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第五章:プリンセス、最果ての地に散る
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壁の上から偵察すること十分少々。
正直そんなに時間は必要なかったのだけれど、秘密の相談が終わるまでは戻れないので仕方がない。
魔法改変スキルを使って下から見えない位置に座れるスペースを作り出してそこから外の様子を眺めて過ごした。
魔法人形は壁の周りに集まって私たちを探しているように見える。概ね館を中心に満遍なく配置(?)されているようだけれど、現在は私達がいる方向に重点的に展開している。総数はざっと五百といったところだろうか。一々数えてられないのでざっくりだけれど。
これが限界かどうかはわからないけれど、仮に限界だとしても疲れを知らず、恐れを知らず、倒しても倒してもすぐに補充される軍団を相手にするのはなかなか骨が折れそうだ。
でも攻略不可能ではないと思う。単純に相手を上回る物量……そうね二倍……いいえ三倍程度もいればこちらも入れ替わりながらいずれは館まで到達出来るのではないか?
……でもそうか、騎士団を動員してもダメだったのよね。そうすると、倒さずに相手を引きつけておいて精鋭を突入させる方がいいのかもしれない。
私なら……束縛の蔦で縛りつけるか氷結の矢で凍らせるか……あっ!? 空飛んで一気に館まで行けばいいんじゃないかしら!?
それにそもそも館に行くのが目的じゃない。魔法道具を破壊すればいいのだから、ここから館を狙撃するという手段もあるわね……。どこに魔法道具が設置されているかわからないけれど、人形達が停止すれば成功な訳だし、不可能ではないわね。
……今はしないけど。
「……ねぇアン、勇者様達をどう思う?」
「どうとはどのような意味でしょうか?」
「そうね……」
いつも通り姿を隠して私の肩に座るアン。下ろした髪と灰色の外套で彼女の存在をカムフラージュしているけれど、ずっと私のそばにいて時にはマップからの情報を耳打ちしてくれていた。
もっと普通に一緒に旅したいものだけれど……大きくなればいけそうよね。このパーティーから離れたらやってみてもいいかもしれない。アンが人の姿を保つ程度の魔力消費なら腕輪があれば実質ノーコストで維持できる。
「この旅の目的は私たち魔王の娘が強くなることにあるのだけれど、私個人は勇者と出会い可能ならその勇者を……。そう考えていたわ。でも……勇者は……いい人よね。人族の総意ではないかもしれないけれど、魔王との対話、魔族との和平を考えている。そんな勇者だった……」
「はい。私が見ている限りにおいても常に誰かのことを思いやり助けようとされていました。その意思が人族以外にも及ぶのか、今はまだ判断がつきません。いっそ姫様が正体を明かしてみれば……そのように思ったりもしましたが、それはいけませんよ?」
釘を刺されてしまったわね。するつもりは今のところはなかったけれど。でもそれ以上の良案は……。
「いい案ではないかしら?」
「いいえ! とんでもございません!! 勇者の考えを確認するために姫様の身を危険にさらす訳には参りません。それならば大きな姿の私が魔族として勇者の前に姿を現わす方がーー」
言うと思った。でもそれは悪手でしかない。
「それはダメ」
「ですが!?」
「アンでは万一の場合に対処ができない。私なら事前に魔法をかけておくことで即座に殺されるような事にはならない。でもアンだとそうはいかない。斬られたら死んでしまうわ」
「それは姫様も!」
「いいえ。私を一撃で殺す事は不可能よ。少なくとも今把握している彼らの攻撃では私は死なないわ」
しっかりと備えた上でなら……今の私のレベルやスキルなら相当量のダメージでも無効化できるはず。
ただし勇者にだって色々とスキルがあるはず。怖いのは固定ダメージ系スキルとクリティカル系スキル。おそらく即死は効かないと思う。試したことはないし、試したいとも思わないけれど。
「それでも姫様をそのような危険な目に合わせる訳には参りません」
「もちろん私もするつもりはないわよ? 死なない事と怖くない事はイコールではないわ。そして物事には絶対はない。勇者がただ剣で斬るくらいなら全く問題ないのだけれど、そうでない可能性だってあるわ。私が知らない凄いスキルや技があるかもしれないしね。だからしないわ。アンにもさせるつもりはない」
「少し安心しました。姫様はいつも無茶をされますから……」
「ごめんねアン。多少の無茶ならした方が上手く事が進むと思うとつい……ね」
「つい……で勇者に魔族だと話さないでくださいね?」
うふふ。また釘を刺されてしまったわね。もう少し信用してくれてもいいと思うのだけれど……ダメかしら?
でももしかしたら……既に色々と手が回っているかもしれないとは思うのよね。癒しの聖女ソフィス様と剣聖ノインさん。二人は私が魔族だと知っている訳だから……。
勇者の考えを知る彼女達が何か策を巡らせている可能性も十分あると思う。今のところソフィス様は友好的だけれど、あの憎悪から簡単に抜け出せるとも思えない。感情と理屈の狭間で未だ揺れているかもしれない。
どちらに傾くか、もしかしたらそれが世界の命運を分けるかもしれないーーなんちゃって。(笑)
「それにしても退屈だわ。少し試してみようかしら? アン、マップを開いてくれる?」
「かしこまりました。どうぞご覧ください」
目の前に展開する半透明のウィンドウ。森とその中心に建つ館が確認できる。
「『探索』」
魔法により森に展開している魔法人形達の位置が光点として映し出された。
「ここからが実験ね」
「一体何をされるおつもりですか姫様?」
「試してみるから見ていて頂戴」
ラノベとかではよく(?)あるパターンよね。マップから敵をロックオンして魔法で殲滅するっていうやつ。
シューティングゲームっぽくて少し憧れてしまう。それを試してみよう。
「『刺シ貫ク光』」
適当に百くらいの目標を強く意識して魔法を発動させる。
目の前に無数の光の球が出現したかと思うと瞬く間に光の線となって森の中に降り注いだ。
まるで光の嵐のよう。
「ーーどう!?」
マップを注視する。着弾と同時にいくつもの光点が消えた。でも、それは放った光線の数からするととても成功とは言えない命中率で、率直に言えばーー。
「失敗ね。やっぱりそう上手くはいかないわね……」
それでも二割程度かしら? 十分と言えなくもないけれど……うーん。これなら無作為でも雨の様に降らせた方がいいのではないかしら? 例えばコストの低い初級魔法で……。
「『氷の矢』」
氷の矢を千本ほど生み出して光点が密集するあたりに雨の様に振らせてみる。
私の魔力の場合初級魔法ですら一撃必殺に近い威力になる訳で……。
「凄いです姫様! あの一帯の反応が消失しました!」
「そうね……結果は良好なのだけれど、何故か心が満足していないわ」
「どうされたのですか? 浮かない顔ですが……? この結果では不満なのでしょうか?」
「そうではないの。不満ではないの。でも正直これは順当な結果すぎてつまらないのよ」
「つまらない……ですか?」
「そうね、最初の実験がうまくいけば無数の敵を百発百中撃ち抜く凄腕魔法使いーーなのに対して二つ目の方は物量で力任せに圧し潰す感じなのね。何て言ったらいいのかしら、スマートじゃないと言うか、こう胸が熱くならないというか……」
「えっと……仰る意味がよくわかりません」
デスよねー。
私が上手く説明できないせいもあるんだろうけれど、これはきっと男にしかわからない感覚なんでしょうね。俺くんの記憶的には興奮を覚えなくもないのだけれど、実を言えば私にもちょっと理解しがたかったりする。
私の精神は少しキラリよりなのかしら? それとも体がキラリ姫だから感じ方が女の子なのかしら?
まぁいいわ。よくわかんないし、私は私でいいわよね。
「ねぇアン、もう暫くかかりそうだしお茶にしましょう」
「かしこまりました。すぐにご用意いたしますね」
ストレージから色々と取り出して支度を始めるアン。姿を消したままだからポットやカップがひとりでに踊っている様で凄くメルヘンな光景。
思わず頰が緩んでしまう。
さて聖女様……あまり待たせるようだと私ここから館を狙い撃っちゃいますよ?(笑)
背後の勇者パーティーをチラリと見下ろして急いでくださいね。なんて心の中で急かしてみる。
でないと……指鉄砲を館に向けてーー。
「バーン♪」
フッーーしちゃいますよ?
正直そんなに時間は必要なかったのだけれど、秘密の相談が終わるまでは戻れないので仕方がない。
魔法改変スキルを使って下から見えない位置に座れるスペースを作り出してそこから外の様子を眺めて過ごした。
魔法人形は壁の周りに集まって私たちを探しているように見える。概ね館を中心に満遍なく配置(?)されているようだけれど、現在は私達がいる方向に重点的に展開している。総数はざっと五百といったところだろうか。一々数えてられないのでざっくりだけれど。
これが限界かどうかはわからないけれど、仮に限界だとしても疲れを知らず、恐れを知らず、倒しても倒してもすぐに補充される軍団を相手にするのはなかなか骨が折れそうだ。
でも攻略不可能ではないと思う。単純に相手を上回る物量……そうね二倍……いいえ三倍程度もいればこちらも入れ替わりながらいずれは館まで到達出来るのではないか?
……でもそうか、騎士団を動員してもダメだったのよね。そうすると、倒さずに相手を引きつけておいて精鋭を突入させる方がいいのかもしれない。
私なら……束縛の蔦で縛りつけるか氷結の矢で凍らせるか……あっ!? 空飛んで一気に館まで行けばいいんじゃないかしら!?
それにそもそも館に行くのが目的じゃない。魔法道具を破壊すればいいのだから、ここから館を狙撃するという手段もあるわね……。どこに魔法道具が設置されているかわからないけれど、人形達が停止すれば成功な訳だし、不可能ではないわね。
……今はしないけど。
「……ねぇアン、勇者様達をどう思う?」
「どうとはどのような意味でしょうか?」
「そうね……」
いつも通り姿を隠して私の肩に座るアン。下ろした髪と灰色の外套で彼女の存在をカムフラージュしているけれど、ずっと私のそばにいて時にはマップからの情報を耳打ちしてくれていた。
もっと普通に一緒に旅したいものだけれど……大きくなればいけそうよね。このパーティーから離れたらやってみてもいいかもしれない。アンが人の姿を保つ程度の魔力消費なら腕輪があれば実質ノーコストで維持できる。
「この旅の目的は私たち魔王の娘が強くなることにあるのだけれど、私個人は勇者と出会い可能ならその勇者を……。そう考えていたわ。でも……勇者は……いい人よね。人族の総意ではないかもしれないけれど、魔王との対話、魔族との和平を考えている。そんな勇者だった……」
「はい。私が見ている限りにおいても常に誰かのことを思いやり助けようとされていました。その意思が人族以外にも及ぶのか、今はまだ判断がつきません。いっそ姫様が正体を明かしてみれば……そのように思ったりもしましたが、それはいけませんよ?」
釘を刺されてしまったわね。するつもりは今のところはなかったけれど。でもそれ以上の良案は……。
「いい案ではないかしら?」
「いいえ! とんでもございません!! 勇者の考えを確認するために姫様の身を危険にさらす訳には参りません。それならば大きな姿の私が魔族として勇者の前に姿を現わす方がーー」
言うと思った。でもそれは悪手でしかない。
「それはダメ」
「ですが!?」
「アンでは万一の場合に対処ができない。私なら事前に魔法をかけておくことで即座に殺されるような事にはならない。でもアンだとそうはいかない。斬られたら死んでしまうわ」
「それは姫様も!」
「いいえ。私を一撃で殺す事は不可能よ。少なくとも今把握している彼らの攻撃では私は死なないわ」
しっかりと備えた上でなら……今の私のレベルやスキルなら相当量のダメージでも無効化できるはず。
ただし勇者にだって色々とスキルがあるはず。怖いのは固定ダメージ系スキルとクリティカル系スキル。おそらく即死は効かないと思う。試したことはないし、試したいとも思わないけれど。
「それでも姫様をそのような危険な目に合わせる訳には参りません」
「もちろん私もするつもりはないわよ? 死なない事と怖くない事はイコールではないわ。そして物事には絶対はない。勇者がただ剣で斬るくらいなら全く問題ないのだけれど、そうでない可能性だってあるわ。私が知らない凄いスキルや技があるかもしれないしね。だからしないわ。アンにもさせるつもりはない」
「少し安心しました。姫様はいつも無茶をされますから……」
「ごめんねアン。多少の無茶ならした方が上手く事が進むと思うとつい……ね」
「つい……で勇者に魔族だと話さないでくださいね?」
うふふ。また釘を刺されてしまったわね。もう少し信用してくれてもいいと思うのだけれど……ダメかしら?
でももしかしたら……既に色々と手が回っているかもしれないとは思うのよね。癒しの聖女ソフィス様と剣聖ノインさん。二人は私が魔族だと知っている訳だから……。
勇者の考えを知る彼女達が何か策を巡らせている可能性も十分あると思う。今のところソフィス様は友好的だけれど、あの憎悪から簡単に抜け出せるとも思えない。感情と理屈の狭間で未だ揺れているかもしれない。
どちらに傾くか、もしかしたらそれが世界の命運を分けるかもしれないーーなんちゃって。(笑)
「それにしても退屈だわ。少し試してみようかしら? アン、マップを開いてくれる?」
「かしこまりました。どうぞご覧ください」
目の前に展開する半透明のウィンドウ。森とその中心に建つ館が確認できる。
「『探索』」
魔法により森に展開している魔法人形達の位置が光点として映し出された。
「ここからが実験ね」
「一体何をされるおつもりですか姫様?」
「試してみるから見ていて頂戴」
ラノベとかではよく(?)あるパターンよね。マップから敵をロックオンして魔法で殲滅するっていうやつ。
シューティングゲームっぽくて少し憧れてしまう。それを試してみよう。
「『刺シ貫ク光』」
適当に百くらいの目標を強く意識して魔法を発動させる。
目の前に無数の光の球が出現したかと思うと瞬く間に光の線となって森の中に降り注いだ。
まるで光の嵐のよう。
「ーーどう!?」
マップを注視する。着弾と同時にいくつもの光点が消えた。でも、それは放った光線の数からするととても成功とは言えない命中率で、率直に言えばーー。
「失敗ね。やっぱりそう上手くはいかないわね……」
それでも二割程度かしら? 十分と言えなくもないけれど……うーん。これなら無作為でも雨の様に降らせた方がいいのではないかしら? 例えばコストの低い初級魔法で……。
「『氷の矢』」
氷の矢を千本ほど生み出して光点が密集するあたりに雨の様に振らせてみる。
私の魔力の場合初級魔法ですら一撃必殺に近い威力になる訳で……。
「凄いです姫様! あの一帯の反応が消失しました!」
「そうね……結果は良好なのだけれど、何故か心が満足していないわ」
「どうされたのですか? 浮かない顔ですが……? この結果では不満なのでしょうか?」
「そうではないの。不満ではないの。でも正直これは順当な結果すぎてつまらないのよ」
「つまらない……ですか?」
「そうね、最初の実験がうまくいけば無数の敵を百発百中撃ち抜く凄腕魔法使いーーなのに対して二つ目の方は物量で力任せに圧し潰す感じなのね。何て言ったらいいのかしら、スマートじゃないと言うか、こう胸が熱くならないというか……」
「えっと……仰る意味がよくわかりません」
デスよねー。
私が上手く説明できないせいもあるんだろうけれど、これはきっと男にしかわからない感覚なんでしょうね。俺くんの記憶的には興奮を覚えなくもないのだけれど、実を言えば私にもちょっと理解しがたかったりする。
私の精神は少しキラリよりなのかしら? それとも体がキラリ姫だから感じ方が女の子なのかしら?
まぁいいわ。よくわかんないし、私は私でいいわよね。
「ねぇアン、もう暫くかかりそうだしお茶にしましょう」
「かしこまりました。すぐにご用意いたしますね」
ストレージから色々と取り出して支度を始めるアン。姿を消したままだからポットやカップがひとりでに踊っている様で凄くメルヘンな光景。
思わず頰が緩んでしまう。
さて聖女様……あまり待たせるようだと私ここから館を狙い撃っちゃいますよ?(笑)
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