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第七章:プリンセス、物語を紡ぐ(仮)
(11)冥王攻略
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「……ハデス様、ハデス様?」
二時間半(実時間三分くらい)に及ぶ超大作をご覧いただき誠にありがとうございます。(笑)
いかがでしたでしょうか。俺様なあなた様とその奴隷の愛と欲望の日々は?(笑)
今思い出しても体の奥深くがジンと疼く様でございます。
塔の拷問部屋で仕込まれてその後は城で性奴隷としてご奉仕の日々。それがいつの間にか愛玩ペットの様な扱いになり……。お庭の散歩はそれはもう恥ずかしさと興奮で大変なことになりましたわね。
青空の下(地下ですけれど)獣の様に後ろから突かれて逝くというのはとても貴重な経験でした。(ああ、外でするのは初めてではなかったです、よくよく思い出すと何度か経験が……うふ)
それにしてもせっかくの超大作エロスでしたのに最後が少々コメディーテイストでしたね。
まさかのオチに観客からのブーイングが聞こえてきそうでございました。ですが皆様どうか温かい目で見守ってくださいませ。もしかしたらこれからあの日々の続きが始まるかもしれません。
ただ、ほんのすこーし純愛テイストを施させて頂きとうございます。私キラリはもう昔の様な乱れた女ではございませんので。(笑)
「ご主人様、ご気分はいかがですか? お水をご用意致しております。どうぞ……」
「あ……ああ……悪りいな……」
冥王様はごく自然に私からグラスを受け取り水を一気に飲み干した。
「ーー!?」
そしてキンキンに冷やした冷たい水で目が覚めたご様子。側で傅く私に見たこともない驚いた表情を見せた。
「さて、いかがでしたか?」
立ち上がり問いかける。新生魔王国の女王としてはいつまでも傅いているわけにはいかない。まぁそれを言い出したら最初から傅くべきではないのだけれど、そこはそれ、どうしても幻(ゆめ)の続きを演出したかったのよ。うふふ。
「貴様……アレは一体何だ!?」
「何だと思いますか?」
「虚像ーーでない事は確信している。少なくとも俺には現実にあった事にしか思えねぇ……だが、百パーセント現実ではありえないと断言できる。だからわからねぇ。なんなんだアレは!?」
「アレはあり得べからず未来。はたまたあり得たはずの過去。それともこれから始まる現実。アレはそのどれでもなく、そしてどれにもなり得る可能性です」
「意味がわからねぇ……」
「うふふ。ですよね。では簡単に言ってみましょう。アレはとある世界線では現実に起こった出来事です。その世界で私は冒険者としてあなた様に出会い囚われ愛された。その一部始終ですわ。もちろん編集してコンパクトにまとめております。だって実際には数ヶ月ほどあなた様の愛の奴隷として過ごしましたかしら?」
「……並行世界? パラレルワールドか?」
「やはり今の様な情報ですぐにご理解いただけるのですね……ガルム様といいあなた様といい……」
とても素晴らしい理解力ですねぇ……。
「だとすると貴様は何者だ? 世界を渡る力を持っているというのか? しかしそれは……」
「お悩みのところ恐縮ですが、そろそろ冥王陛下のご返答をお伺いしたく思います。ですがご心配なく。例え断られたとしても皆様の命に手を出す様な事を私は一切致しません。大丈夫ですよ? 本当ですよ? 先ほどの幻を愛と欲望の日々などと謳って上映会をしようなどとは全くもって考えてもおりませんから」(笑)
「なっ!? 馬鹿野郎! そんなことしてみろ!? それこそ血の雨が降るじゃねぇかっ!!」
「声が大きいですわ。それに冥王様ともあろうお方が何を気弱な事を……クスクス」
いやまぁお姉様方を怒らせるのは私でも嫌だけどさ。
「テメェわかってて言ってやがるな?」
「さて何の事でしょうか。私が知るのは今でない時、ここでない何処かの話ですから。私のあのお方は私をその様な目で見ませんから……」
「………………チッ」
さすがの冥王様でも動揺? 困惑? 少々判断に迷っておられるご様子ですね。情報過多でしたでしょうか? まぁ愛のメモリー2には約束の地での一幕もありますからね。それに見たところお姉様方の性格や言動などもほぼそのままの様子。
アレを偽りだと思うのはなかなか難しいでしょう。事実本物ではあるのですしね。ただこの世界の話ではないだけ。ソックリそのままな別の世界でのお話……。
ふふ。少し感傷的になってしまいました。私もまだまだ乙女ですわね。でも気を緩めたりはしません。今度こそ終わりにします。いい加減にバッドエンドの連続ではゲーマーである俺くんに示しがつきませんからね。
「……ぐっ……ぁあっ……クソッッ! 仕方がねぇ! 取り敢えず話を聞いてやる。おいクソ犬! テメェ後で覚えてやがれよ!! とんでもない奴を連れて来やがって……」
「一思いにご快諾いただけないだなんて……キラリ悲しい。思わず上映会を始めてしまいそうですわ」(笑)
「テメェ……」
「もちろんしませんよ! だってラグジュお姉様ったら容赦がないんですもの……ね?」
お姉様方には聞こえない小さな声で囁く。
苦虫を噛み潰した様な複雑な表情の冥王様もまた良きかな良きかな。(笑)
「それではお姉様方を解放しますのでお願いしますねハデス様?」
「……チッ! わかってる。なんとかする。だが貴様はハメを外すなよ? 絶対にだ!」
「……ふりですか?」
「ーーんなわけあるかっ!!」
「知ってます。うふふ」
「チッ、嬉しそうにしやがって……」
「それはそうですよ? 愛しの殿方と戯れるのは楽しいに決まってるじゃありませんか」
「あんな目に遭ったのにか?」
「ええ。出会いはともかくとしてその後の暮らしは決して嫌なものではありませんでした。あの方の愛を感じれば感じるほどに……うふふ」
「そうか。少しホッとした。俺じゃねぇが俺だからな……」
「うふふ。やっぱりお優しい所は変わらないのですね」
「うっせぇ。とにかくお前は少し黙ってろよ?」
「はいはい、ご主人様の仰せのままに」
「だから、そういう所だってんだよ! お前が余計なことを言うほどにややこしくなる。分かってて言ってるだろ?」
「はい。ですからここまでです。ここからはちゃんと新生魔王国の女王として振舞いますわ」
「そうしてくれ……」
あらまぁ。この短時間で随分とお疲れのご様子。なんでしたら今夜にでも私がその疲れを癒して差し上げようかしら?(笑)
なんてね。うふふ。
二時間半(実時間三分くらい)に及ぶ超大作をご覧いただき誠にありがとうございます。(笑)
いかがでしたでしょうか。俺様なあなた様とその奴隷の愛と欲望の日々は?(笑)
今思い出しても体の奥深くがジンと疼く様でございます。
塔の拷問部屋で仕込まれてその後は城で性奴隷としてご奉仕の日々。それがいつの間にか愛玩ペットの様な扱いになり……。お庭の散歩はそれはもう恥ずかしさと興奮で大変なことになりましたわね。
青空の下(地下ですけれど)獣の様に後ろから突かれて逝くというのはとても貴重な経験でした。(ああ、外でするのは初めてではなかったです、よくよく思い出すと何度か経験が……うふ)
それにしてもせっかくの超大作エロスでしたのに最後が少々コメディーテイストでしたね。
まさかのオチに観客からのブーイングが聞こえてきそうでございました。ですが皆様どうか温かい目で見守ってくださいませ。もしかしたらこれからあの日々の続きが始まるかもしれません。
ただ、ほんのすこーし純愛テイストを施させて頂きとうございます。私キラリはもう昔の様な乱れた女ではございませんので。(笑)
「ご主人様、ご気分はいかがですか? お水をご用意致しております。どうぞ……」
「あ……ああ……悪りいな……」
冥王様はごく自然に私からグラスを受け取り水を一気に飲み干した。
「ーー!?」
そしてキンキンに冷やした冷たい水で目が覚めたご様子。側で傅く私に見たこともない驚いた表情を見せた。
「さて、いかがでしたか?」
立ち上がり問いかける。新生魔王国の女王としてはいつまでも傅いているわけにはいかない。まぁそれを言い出したら最初から傅くべきではないのだけれど、そこはそれ、どうしても幻(ゆめ)の続きを演出したかったのよ。うふふ。
「貴様……アレは一体何だ!?」
「何だと思いますか?」
「虚像ーーでない事は確信している。少なくとも俺には現実にあった事にしか思えねぇ……だが、百パーセント現実ではありえないと断言できる。だからわからねぇ。なんなんだアレは!?」
「アレはあり得べからず未来。はたまたあり得たはずの過去。それともこれから始まる現実。アレはそのどれでもなく、そしてどれにもなり得る可能性です」
「意味がわからねぇ……」
「うふふ。ですよね。では簡単に言ってみましょう。アレはとある世界線では現実に起こった出来事です。その世界で私は冒険者としてあなた様に出会い囚われ愛された。その一部始終ですわ。もちろん編集してコンパクトにまとめております。だって実際には数ヶ月ほどあなた様の愛の奴隷として過ごしましたかしら?」
「……並行世界? パラレルワールドか?」
「やはり今の様な情報ですぐにご理解いただけるのですね……ガルム様といいあなた様といい……」
とても素晴らしい理解力ですねぇ……。
「だとすると貴様は何者だ? 世界を渡る力を持っているというのか? しかしそれは……」
「お悩みのところ恐縮ですが、そろそろ冥王陛下のご返答をお伺いしたく思います。ですがご心配なく。例え断られたとしても皆様の命に手を出す様な事を私は一切致しません。大丈夫ですよ? 本当ですよ? 先ほどの幻を愛と欲望の日々などと謳って上映会をしようなどとは全くもって考えてもおりませんから」(笑)
「なっ!? 馬鹿野郎! そんなことしてみろ!? それこそ血の雨が降るじゃねぇかっ!!」
「声が大きいですわ。それに冥王様ともあろうお方が何を気弱な事を……クスクス」
いやまぁお姉様方を怒らせるのは私でも嫌だけどさ。
「テメェわかってて言ってやがるな?」
「さて何の事でしょうか。私が知るのは今でない時、ここでない何処かの話ですから。私のあのお方は私をその様な目で見ませんから……」
「………………チッ」
さすがの冥王様でも動揺? 困惑? 少々判断に迷っておられるご様子ですね。情報過多でしたでしょうか? まぁ愛のメモリー2には約束の地での一幕もありますからね。それに見たところお姉様方の性格や言動などもほぼそのままの様子。
アレを偽りだと思うのはなかなか難しいでしょう。事実本物ではあるのですしね。ただこの世界の話ではないだけ。ソックリそのままな別の世界でのお話……。
ふふ。少し感傷的になってしまいました。私もまだまだ乙女ですわね。でも気を緩めたりはしません。今度こそ終わりにします。いい加減にバッドエンドの連続ではゲーマーである俺くんに示しがつきませんからね。
「……ぐっ……ぁあっ……クソッッ! 仕方がねぇ! 取り敢えず話を聞いてやる。おいクソ犬! テメェ後で覚えてやがれよ!! とんでもない奴を連れて来やがって……」
「一思いにご快諾いただけないだなんて……キラリ悲しい。思わず上映会を始めてしまいそうですわ」(笑)
「テメェ……」
「もちろんしませんよ! だってラグジュお姉様ったら容赦がないんですもの……ね?」
お姉様方には聞こえない小さな声で囁く。
苦虫を噛み潰した様な複雑な表情の冥王様もまた良きかな良きかな。(笑)
「それではお姉様方を解放しますのでお願いしますねハデス様?」
「……チッ! わかってる。なんとかする。だが貴様はハメを外すなよ? 絶対にだ!」
「……ふりですか?」
「ーーんなわけあるかっ!!」
「知ってます。うふふ」
「チッ、嬉しそうにしやがって……」
「それはそうですよ? 愛しの殿方と戯れるのは楽しいに決まってるじゃありませんか」
「あんな目に遭ったのにか?」
「ええ。出会いはともかくとしてその後の暮らしは決して嫌なものではありませんでした。あの方の愛を感じれば感じるほどに……うふふ」
「そうか。少しホッとした。俺じゃねぇが俺だからな……」
「うふふ。やっぱりお優しい所は変わらないのですね」
「うっせぇ。とにかくお前は少し黙ってろよ?」
「はいはい、ご主人様の仰せのままに」
「だから、そういう所だってんだよ! お前が余計なことを言うほどにややこしくなる。分かってて言ってるだろ?」
「はい。ですからここまでです。ここからはちゃんと新生魔王国の女王として振舞いますわ」
「そうしてくれ……」
あらまぁ。この短時間で随分とお疲れのご様子。なんでしたら今夜にでも私がその疲れを癒して差し上げようかしら?(笑)
なんてね。うふふ。
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