157 / 278
幕間4
EP9:聖なる都の花物語(後編)
しおりを挟む
……という事で急遽私の家にお招きすることになった訳だけれど……。
小さなテーブルを囲んで三人が思い思いに座る。フロアに敷いた厚手のカーペットのおかげで床に座っても痛くはないのだけれど、お客様を迎えるには少々心もとない。
「えっと、ごめんなさいね、何もない部屋で。ダイニングテーブルみたいな立派なのは置いてないからこんな感じでお喋りするんだけど大丈夫?」
「平気平気。私はこのマットふかふかだから好きよ」
「あんたには聞いてないわよ。だいたい何度も来てるんだから知ってるでしょ?」
「えへへ」
「あの、私も平気です。こう見えても冒険者ですから」
「あ、そうだったわね……」
「は、はい! そうなんです……」
「「………………」」
うっ……。何を話せばいいのかしら? 間がもたないわ……。とにかく私の方がお姉さんなんだから彼女に気を使わせていてはいけないわね。
「「あの……」」
うわー。同時!? そんな事ある!? まるで物語みたいに同じタイミングに同じ切り出し方で……。
こんな偶然もあるのね……。ふふふ。少し気持ちが落ち着いてきたわ。よし!
「あのねーー」
「ーーなんか二人って初めて彼氏の部屋に来た女の子みたいな感じよ? お互いに意識しまっくってるのにどうしていいかわからない感じ。あ、そうだ! いっそそこのベットで一発やってみても良いかもね♪」
「「はぁ!?」」
な、何を突然このおバカは!?
「ちょっと!? 何を言いだすのよ!? 女の子同士でそんな事できる訳ないでしょ!?」
「あ? 男とならするって事?」
「ち、違うわよ!! なんでそうなるのよ!?」
「えっ? だって体を重ねればお互いに分かり合えるでしょ?」
「何を拳で語り合うみたいに言ってるのかな!? お互いを知るためにいちいちエ○チしてられないわよ!! それに私は彼一筋なのよ……」
「あの……私もさすがにそれはどうかと思います。えっと、普通にお話をしませんか?」
「そう? つまんなくない? 何なら私とでもーー」
「シンディ!! いい加減にしなさい! キラリさんが困ってるでしょ! 私は多少は慣れているけれど、普通の人はあなたのノリにはついていけないわよ」
「そうかしら?」
「そうに決まってるでしょ!」
「ね、キラリさん。油断してるといつのまにかベッドに連れ込まれてるかもしれないから気をつけるのよ?」
「えっと……」
「そこまで手早くないわよ? 精々服の中に手を入れるくらいよ?」
「それでも十分酷いわよ!!」
「あ、エクセルさんもされたんですか?」
「そうね、だいたいいつも気がつけば脱がされてるわね! この娘どちらかというと女の子が好きだから、あなたも気をつけて、それだけ可愛いと絶対狙われてるわね! あっ!? もしかしてそれが狙いで連れ込んだんじゃ!?」
「おいおい!? それは酷くないかな? これでも親友のエクセルが悩んでいるから心配しての行動なのよ……およよ……」
「その様子のどこを見れば信用できるのよ!? あ、ほらキラリさん! 服脱がされてるわよ!?」
「えっ!? いつの間に!?」
「何よ? 上着を脱がせただけでしょ? あんたも脱ぎなさいよ。別に下着まで剥いたわけじゃないんだからいちいち気にしなくてもいいでしょうに……ねぇ?」
「ええ……そうですね。失礼しました。お部屋にお招き頂いたのに上着も脱がずに……」
半分脱がされていた上着を綺麗に畳んで後ろに置いてから彼女は真っ直ぐに背筋を伸ばして非礼を詫びてきた。
整った容姿に整った所作。
一瞬どこのお姫様かと思ったけれど……どうなのかしら?
「あっ、気にしないで! 楽にしてください! お友達と楽しくお茶するーーみたいな感じで十分ですから!!」
「何を慌ててるのよ……。あとキラりんも堅いわぁ……。もっと気楽でいいわよ、気楽で。ほら、何か飲も?」
「ごめんなさい、グラスも用意してなかったわね」
「そうよホントにもう」
「あなたはちょっと気楽にし過ぎよ! ほらちょっと手伝って! グラスとお皿とフォーク……お皿は大きなのと小さいのを用意してね」
「はいはい」
「私は果物とか買ってきた物を用意するわ」
「あの……私も何か手伝います」
「ありがと。それじゃシンディと一緒に食器を用意してくれる?」
「はい!」
最初は少しぎこちなかったけれど、シンディがおバカな事を言ってくれたおかげでほんの少し打ち解けられたような、そんな気がする。
思いがけない再会とそこからの急な展開だったけれど、もしかしたら思い悩まないようにと神様が巡り会わせてくれたのかもしれない……。私、恋愛成就くらいしかお祈りした事ないけど……。
こうして買ってきた食べ物や飲み物を広げて女子会の幕が上がったのだった。
暫くは他愛のない話で盛り上がっていたのだけれど、ついに本日のメインイベント、私のお悩み相談!? に突入してしまった。出来る限り避けていたのだけれど、私の抵抗虚しくそれはもうあっさりとシンディによって切り出されてしまった。
「という訳で、エクセルがキラりんにやらかした事をずっと悩んでいるのよ。一体何があったのか教えてくれる?」
「気にしなくていいと言いましたのに……」
「だって……あんな事しちゃったんだよ? 気にしない訳にいかないじゃない」
「普通はそうなんでしょうけど、残念なことに私はちょっと普通じゃないんです。だから気にしないでください」
「でも……」
「ふーん? キラりんがいいって言ってるのに気にしてるの? ねぇあんな事ってどんな事? あんた一体何したの?」
「それは……」
「それは?」
「それは……言えない! 言えるわけないじゃない!?」
「そうなの?」
「エクセルさんがそう言うのなら私も言いませんけど……別にそんなに大した事じゃないですよ?」
「ーー大した事でしょ!! 見ず知らずの私にいきなり襲われたーーあっ!?」
「ヘー襲ったんだキラりんの事? それはあれよね? エ○チな意味でよね?」
「………………」
「沈黙は肯定よ?」
「う……あ……うう……」
「はぁ……。下着のサイズ合わせをしてたらほんの少し胸を揉まれたりしたんですよ。私って誘惑系のスキル持ちなんです。それがサイズを合わせるために服を脱いだ事でエクセルさんに効果を及ぼしてしまったみたいで、それで……」
「それで?」
「女の子に襲いかかってしまったーーって凄く落ち込んでましたね」
「それだけ? 無理やり***したりとか、****じゃなくて? 胸を揉んだだけで?」
「ちょっと!? ちょっと!? 何言ってるの!? なんて事言ってるの!?」
「そうですね、胸を揉んで私を逝かせたくらいですね」
「逝かせちゃうのはさすがにやり過ぎかもだけれど、胸揉むくらい……ねぇ?」
「そうですね。別に女の子同士それくらいのスキンシップしますねぇ?」
「そうよね……てことはもしかしてこの子あのセリフを言った?」
えっ? なにそれ? 私変な口癖とかある!?
狼狽える私を楽しそうに見ながら二人は息を合わてーー。
「「こんな事彼氏にもした事ないのに!!」」
「ぶふっ!?」
「「ぷっ! クスクス♪」」
「やっぱり言ったんだ?」
「ええ。言ってましたね。一言一句同じだったかはうろ覚えですけど、あなたと彼氏のそういう話をされても困る……とは思った覚えがあります」
「な、な、な、な!? 何よそれ!? 私そんな事言わないわよ!!」
「いやいやエクセルちゃんさぁいつも言ってるわよ。エ□い事の大半はそんな事彼ともーーって言って恥ずかしそうにしてるんだもの。純情そうに見えて以外とエ○チな妄想してるタイプよね?」
「あ~確かにそうですね。結構激しくされましたからね……足腰立たないくらい?」
「ちょっと!? 何を言うのよ!?」
「何って、エクセルのやらかした話? ……でもさぁ、これくらい普通よ?」
そう言いながらキラリさんに抱きつくシンディ。キラリさんも別にどうということもなく抱きとめている。さりげなくシンディの手がキラリさんの胸に伸びていた。
「おっ!? 着痩せするタイプね。柔らかくて気持ちいいわ」
えっ!? ナチュラルに揉んでるけど!? これ普通なの!? えっ!? えっ!?
「もう酔ってるんですか? いくらなんでも手つきがエ□いですよ?」
「お姉さん酔っちゃったかも~キラりん抱っこして~」
「はいはい、百パー酔ってませんよね? ほら、エクセルさんが固まってますからちゃんとしてください」
「昔からそうなのよ……この子こういう事に免疫なくてさ。結構モテてたのに知らぬは本人ばかり。今の彼とも付き合って結構経つのに……この様子じゃまだ何もしてないんじゃない?」
「え~エクセルさん彼氏さんにお預けさせてるんですか? 彼氏さんよく我慢してますね?」
「ね~? ある意味凄いわね~」
「紳士ですね♪」
「そうねDT紳士じゃなきゃいいけど……」
「ん~やっぱり気持ちよくして欲しいですしね」
「あら? キラりんは意外と経験豊富そうね? お嬢様然としてるのにやる事はやってる口かな? 最近の子は早いわよね~」
「そんな事ないですよ。私は淑女ですから!」(キリッ!)
「嘘くさっ(笑)」
「えへへ(笑)」
「な、何言ってるのよ二人とも!? なんでそんな風に明け透けなの!?」
「ヤダヤダ。あんたも結構エ○チな体してるのになんでかな~」
「やっぱりそう思いますよね? エクセルさんって男好きしそうな見た目ですよね」
「なっ!?」
「そうなのよ! この子若干天然入ってるところあるし、しっかり者に見えて抜けてたり、微妙に隙があるところもポイント高いのよね~。極め付けはアレよアレ。ナチュラルに純情なのよ……」
「ーーでも実はエ○チな事にも興味はあって、顔を真っ赤にしながら○○くんとならいいよ……とか言っちゃうんですね!?」
「よくわかったわね? あの子の決め台詞よ!」
「ち、違うわよ!!」
「へぇ~ツボを押さえてますね~」
「でしょ?」
「ちょっと! 私の言うことも聞いてよ!? 私そんなことしてないし考えてないからね!?」
「ーーすごいでしょ? 無自覚なのよ?」
「……そうですね……グループにいるとなかなか辛いかもしれませんね。強力なライバルです」
「私の苦労をわかってくれる?」
「もちろんです!」
ちょっとそこ!? 何がっしり握手なんてしてるのよ!?
「それでも二人は仲良しなんですよね?」
「もちろんよ! 幸い私とエクセルとは好みのタイプが違うから喧嘩になることはないしね」
「それなら安心ですね。エクセルさんの人柄は良さそうですし、とても素敵なお友達になれそうですよね」
「でしょぉ? 私の学生生活の一番の収穫がエクセルという親友を得られたことだと言っても過言じゃないわ!!」
「きゃー素敵ですぅ!!」
「ちょっと、何よ? 急に!?」
「わかってくれるのねキラりん!!」
「もちろんですシンディ先輩!!」
「はぁ?」
急に訳の分からないノリで抱き合う二人。
「キラりん……」
「先輩……」
そして自然と近づいていく顔ーー唇ーー!?
「待て待て待て!? 何を自然なノリでキスしようとしてるの!? えっ!? 待ってそういう事なの!? 二人は愛し合っているの!?」
「もう、大げさよ?」
「エクセルさんこういうノリは苦手なんですか?」
「昔エクセルに同じことをした時は一週間くらい近寄らせてもらえなかったわね……」
「純情なんですね……。可愛いです」
ダメだ……二人の感性についていけない。
「あーごめんエクセル。そんな落ち込まないで? 実際さっきのはちょっと盛ってるわ。確かに女の子同士はやり過ぎちゃう事もあるけど、さっきのはちょっと大袈裟にしたのよ」
「そ、そうよね? 女の子同士なんて普通そういう事しないものね」
「……そうよ……」
「あ、エクセルさんグラスが空ですよ。ワインでいいですか? シンディさんもどうぞ」
「ありがとう」
「……ありがとね」
「どういたしまして」
「あ、キラリさんも空じゃないほら何飲む?」
「それじゃぁ……」
こうして楽しい時間はあっという間に過ぎ去っていった。
ふと気がつくと外はもう暗くなっていて、お酒の瓶が何本も空になっていた。
いつのまにか私、寝ていたみたいで毛布をかけてもらっている。
軽いお酒から始まってなんだか久しぶりに楽しくてストックのワインも出しちゃったけど……飲みすぎたかしら?
シンディはともかく私はそこまでお酒に強くないから……。
ん……そうだ、二人はどうしてるのかな……。
「ありがとね、キラりん」
「何がですか?」
「今日時間を作ってくれて」
「大したことはしてませんよ?」
「ううん。あの子物凄く気にしていて見てられなかったの。でも今日キラりんと話をしてもらって、多分吹っ切れたと思うの。だからありがとう」
「それじゃぁ、どういたしまして」
「うんうんありがとね。エクセルが沈んでると私が辛いから……。このお礼は必ずするからね。何でも言ってね」
「別にいいですよ? 私もお友達の辛そうな顔は見ていられなかったので?」
「言うわね……」
「エクセルと出会ってなければあなたに惚れていたわね」
「あら残念。こんな美女とのロマンスを逃したなんて大損ですね?」
「うふふ。それはこちらのセリフよ。何よこの超美少女娘!」
「何ですかその言い方? 人気料理屋の看板娘には敵いませんからね~。お店に来る常連さんの九割以上はシンディさんが目当てでしょ?」
「いやいやそんな訳ないわよ!? それに最近またうちの常連が増えたんだけど、知ってる? あのピンクの髪の娘を紹介してくれってしつこいのよ?」
「えー嘘だぁ? 私一度も……変なナンパなら二、三度されましたけど、まともなお話は一度もありませんよ?」
「みんなあなたの美少女っぷりに気後れして声をかけられないでいるのよ。だから尚更多少の馴染みのある私に紹介してくれって言ってくるのよ」
「えー」
「面倒そうに言わないで。面倒なのは私なんだから」
「それはそうですけど……」
「断るの大変なのよ? もういっそ一度紹介してやろうかしら?」
「やめて~。自分で声もかけられないような人はお断りですよ。それくらいの男らしさは見せて欲しいです」
「だよね。だから私も頑張って断ってるわよ」
「感謝感謝ですシンディお姉様」
「もう、調子がいいんだから!」
「えへへ」
「それじゃぁ労働の対価を貰おうかしら?」
「えっ!? そのお礼が今回の件じゃないんですか?」
「何言ってるのよ? あなたさっき大したことはしてないって自分で言ったじゃない。だから追加で報酬を貰おうかしらね?」
「待って待って!? ちょっと待ってくださいよ!? なんかそれズルくないですか!?」
「ズルくないわよ?」
「よくもまぁ恥ずかしげもなく断言しますね……」
「ふふふ。それくらい逞しくないとお酒も出すお店で看板娘なんて出来ないわよ?」
「そう言われるとそうかも知れませんね。わかりました、何かお礼をしますよ。美味しいお酒でいいですよね?」
「そうね……とびっきりのモノを頂こうかしら?」
「そんなにいいお酒は持ってませんよ?」
「お酒じゃないわよ、とびっきりの女の子を頂くわ♪」
「はぁ? エクセルさん一筋じゃないんですか!?」
「そんなこと一言も言ってないわよ? 私は可愛い女の子みーんなが大好きなのよ。もちろんエクセルは特別よ? でも私は彼女の幸せを一番に願っているわ。だから無理やり私の方を向かせようとは思わないの」
「………………」
「だ・か・ら♪ 目の前の可愛い女の子を頂くわ」
「一瞬感動しかけたじゃないですか!? いくらなんでもエクセルさんのお部屋でそれはダメですよ! 今は眠ってますけどいつ起きるかわからないんですから!」
「大丈夫よ……ね?」
「いやいや!? 大丈夫じゃないですから!」
「ほら、そんな大きな声を出したら起きちゃうわよ?」
「ちょっと、待って! シンディさん! ダメですって!」
「だーめ。キラリちゃんに誘惑されちゃったからもう我慢できないのよぉ~。クスクス」
「絶対嘘だぁっ!!」
「嘘じゃありませ~ん」
「ちょっと、あ、ダメ、いやぁ、あ、そこ……だめぇ……」
え、あ、え、あ……ど、どうしよう……タイミングを逃してしまった……ちょっともうこれはどうしていいかわかんない……キラリさん……ごめんなさいぃぃぃ!!!
せめて、せめて見なかったことにしますぅぅっ!!!
こうして夜は更けていくのでした。
小さなテーブルを囲んで三人が思い思いに座る。フロアに敷いた厚手のカーペットのおかげで床に座っても痛くはないのだけれど、お客様を迎えるには少々心もとない。
「えっと、ごめんなさいね、何もない部屋で。ダイニングテーブルみたいな立派なのは置いてないからこんな感じでお喋りするんだけど大丈夫?」
「平気平気。私はこのマットふかふかだから好きよ」
「あんたには聞いてないわよ。だいたい何度も来てるんだから知ってるでしょ?」
「えへへ」
「あの、私も平気です。こう見えても冒険者ですから」
「あ、そうだったわね……」
「は、はい! そうなんです……」
「「………………」」
うっ……。何を話せばいいのかしら? 間がもたないわ……。とにかく私の方がお姉さんなんだから彼女に気を使わせていてはいけないわね。
「「あの……」」
うわー。同時!? そんな事ある!? まるで物語みたいに同じタイミングに同じ切り出し方で……。
こんな偶然もあるのね……。ふふふ。少し気持ちが落ち着いてきたわ。よし!
「あのねーー」
「ーーなんか二人って初めて彼氏の部屋に来た女の子みたいな感じよ? お互いに意識しまっくってるのにどうしていいかわからない感じ。あ、そうだ! いっそそこのベットで一発やってみても良いかもね♪」
「「はぁ!?」」
な、何を突然このおバカは!?
「ちょっと!? 何を言いだすのよ!? 女の子同士でそんな事できる訳ないでしょ!?」
「あ? 男とならするって事?」
「ち、違うわよ!! なんでそうなるのよ!?」
「えっ? だって体を重ねればお互いに分かり合えるでしょ?」
「何を拳で語り合うみたいに言ってるのかな!? お互いを知るためにいちいちエ○チしてられないわよ!! それに私は彼一筋なのよ……」
「あの……私もさすがにそれはどうかと思います。えっと、普通にお話をしませんか?」
「そう? つまんなくない? 何なら私とでもーー」
「シンディ!! いい加減にしなさい! キラリさんが困ってるでしょ! 私は多少は慣れているけれど、普通の人はあなたのノリにはついていけないわよ」
「そうかしら?」
「そうに決まってるでしょ!」
「ね、キラリさん。油断してるといつのまにかベッドに連れ込まれてるかもしれないから気をつけるのよ?」
「えっと……」
「そこまで手早くないわよ? 精々服の中に手を入れるくらいよ?」
「それでも十分酷いわよ!!」
「あ、エクセルさんもされたんですか?」
「そうね、だいたいいつも気がつけば脱がされてるわね! この娘どちらかというと女の子が好きだから、あなたも気をつけて、それだけ可愛いと絶対狙われてるわね! あっ!? もしかしてそれが狙いで連れ込んだんじゃ!?」
「おいおい!? それは酷くないかな? これでも親友のエクセルが悩んでいるから心配しての行動なのよ……およよ……」
「その様子のどこを見れば信用できるのよ!? あ、ほらキラリさん! 服脱がされてるわよ!?」
「えっ!? いつの間に!?」
「何よ? 上着を脱がせただけでしょ? あんたも脱ぎなさいよ。別に下着まで剥いたわけじゃないんだからいちいち気にしなくてもいいでしょうに……ねぇ?」
「ええ……そうですね。失礼しました。お部屋にお招き頂いたのに上着も脱がずに……」
半分脱がされていた上着を綺麗に畳んで後ろに置いてから彼女は真っ直ぐに背筋を伸ばして非礼を詫びてきた。
整った容姿に整った所作。
一瞬どこのお姫様かと思ったけれど……どうなのかしら?
「あっ、気にしないで! 楽にしてください! お友達と楽しくお茶するーーみたいな感じで十分ですから!!」
「何を慌ててるのよ……。あとキラりんも堅いわぁ……。もっと気楽でいいわよ、気楽で。ほら、何か飲も?」
「ごめんなさい、グラスも用意してなかったわね」
「そうよホントにもう」
「あなたはちょっと気楽にし過ぎよ! ほらちょっと手伝って! グラスとお皿とフォーク……お皿は大きなのと小さいのを用意してね」
「はいはい」
「私は果物とか買ってきた物を用意するわ」
「あの……私も何か手伝います」
「ありがと。それじゃシンディと一緒に食器を用意してくれる?」
「はい!」
最初は少しぎこちなかったけれど、シンディがおバカな事を言ってくれたおかげでほんの少し打ち解けられたような、そんな気がする。
思いがけない再会とそこからの急な展開だったけれど、もしかしたら思い悩まないようにと神様が巡り会わせてくれたのかもしれない……。私、恋愛成就くらいしかお祈りした事ないけど……。
こうして買ってきた食べ物や飲み物を広げて女子会の幕が上がったのだった。
暫くは他愛のない話で盛り上がっていたのだけれど、ついに本日のメインイベント、私のお悩み相談!? に突入してしまった。出来る限り避けていたのだけれど、私の抵抗虚しくそれはもうあっさりとシンディによって切り出されてしまった。
「という訳で、エクセルがキラりんにやらかした事をずっと悩んでいるのよ。一体何があったのか教えてくれる?」
「気にしなくていいと言いましたのに……」
「だって……あんな事しちゃったんだよ? 気にしない訳にいかないじゃない」
「普通はそうなんでしょうけど、残念なことに私はちょっと普通じゃないんです。だから気にしないでください」
「でも……」
「ふーん? キラりんがいいって言ってるのに気にしてるの? ねぇあんな事ってどんな事? あんた一体何したの?」
「それは……」
「それは?」
「それは……言えない! 言えるわけないじゃない!?」
「そうなの?」
「エクセルさんがそう言うのなら私も言いませんけど……別にそんなに大した事じゃないですよ?」
「ーー大した事でしょ!! 見ず知らずの私にいきなり襲われたーーあっ!?」
「ヘー襲ったんだキラりんの事? それはあれよね? エ○チな意味でよね?」
「………………」
「沈黙は肯定よ?」
「う……あ……うう……」
「はぁ……。下着のサイズ合わせをしてたらほんの少し胸を揉まれたりしたんですよ。私って誘惑系のスキル持ちなんです。それがサイズを合わせるために服を脱いだ事でエクセルさんに効果を及ぼしてしまったみたいで、それで……」
「それで?」
「女の子に襲いかかってしまったーーって凄く落ち込んでましたね」
「それだけ? 無理やり***したりとか、****じゃなくて? 胸を揉んだだけで?」
「ちょっと!? ちょっと!? 何言ってるの!? なんて事言ってるの!?」
「そうですね、胸を揉んで私を逝かせたくらいですね」
「逝かせちゃうのはさすがにやり過ぎかもだけれど、胸揉むくらい……ねぇ?」
「そうですね。別に女の子同士それくらいのスキンシップしますねぇ?」
「そうよね……てことはもしかしてこの子あのセリフを言った?」
えっ? なにそれ? 私変な口癖とかある!?
狼狽える私を楽しそうに見ながら二人は息を合わてーー。
「「こんな事彼氏にもした事ないのに!!」」
「ぶふっ!?」
「「ぷっ! クスクス♪」」
「やっぱり言ったんだ?」
「ええ。言ってましたね。一言一句同じだったかはうろ覚えですけど、あなたと彼氏のそういう話をされても困る……とは思った覚えがあります」
「な、な、な、な!? 何よそれ!? 私そんな事言わないわよ!!」
「いやいやエクセルちゃんさぁいつも言ってるわよ。エ□い事の大半はそんな事彼ともーーって言って恥ずかしそうにしてるんだもの。純情そうに見えて以外とエ○チな妄想してるタイプよね?」
「あ~確かにそうですね。結構激しくされましたからね……足腰立たないくらい?」
「ちょっと!? 何を言うのよ!?」
「何って、エクセルのやらかした話? ……でもさぁ、これくらい普通よ?」
そう言いながらキラリさんに抱きつくシンディ。キラリさんも別にどうということもなく抱きとめている。さりげなくシンディの手がキラリさんの胸に伸びていた。
「おっ!? 着痩せするタイプね。柔らかくて気持ちいいわ」
えっ!? ナチュラルに揉んでるけど!? これ普通なの!? えっ!? えっ!?
「もう酔ってるんですか? いくらなんでも手つきがエ□いですよ?」
「お姉さん酔っちゃったかも~キラりん抱っこして~」
「はいはい、百パー酔ってませんよね? ほら、エクセルさんが固まってますからちゃんとしてください」
「昔からそうなのよ……この子こういう事に免疫なくてさ。結構モテてたのに知らぬは本人ばかり。今の彼とも付き合って結構経つのに……この様子じゃまだ何もしてないんじゃない?」
「え~エクセルさん彼氏さんにお預けさせてるんですか? 彼氏さんよく我慢してますね?」
「ね~? ある意味凄いわね~」
「紳士ですね♪」
「そうねDT紳士じゃなきゃいいけど……」
「ん~やっぱり気持ちよくして欲しいですしね」
「あら? キラりんは意外と経験豊富そうね? お嬢様然としてるのにやる事はやってる口かな? 最近の子は早いわよね~」
「そんな事ないですよ。私は淑女ですから!」(キリッ!)
「嘘くさっ(笑)」
「えへへ(笑)」
「な、何言ってるのよ二人とも!? なんでそんな風に明け透けなの!?」
「ヤダヤダ。あんたも結構エ○チな体してるのになんでかな~」
「やっぱりそう思いますよね? エクセルさんって男好きしそうな見た目ですよね」
「なっ!?」
「そうなのよ! この子若干天然入ってるところあるし、しっかり者に見えて抜けてたり、微妙に隙があるところもポイント高いのよね~。極め付けはアレよアレ。ナチュラルに純情なのよ……」
「ーーでも実はエ○チな事にも興味はあって、顔を真っ赤にしながら○○くんとならいいよ……とか言っちゃうんですね!?」
「よくわかったわね? あの子の決め台詞よ!」
「ち、違うわよ!!」
「へぇ~ツボを押さえてますね~」
「でしょ?」
「ちょっと! 私の言うことも聞いてよ!? 私そんなことしてないし考えてないからね!?」
「ーーすごいでしょ? 無自覚なのよ?」
「……そうですね……グループにいるとなかなか辛いかもしれませんね。強力なライバルです」
「私の苦労をわかってくれる?」
「もちろんです!」
ちょっとそこ!? 何がっしり握手なんてしてるのよ!?
「それでも二人は仲良しなんですよね?」
「もちろんよ! 幸い私とエクセルとは好みのタイプが違うから喧嘩になることはないしね」
「それなら安心ですね。エクセルさんの人柄は良さそうですし、とても素敵なお友達になれそうですよね」
「でしょぉ? 私の学生生活の一番の収穫がエクセルという親友を得られたことだと言っても過言じゃないわ!!」
「きゃー素敵ですぅ!!」
「ちょっと、何よ? 急に!?」
「わかってくれるのねキラりん!!」
「もちろんですシンディ先輩!!」
「はぁ?」
急に訳の分からないノリで抱き合う二人。
「キラりん……」
「先輩……」
そして自然と近づいていく顔ーー唇ーー!?
「待て待て待て!? 何を自然なノリでキスしようとしてるの!? えっ!? 待ってそういう事なの!? 二人は愛し合っているの!?」
「もう、大げさよ?」
「エクセルさんこういうノリは苦手なんですか?」
「昔エクセルに同じことをした時は一週間くらい近寄らせてもらえなかったわね……」
「純情なんですね……。可愛いです」
ダメだ……二人の感性についていけない。
「あーごめんエクセル。そんな落ち込まないで? 実際さっきのはちょっと盛ってるわ。確かに女の子同士はやり過ぎちゃう事もあるけど、さっきのはちょっと大袈裟にしたのよ」
「そ、そうよね? 女の子同士なんて普通そういう事しないものね」
「……そうよ……」
「あ、エクセルさんグラスが空ですよ。ワインでいいですか? シンディさんもどうぞ」
「ありがとう」
「……ありがとね」
「どういたしまして」
「あ、キラリさんも空じゃないほら何飲む?」
「それじゃぁ……」
こうして楽しい時間はあっという間に過ぎ去っていった。
ふと気がつくと外はもう暗くなっていて、お酒の瓶が何本も空になっていた。
いつのまにか私、寝ていたみたいで毛布をかけてもらっている。
軽いお酒から始まってなんだか久しぶりに楽しくてストックのワインも出しちゃったけど……飲みすぎたかしら?
シンディはともかく私はそこまでお酒に強くないから……。
ん……そうだ、二人はどうしてるのかな……。
「ありがとね、キラりん」
「何がですか?」
「今日時間を作ってくれて」
「大したことはしてませんよ?」
「ううん。あの子物凄く気にしていて見てられなかったの。でも今日キラりんと話をしてもらって、多分吹っ切れたと思うの。だからありがとう」
「それじゃぁ、どういたしまして」
「うんうんありがとね。エクセルが沈んでると私が辛いから……。このお礼は必ずするからね。何でも言ってね」
「別にいいですよ? 私もお友達の辛そうな顔は見ていられなかったので?」
「言うわね……」
「エクセルと出会ってなければあなたに惚れていたわね」
「あら残念。こんな美女とのロマンスを逃したなんて大損ですね?」
「うふふ。それはこちらのセリフよ。何よこの超美少女娘!」
「何ですかその言い方? 人気料理屋の看板娘には敵いませんからね~。お店に来る常連さんの九割以上はシンディさんが目当てでしょ?」
「いやいやそんな訳ないわよ!? それに最近またうちの常連が増えたんだけど、知ってる? あのピンクの髪の娘を紹介してくれってしつこいのよ?」
「えー嘘だぁ? 私一度も……変なナンパなら二、三度されましたけど、まともなお話は一度もありませんよ?」
「みんなあなたの美少女っぷりに気後れして声をかけられないでいるのよ。だから尚更多少の馴染みのある私に紹介してくれって言ってくるのよ」
「えー」
「面倒そうに言わないで。面倒なのは私なんだから」
「それはそうですけど……」
「断るの大変なのよ? もういっそ一度紹介してやろうかしら?」
「やめて~。自分で声もかけられないような人はお断りですよ。それくらいの男らしさは見せて欲しいです」
「だよね。だから私も頑張って断ってるわよ」
「感謝感謝ですシンディお姉様」
「もう、調子がいいんだから!」
「えへへ」
「それじゃぁ労働の対価を貰おうかしら?」
「えっ!? そのお礼が今回の件じゃないんですか?」
「何言ってるのよ? あなたさっき大したことはしてないって自分で言ったじゃない。だから追加で報酬を貰おうかしらね?」
「待って待って!? ちょっと待ってくださいよ!? なんかそれズルくないですか!?」
「ズルくないわよ?」
「よくもまぁ恥ずかしげもなく断言しますね……」
「ふふふ。それくらい逞しくないとお酒も出すお店で看板娘なんて出来ないわよ?」
「そう言われるとそうかも知れませんね。わかりました、何かお礼をしますよ。美味しいお酒でいいですよね?」
「そうね……とびっきりのモノを頂こうかしら?」
「そんなにいいお酒は持ってませんよ?」
「お酒じゃないわよ、とびっきりの女の子を頂くわ♪」
「はぁ? エクセルさん一筋じゃないんですか!?」
「そんなこと一言も言ってないわよ? 私は可愛い女の子みーんなが大好きなのよ。もちろんエクセルは特別よ? でも私は彼女の幸せを一番に願っているわ。だから無理やり私の方を向かせようとは思わないの」
「………………」
「だ・か・ら♪ 目の前の可愛い女の子を頂くわ」
「一瞬感動しかけたじゃないですか!? いくらなんでもエクセルさんのお部屋でそれはダメですよ! 今は眠ってますけどいつ起きるかわからないんですから!」
「大丈夫よ……ね?」
「いやいや!? 大丈夫じゃないですから!」
「ほら、そんな大きな声を出したら起きちゃうわよ?」
「ちょっと、待って! シンディさん! ダメですって!」
「だーめ。キラリちゃんに誘惑されちゃったからもう我慢できないのよぉ~。クスクス」
「絶対嘘だぁっ!!」
「嘘じゃありませ~ん」
「ちょっと、あ、ダメ、いやぁ、あ、そこ……だめぇ……」
え、あ、え、あ……ど、どうしよう……タイミングを逃してしまった……ちょっともうこれはどうしていいかわかんない……キラリさん……ごめんなさいぃぃぃ!!!
せめて、せめて見なかったことにしますぅぅっ!!!
こうして夜は更けていくのでした。
0
お気に入りに追加
131
あなたにおすすめの小説
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
友達の妹が、入浴してる。
つきのはい
恋愛
「交換してみない?」
冴えない高校生の藤堂夏弥は、親友のオシャレでモテまくり同級生、鈴川洋平にバカげた話を持ちかけられる。
それは、お互い現在同居中の妹達、藤堂秋乃と鈴川美咲を交換して生活しようというものだった。
鈴川美咲は、美男子の洋平に勝るとも劣らない美少女なのだけれど、男子に嫌悪感を示し、夏弥とも形式的な会話しかしなかった。
冴えない男子と冷めがちな女子の距離感が、二人暮らしのなかで徐々に変わっていく。
そんなラブコメディです。
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
【完結】婚約者候補の筈と言われても、ただの家庭教師ですから。追いかけ回さないで
との
恋愛
子爵家長女のアメリアは、家の借金返済の為ひたすら働き続け、ここ一年は公爵家の家庭教師をしている。
「息子達の婚約者になって欲しいの。
一年間、じっくり見てからどれでも好きなのを選んでちょうだい。
うちに来て、あの子達を教育・・して欲しいの」
教育?
お金の為、新しい職場に勤務すると考えれば、こんな破格の待遇は他にはあり得ない
多額の報酬に釣られ会ってみたら、居丈高な長男・女たらしの次男・引き籠りの三男
「お前・・アメリア程面白いのは他にいないと思うし」
「俺も、まだ仕返しできてないし」
「・・俺も・・立候補する。アメリアいないとつまんないし、ロージーもいなくなる」
なんだかとんでもない理由で立候補されて、タジタジのアメリア。
「お嬢様、この期に及んで見苦しい。腹括らんとかっこ悪かです」
方言丸出し最強の侍女を引き連れて、行き遅れの家庭教師アメリアが幸せを・・多分掴む・・はず。
ーーーーーー
R15指定は念の為。特にそういったシーンはありません。
どこの方言か思いっきり不明です。ご容赦下さい(● ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾
35話で完結しました。完結まで予約投稿済み
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
とある高校の淫らで背徳的な日常
神谷 愛
恋愛
とある高校に在籍する少女の話。
クラスメイトに手を出し、教師に手を出し、あちこちで好き放題している彼女の日常。
後輩も先輩も、教師も彼女の前では一匹の雌に過ぎなかった。
ノクターンとかにもある
お気に入りをしてくれると喜ぶ。
感想を貰ったら踊り狂って喜ぶ。
してくれたら次の投稿が早くなるかも、しれない。
淫らな蜜に狂わされ
歌龍吟伶
恋愛
普段と変わらない日々は思わぬ形で終わりを迎える…突然の出会い、そして体も心も開かれた少女の人生録。
全体的に性的表現・性行為あり。
他所で知人限定公開していましたが、こちらに移しました。
全3話完結済みです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる