室を出た西園寺さんは、早足で、校舎ではなくプールの方に向かっている。
もしかして、フェアリー・モンスターが取りついているのは、西園寺さんなのかも……。
そう思った瞬間、私の中から、メソメソした気持ちが消えた。
真実を暴いてやる。
そう決意した私は、こっそり西園寺さんの後をつけた。
西園寺さんは、この季節、人影がないプールの裏へと入って行った。ついていくと見つかるので、私は少し離れた物陰から様子を伺った。
すると突然、カン高い西園寺さんの声が聞こえて来る。
「学校に来ちゃダメって行ったでしょ! 今すぐ家にお帰りなさい」
誰と話しているのだろう。
西園寺さんは確かに、一人でここに来た。誰かと待ち合わせしていたのだろうか?
最初の一言こそ、きつい口調だったが、その後は、聞こえてくる西園寺さんの声は、子供をあやす様だった。
「ねぇ、私だって辛いのですよ。でも学校に、あなたを入れる訳にはいきませんの。いい子だから、おうちで待っていて下さいな」
話している相手の声は聞こえない。
黙っているのか、声が小さいのか。
私がもっと聞こえる様に、物陰から身を乗り出そうとした時。
西園寺さんが、こちらに戻ってきた。
私は慌てて、その場から逃げ出す。そうなると自然と、さっき飛び出してきた校舎に戻る事になる。
スリッパに履き変えて校舎内に入ると、掲示板に貼られていた私の体操着は剥がされており、野次馬も、もういなかった。
後ろからは、西園寺さんが戻ってくるからグズグズしていられない。私は仕方なく、一年A組の教室に戻るしかなかった。
扉を開けた瞬間、クラス中の皆が私を見た。そりゃそうだ。さっき中間テストの順位が書かれた私の体操着が、掲示板に貼り出されたばかりなのだから。
「山野辺さん、戻ってきたのね、良かった」
坂切さんがそう言って駆け寄ってきてくれたので、私は涙が出そうになった。
このクラスで、私に優しくしてくれるのは彼女だけだ。
「さっきの件は、学級委員を通じて先生に報告してもらったわ。もうウヤムヤにはさせない。あなたにヒドい事をした犯人は、必ず見つけてもらうわ」
犯人。坂切さんの口から出た、その言葉に、ちょっとドキッとした。
その時、私が開けたままの扉から西園寺さんも入ってきて、クラス全員の視線が一斉に、彼女に移った。
あ……。
私は敏感に感じ取った。クラスの皆が、西園寺さんに疑いの目を向けている。
私の体操着を盗んで、中間テストの順位を書いて、掲示板に貼り出したのは……。
ここ数日の嫌がらせの犯人は、西園寺さんなのではないか。彼女を見つめるクラスメイトたちの視線には、そんな疑いが込められていた。
自分に集まる視線に、少し戸惑いを感じながらも、西園寺さんはいつもと変わらず、クラスの女王の様な態度で自分の席へ向かう。
私は一瞬、迷った。
正直、西園寺さんの事は怖い。もしフェアリー・モンスターが取りついているとしたら、なおさらだ。
だけど、ここで黙っていたら、今までの私と変わらない気がする。
モタモタして、メソメソして、いつも誰かのせいにしている、今までの私と。
「山野辺さん、どうしたの?」
坂切さんの声を背に、私は西園寺さんの方に歩み寄った。
私は変わるんだ。変わらなくちゃ、いけないんだ。
怪訝そうな顔をする西園寺さんに向かって、思い切って言う。
「さっき、プールの裏で、誰と話していたの?」
西園寺さんの顔色がサッ、と変わった。
いつもの余裕ある態度がウソの様に、慌てた様子で言い返して来る。
「あ、あなたには関係ないでしょ」
私も、ここで引く訳には行かない。
「関係なくないわ。学校に来ちゃいけない、誰と話してたの。その人が私の体操着を盗んだんじゃないの」
クラスの空気がザワッ、とゆれた。
西園寺さんが怪しい人物と会話していた。その事実で、彼女は一気に、不利な方向に追いやられた。
だが西園寺さんは、まだ精一杯、いつもの態度を保っている様に見えた。
「何を言うのかと思えば、そんな事ですの? なんで私が、外勢の体操着なんか盗まねばなりませんの?」
まただ。こっちを外勢としてバカにしてくる態度に、私はカチンと来た。
「外勢も内勢も関係ないよっ! 西園寺さんは、気に入らない私に、嫌がらせしたかっただけでしょ」
「貴女の様な庶民の事なんか、気にしていませんわ。ご両親が、さぞや頑張って進学資金をご用意なさったんでしょうね」
お父さんとお母さんをバカにした、その一言で、私は理性を失った。
洗っている最中に、自分がみじめに思えて涙が出てきた。
私が悪いことをした訳じゃないのに、なんでコソコソと、上履きを洗わなきゃならないんだろう。
そんな風に気分が落ち込むたびに、イリヤくんの「俺たちは家族だ」と言う言葉を思い出した。そうだ、私には異世界の王子や、スライムやエルフの家族がいるんだぞ!
でもやっぱり考えこんじゃって、次の日の朝ごはんの時、叔母さんや恵ちゃんに話しかけられても、返事できなかったりした。心配をかけちゃったかな。
こっそり部屋の窓の外に干した上ばきが、朝までに乾かなかったので、次の日も職員室からスリッパを借りる事になった。
四時間目が体育だったので、先週、持ち帰って叔母さんに洗濯してもらった体操着を、朝のうちに、教室の後ろのロッカーに入れておいたんだ。
なのに、体育の前の休み時間に、更衣室に行こうと思ってたら、なくなっていた。
仕方なく、体育館に制服のまま行くと、先生に何か言われるより先に、坂切さんが駆け寄って来た。
「山野辺さん、大丈夫? またやられたのね」
坂切さんは体育の先生に、私の上ばきが昨日も盗まれた事、体操着を盗んだのも同じ犯人だろうと必死に訴えてくれた。
「担任の先生に相談しなさい」と言う先生に「いじめなんですよ、放っておくんですか?」と食い下がる坂切さんの言葉に、私は改めて、自分がいじめられている事を痛感した。
変な動物でも見るような、クラスの皆の視線が痛い。
結局、体育の先生から、担任の先生に、授業の後で報告する事になり、私は体育の授業を見学する事になった。
体育館の隅で体育座りをして、ぼんやりとボールを追いかける皆を見ていると、西園寺さんと、その取り巻きが時々、私の方を見てニヤニヤする様な気がした。
体育の授業が終わって昼休み。着替える必要のない私は、皆より早く、体育館から校舎に戻る。
次の事件は、そこで起こった。
掲示板の前に、生徒が集まっている。
学校や生徒会からのお知らせがここに貼り出されるが、今まで、こんなにたくさんの人が集まった事はなかった。
なんだろう、と皆の後ろから、掲示板をのぞきこんだ私は、思わず声をあげそうになった。
掲示板に貼り付けられ皆の注目を浴びていたのは、無くなったはずの私の体操着だった。「一年A組 山野辺響」と書かれたゼッケンの下には、おそらくマジックで、荒々しい字で「百九十六位のバカ 退学しろ」と書かれていた。
目の前の景色がグルグル回り、私はその場にペタンと座り込んだ。
「ちょっとあなた、大丈夫?」
先輩らしい女生徒が声をかけてくる。
あちこちから「なんだ、あの子のか?」「これ、いじめじゃねーの」という声が聞こえてくる。
みんなが私を見ている。あの子が成績が百九十六位の響だと。
もう止めて、私を見ないで!
私は、両手で耳をふさいで、うずくまった。
「山野辺さん、どうしたの?」
体操着から着替え終わり、やって来た坂切さんが、私を見て走り寄る。
「先生を呼んできて!」
坂切さんに言われた男子のクラスメイトが、職員室に走る。
「保健室に行く?」
坂切さんはそう言ってくれたが、私はもう帰りたかった。
こんな学校に、もういたくない。
「私、帰る!」
「待って、山野辺さん!」
坂切さんの静止を振り切って、私は昇降口へと駆け出した。
もう嫌だ。
勉強にはついて行けないし、校則は厳しいし、嫌がらせはされるし。
こんなにひどい事ばかりの学校に、私はいたくない。
スリッパを脱ぎ捨て、ローファーにはき替えて、昇降口の外にでる。
陽の光を浴びた瞬間、イリヤくんの言葉が頭に浮かんだ。
「フォアリー・モンスターは、人間のネガティブな感情を食べて成長する」
私はハッとした。
ゲタ箱にゴミを入れるのはともかく、体操着の嫌がらせは、簡単に出来るだろうか?
体操着を、私やクラスの人たちに気付かれずに、どうやって持ちだしたのだろう。
体育の授業があったのに、いつの間に掲示板に体操着を貼り付けたのかな。
それに、何よりも。
なんで私の中間テストの順位が、百九十六位だと知ってるの?
順位は上位三十名しか公表されないから、私と先生しか知らないはずなのに。
少しずつ、私は冷静になって行った。
「顔取り女」と出会い、マンティスとイリヤくんたちが戦った翌日から、嫌がらせが始まったのも、気になる。
まさか、私の嫌がらせはフェアリー・モンスターのしわざ?
そんな事を考えていると、少し先を、西園寺さんが歩いて行くのが見えた。
いつもの取り巻きはいない。私にも気づいておらず、何か急いでいる様だ。
体育館の更衣室を出た西園寺さんは、早足で、校舎ではなくプールの方に向かっている。
もしかして、フェアリー・モンスターが取りついているのは、西園寺さんなのかも……。
そう思った瞬間、私の中から、メソメソした気持ちが消えた。
真実を暴いてやる。
そう決意した私は、こっそり西園寺さんの後をつけた。
西園寺さんは、この季節、人影がないプールの裏へと入って行った。ついていくと見つかるので、私は少し離れた物陰から様子を伺った。
すると突然、カン高い西園寺さんの声が聞こえて来る。
「学校に来ちゃダメって行ったでしょ! 今すぐ家にお帰りなさい」
誰と話しているのだろう。
西園寺さんは確かに、一人でここに来た。誰かと待ち合わせしていたのだろうか?
最初の一言こそ、きつい口調だったが、その後は、聞こえてくる西園寺さんの声は、子供をあやす様だった。
「ねぇ、私だって辛いのですよ。でも学校に、あなたを入れる訳にはいきませんの。いい子だから、おうちで待っていて下さいな」
話している相手の声は聞こえない。
黙っているのか、声が小さいのか。
私がもっと聞こえる様に、物陰から身を乗り出そうとした時。
西園寺さんが、こちらに戻ってきた。
私は慌てて、その場から逃げ出す。そうなると自然と、さっき飛び出してきた校舎に戻る事になる。
スリッパに履き変えて校舎内に入ると、掲示板に貼られていた私の体操着は剥がされており、野次馬も、もういなかった。
後ろからは、西園寺さんが戻ってくるからグズグズしていられない。私は仕方なく、一年A組の教室に戻るしかなかった。
扉を開けた瞬間、クラス中の皆が私を見た。そりゃそうだ。さっき中間テストの順位が書かれた私の体操着が、掲示板に貼り出されたばかりなのだから。
「山野辺さん、戻ってきたのね、良かった」
坂切さんがそう言って駆け寄ってきてくれたので、私は涙が出そうになった。
このクラスで、私に優しくしてくれるのは彼女だけだ。
「さっきの件は、学級委員を通じて先生に報告してもらったわ。もうウヤムヤにはさせない。あなたにヒドい事をした犯人は、必ず見つけてもらうわ」
犯人。坂切さんの口から出た、その言葉に、ちょっとドキッとした。
その時、私が開けたままの扉から西園寺さんも入ってきて、クラス全員の視線が一斉に、彼女に移った。
あ……。
私は敏感に感じ取った。クラスの皆が、西園寺さんに疑いの目を向けている。
私の体操着を盗んで、中間テストの順位を書いて、掲示板に貼り出したのは……。
ここ数日の嫌がらせの犯人は、西園寺さんなのではないか。彼女を見つめるクラスメイトたちの視線には、そんな疑いが込められていた。
自分に集まる視線に、少し戸惑いを感じながらも、西園寺さんはいつもと変わらず、クラスの女王の様な態度で自分の席へ向かう。
私は一瞬、迷った。
正直、西園寺さんの事は怖い。もしフェアリー・モンスターが取りついているとしたら、なおさらだ。
だけど、ここで黙っていたら、今までの私と変わらない気がする。
モタモタして、メソメソして、いつも誰かのせいにしている、今までの私と。
「山野辺さん、どうしたの?」
坂切さんの声を背に、私は西園寺さんの方に歩み寄った。
私は変わるんだ。変わらなくちゃ、いけないんだ。
怪訝そうな顔をする西園寺さんに向かって、思い切って言う。
「さっき、プールの裏で、誰と話していたの?」
西園寺さんの顔色がサッ、と変わった。
いつもの余裕ある態度がウソの様に、慌てた様子で言い返して来る。
「あ、あなたには関係ないでしょ」
私も、ここで引く訳には行かない。
「関係なくないわ。学校に来ちゃいけない、誰と話してたの。その人が私の体操着を盗んだんじゃないの」
クラスの空気がザワッ、とゆれた。
西園寺さんが怪しい人物と会話していた。その事実で、彼女は一気に、不利な方向に追いやられた。
だが西園寺さんは、まだ精一杯、いつもの態度を保っている様に見えた。
「何を言うのかと思えば、そんな事ですの? なんで私が、外勢の体操着なんか盗まねばなりませんの?」
まただ。こっちを外勢としてバカにしてくる態度に、私はカチンと来た。
「外勢も内勢も関係ないよっ! 西園寺さんは、気に入らない私に、嫌がらせしたかっただけでしょ」
「貴女の様な庶民の事なんか、気にしていませんわ。ご両親が、さぞや頑張って進学資金をご用意なさったんでしょうね」
お父さんとお母さんをバカにした、その一言で、私は理性を失った。
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説
【完結】私だけが知らない
綾雅(りょうが)祝!コミカライズ
ファンタジー
目が覚めたら何も覚えていなかった。父と兄を名乗る二人は泣きながら謝る。痩せ細った体、痣が残る肌、誰もが過保護に私を気遣う。けれど、誰もが何が起きたのかを語らなかった。
優しい家族、ぬるま湯のような生活、穏やかに過ぎていく日常……その陰で、人々は己の犯した罪を隠しつつ微笑む。私を守るため、そう言いながら真実から遠ざけた。
やがて、すべてを知った私は――ひとつの決断をする。
記憶喪失から始まる物語。冤罪で殺されかけた私は蘇り、陥れようとした者は断罪される。優しい嘘に隠された真実が徐々に明らかになっていく。
【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
2023/12/20……小説家になろう 日間、ファンタジー 27位
2023/12/19……番外編完結
2023/12/11……本編完結(番外編、12/12)
2023/08/27……エブリスタ ファンタジートレンド 1位
2023/08/26……カテゴリー変更「恋愛」⇒「ファンタジー」
2023/08/25……アルファポリス HOT女性向け 13位
2023/08/22……小説家になろう 異世界恋愛、日間 22位
2023/08/21……カクヨム 恋愛週間 17位
2023/08/16……カクヨム 恋愛日間 12位
2023/08/14……連載開始
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
婚約者に消えろと言われたので湖に飛び込んだら、気づけば三年が経っていました。
束原ミヤコ
恋愛
公爵令嬢シャロンは、王太子オリバーの婚約者に選ばれてから、厳しい王妃教育に耐えていた。
だが、十六歳になり貴族学園に入学すると、オリバーはすでに子爵令嬢エミリアと浮気をしていた。
そしてある冬のこと。オリバーに「私の為に消えろ」というような意味のことを告げられる。
全てを諦めたシャロンは、精霊の湖と呼ばれている学園の裏庭にある湖に飛び込んだ。
気づくと、見知らぬ場所に寝かされていた。
そこにはかつて、病弱で体の小さかった辺境伯家の息子アダムがいた。
すっかり立派になったアダムは「あれから三年、君は目覚めなかった」と言った――。
【完結】7年待った婚約者に「年増とは結婚できない」と婚約破棄されましたが、結果的に若いツバメと縁が結ばれたので平気です
岡崎 剛柔
恋愛
「伯爵令嬢マリアンヌ・ランドルフ。今日この場にて、この僕――グルドン・シルフィードは君との婚約を破棄する。理由は君が25歳の年増になったからだ」
私は7年間も諸外国の旅行に行っていたグルドンにそう言われて婚約破棄された。
しかも貴族たちを大勢集めたパーティーの中で。
しかも私を年増呼ばわり。
はあ?
あなたが勝手に旅行に出て帰って来なかったから、私はこの年までずっと結婚できずにいたんですけど!
などと私の怒りが爆発しようだったとき、グルドンは新たな人間と婚約すると言い出した。
その新たな婚約者は何とタキシードを着た、6、7歳ぐらいの貴族子息で……。
【完結】20年後の真実
ゴールデンフィッシュメダル
恋愛
公爵令息のマリウスがが婚約者タチアナに婚約破棄を言い渡した。
マリウスは子爵令嬢のゾフィーとの恋に溺れ、婚約者を蔑ろにしていた。
それから20年。
マリウスはゾフィーと結婚し、タチアナは伯爵夫人となっていた。
そして、娘の恋愛を機にマリウスは婚約破棄騒動の真実を知る。
おじさんが昔を思い出しながらもだもだするだけのお話です。
全4話書き上げ済み。
【完結】彼女以外、みんな思い出す。
❄️冬は つとめて
ファンタジー
R15をつける事にしました。
幼い頃からの婚約者、この国の第二王子に婚約破棄を告げられ。あらぬ冤罪を突きつけられたリフィル。この場所に誰も助けてくれるものはいない。
【完結】真実の愛に目覚めたと婚約解消になったので私は永遠の愛に生きることにします!
ユウ
恋愛
侯爵令嬢のアリスティアは婚約者に真実の愛を見つけたと告白され婚約を解消を求められる。
恋する相手は平民であり、正反対の可憐な美少女だった。
アリスティアには拒否権など無く、了承するのだが。
側近を婚約者に命じ、あげくの果てにはその少女を侯爵家の養女にするとまで言われてしまい、大切な家族まで侮辱され耐え切れずに修道院に入る事を決意したのだが…。
「ならば俺と永遠の愛を誓ってくれ」
意外な人物に結婚を申し込まれてしまう。
一方真実の愛を見つけた婚約者のティエゴだったが、思い込みの激しさからとんでもない誤解をしてしまうのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる