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第五章:プリンセス、最果ての地に散る
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「お疲れ様! 乾杯!」
「「「「カンパーイ!」」」」
美味しいと評判のお店で豪華な打ち上げ?
「くぅ~~っっ!! 美味い! やはり仕事の後の一杯は格別だなっ!!」
「それが生きてるって事さね。今日も美味しいものが食べられる幸せに感謝だねぇ」
「否定はしませんがメルさんって微妙に年寄りくさいですよね。ささ、お姉様も一杯どうぞ」
「ありがと。でも私はあまりお酒に強くないから少しでいいわ」
「そうですか? 私ソロだったのでこういう仲間と達成感を分かち合う機会が今までなくて……なんだかはしゃぎ過ぎちゃいましたね、ごめんなさい……」
「え、そうなの? ぁ、えっと……いいわ。もう少し頂くわ! キラリさん注いでくれる?」
「はい!」
空にしたグラスを差し出してくるお姉様にとびっきりの笑顔を返しつつさりげなく度数の高いお酒を注ぐ。
「ほどほどにな」
ノインさんには見抜かれていたみたいね。ちょっと釘を刺されてしまったけれど、お姉様を泣かせるような事はしませんから。
「みんな、数日間ご苦労だったな。思ったよりも大変なクエストだったが無事にクリアすることができた。フィンに向かう上で必須だったキラリくんのランクアップも果たせたし文句なしの戦果だろう」
「もぐもぐ……そうだねぇ。結果良ければなんとやらでいいんじゃないかねぇ。もぐもぐ……」
串に刺したお肉や野菜を次々に平らげていくメルさん。私も一つ頂く。
甘辛いタレが絡んだお肉は頬張るとジュワッと肉汁を溢れさせた。一口サイズだから口の周りを汚す事なく食べられるのがいい。
「美味しいですね。ささお姉様もどうぞ」
取り皿にお肉と野菜を一本ずつ取り分けて差し出す。
「そんなに私に構わなくていいのよ? ほら、あなたももっと好きに食べなさい」
「はい……こうしてみんなと一緒に食事っていいですよね。いつもより美味しく感じますね」
「そうね。クエストはアレだったけれどもこういうのは楽しいわね」
「無事に終わったんだからもういいじゃないか。次の事を話そう」
「ルクス、きちんと振り返り見直すことも大切だ。困っている者を見過ごせない所はお前の美徳だがそれでパーティーが全滅しては意味がない」
「俺はみんなの力量を正しく把握しているつもりだ。その上で十分な勝算があった。実際うまくいったと思うが?」
「結果から見ればそうだな。しかし今回キラリがいなかったらどうなっていたかわからないぞ? お前も気がついているだろうが魔法使いとしてのキラリは超一流といってもいい。ソフィスも相当な実力者だが修得している魔法の系統が違う。キラリがいなければ森を抜けるのに相当苦労しただろう」
「しかしーー」
「ノイン、もうその辺でいいですわ。ルクスも……」
「反省すべきは……」
「そうね。それはみんなわかっているわよ? それでも今はキラリも仲間よ? だからこのメンバーで問題なく攻略出来たのならルクスの想定通りだったのよ。今後またキラリと別れた時は当然それに応じた戦力でクエストと向き合うのでしょう?」
「無論だ。キラリくんが現状ゲスト扱いなのは承知している。ああ、誤解しないでくれ。君さえ良ければ今後も一緒に活動していいと思っている。いや、それこそ共に行かないか?」
「……ありがとうございます。とっても評価していただいているようで光栄です。でももう少し考えさせてもらってもいいですか? 私自身の目的地はフィンの街なんです。そこへたどり着いてから……その先は考えたいんです。ダメでしょうか?」
「すまない。焦らせるつもりはない。我々の目的地もフィンであり、そして……」
「魔王城ですね?」
「そうだ。フィンから先という事はつまりはそういう話になる。よく考えてみてほしい。君の魔法使いとしての才能、実力は高く評価している。君が加わってくれればもはや敵はいない……そう思える程に。いい返事を期待しているよ」
「ありがとうございます」
若干、みんなの宴会モードが解除されて真剣な場になってしまった。それがダメではないのだけれど、今はクエストクリアを喜び、楽しくその労をねぎらう様なそんな場の方がいいと思う。だからここは一つ私が一肌脱ぎましょう!
「……ところで、少し話は変わりますが、ノインさん……それとルクス様。魔法使いとしての私は高く評価してくださっている……と仰いましたが、それ以外の部分はどうなんでしょうか? なんだかその部分をとても強調されたような気がしたのですが?」
「い、いや、そんなつもりはないぞ? 気のせいだ」
「そ、そうだぞキラリくん。そんな事は気のせいに違いないさ。俺は決して君のソフィスへの執着が変態的ーー」
「おい!? ルクス!」
「あ、いや、そうじゃない。情熱的でいいんじゃないかな? そうだとも、愛に性別とか関係ないさ? なぁみんな?」
「ちょ、ちょっと、こっちに振らないでよ!」
「人はそれを変態とーー」
「メル!」
「もぐもぐ……」
「やはり皆さんそんな目で私の事を……」
俯いて肩を振るわせる。
「おい、待て、泣くな!? 誰もそんな風には思ってないぞ。ソフィスを姉のように慕う事の何が悪いというんだ! なぁみんな?」
「そ、そうよキラリさん。まるで妹のようよ。私もあなたの事を妹のように……その、愛しているわよ?」
「そうだぞキラリ。家族の親愛。いいものだな」
「もぐもぐ……」
「本当ですか? 私のお姉様への愛を疑ったりしていないんですか?」
「「もちろんだとも!!」」
「わかりました。それじゃぁ今夜は私とお姉様が一緒の部屋でいいですよね?」
顔を上げて笑顔で断言する。いつもはメルさんと同室なのだけれど、チャンスが舞い込んできたのでこれはもう行くしかないわけですよ!!
「「えっ!?」」
「え、ああ。もちろんさ!」
「「ルクス!!」」
「なんですか二人とも慌てて? 何かあるんですか? やっぱり……」
「「そんな事は……」」
「もぐもぐ……お見事(ボソ)」
「それじゃ決まりですね!」
お姉様、今夜は寝かせないぞ♪
こうして私は見事にクエスト達成報酬を獲得したのでした。(笑)
「「「「カンパーイ!」」」」
美味しいと評判のお店で豪華な打ち上げ?
「くぅ~~っっ!! 美味い! やはり仕事の後の一杯は格別だなっ!!」
「それが生きてるって事さね。今日も美味しいものが食べられる幸せに感謝だねぇ」
「否定はしませんがメルさんって微妙に年寄りくさいですよね。ささ、お姉様も一杯どうぞ」
「ありがと。でも私はあまりお酒に強くないから少しでいいわ」
「そうですか? 私ソロだったのでこういう仲間と達成感を分かち合う機会が今までなくて……なんだかはしゃぎ過ぎちゃいましたね、ごめんなさい……」
「え、そうなの? ぁ、えっと……いいわ。もう少し頂くわ! キラリさん注いでくれる?」
「はい!」
空にしたグラスを差し出してくるお姉様にとびっきりの笑顔を返しつつさりげなく度数の高いお酒を注ぐ。
「ほどほどにな」
ノインさんには見抜かれていたみたいね。ちょっと釘を刺されてしまったけれど、お姉様を泣かせるような事はしませんから。
「みんな、数日間ご苦労だったな。思ったよりも大変なクエストだったが無事にクリアすることができた。フィンに向かう上で必須だったキラリくんのランクアップも果たせたし文句なしの戦果だろう」
「もぐもぐ……そうだねぇ。結果良ければなんとやらでいいんじゃないかねぇ。もぐもぐ……」
串に刺したお肉や野菜を次々に平らげていくメルさん。私も一つ頂く。
甘辛いタレが絡んだお肉は頬張るとジュワッと肉汁を溢れさせた。一口サイズだから口の周りを汚す事なく食べられるのがいい。
「美味しいですね。ささお姉様もどうぞ」
取り皿にお肉と野菜を一本ずつ取り分けて差し出す。
「そんなに私に構わなくていいのよ? ほら、あなたももっと好きに食べなさい」
「はい……こうしてみんなと一緒に食事っていいですよね。いつもより美味しく感じますね」
「そうね。クエストはアレだったけれどもこういうのは楽しいわね」
「無事に終わったんだからもういいじゃないか。次の事を話そう」
「ルクス、きちんと振り返り見直すことも大切だ。困っている者を見過ごせない所はお前の美徳だがそれでパーティーが全滅しては意味がない」
「俺はみんなの力量を正しく把握しているつもりだ。その上で十分な勝算があった。実際うまくいったと思うが?」
「結果から見ればそうだな。しかし今回キラリがいなかったらどうなっていたかわからないぞ? お前も気がついているだろうが魔法使いとしてのキラリは超一流といってもいい。ソフィスも相当な実力者だが修得している魔法の系統が違う。キラリがいなければ森を抜けるのに相当苦労しただろう」
「しかしーー」
「ノイン、もうその辺でいいですわ。ルクスも……」
「反省すべきは……」
「そうね。それはみんなわかっているわよ? それでも今はキラリも仲間よ? だからこのメンバーで問題なく攻略出来たのならルクスの想定通りだったのよ。今後またキラリと別れた時は当然それに応じた戦力でクエストと向き合うのでしょう?」
「無論だ。キラリくんが現状ゲスト扱いなのは承知している。ああ、誤解しないでくれ。君さえ良ければ今後も一緒に活動していいと思っている。いや、それこそ共に行かないか?」
「……ありがとうございます。とっても評価していただいているようで光栄です。でももう少し考えさせてもらってもいいですか? 私自身の目的地はフィンの街なんです。そこへたどり着いてから……その先は考えたいんです。ダメでしょうか?」
「すまない。焦らせるつもりはない。我々の目的地もフィンであり、そして……」
「魔王城ですね?」
「そうだ。フィンから先という事はつまりはそういう話になる。よく考えてみてほしい。君の魔法使いとしての才能、実力は高く評価している。君が加わってくれればもはや敵はいない……そう思える程に。いい返事を期待しているよ」
「ありがとうございます」
若干、みんなの宴会モードが解除されて真剣な場になってしまった。それがダメではないのだけれど、今はクエストクリアを喜び、楽しくその労をねぎらう様なそんな場の方がいいと思う。だからここは一つ私が一肌脱ぎましょう!
「……ところで、少し話は変わりますが、ノインさん……それとルクス様。魔法使いとしての私は高く評価してくださっている……と仰いましたが、それ以外の部分はどうなんでしょうか? なんだかその部分をとても強調されたような気がしたのですが?」
「い、いや、そんなつもりはないぞ? 気のせいだ」
「そ、そうだぞキラリくん。そんな事は気のせいに違いないさ。俺は決して君のソフィスへの執着が変態的ーー」
「おい!? ルクス!」
「あ、いや、そうじゃない。情熱的でいいんじゃないかな? そうだとも、愛に性別とか関係ないさ? なぁみんな?」
「ちょ、ちょっと、こっちに振らないでよ!」
「人はそれを変態とーー」
「メル!」
「もぐもぐ……」
「やはり皆さんそんな目で私の事を……」
俯いて肩を振るわせる。
「おい、待て、泣くな!? 誰もそんな風には思ってないぞ。ソフィスを姉のように慕う事の何が悪いというんだ! なぁみんな?」
「そ、そうよキラリさん。まるで妹のようよ。私もあなたの事を妹のように……その、愛しているわよ?」
「そうだぞキラリ。家族の親愛。いいものだな」
「もぐもぐ……」
「本当ですか? 私のお姉様への愛を疑ったりしていないんですか?」
「「もちろんだとも!!」」
「わかりました。それじゃぁ今夜は私とお姉様が一緒の部屋でいいですよね?」
顔を上げて笑顔で断言する。いつもはメルさんと同室なのだけれど、チャンスが舞い込んできたのでこれはもう行くしかないわけですよ!!
「「えっ!?」」
「え、ああ。もちろんさ!」
「「ルクス!!」」
「なんですか二人とも慌てて? 何かあるんですか? やっぱり……」
「「そんな事は……」」
「もぐもぐ……お見事(ボソ)」
「それじゃ決まりですね!」
お姉様、今夜は寝かせないぞ♪
こうして私は見事にクエスト達成報酬を獲得したのでした。(笑)
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