魔法の国のプリンセス

中山さつき

文字の大きさ
上 下
45 / 278
第二章:プリンセス、岐路に立つ

(2)☆

しおりを挟む
 ガタンゴトンガタンゴトン……。

 列車の速度はすごくゆっくり。これ、座席に座っていたら寝てしまいそうだわ。
 ホームを出てしばらくは街の中を走る。線路は高架の上だから市街地を一望できる。これはこれでいい眺めよね。ちょうどやってきた街道の方が見えた。緩やかな上り坂に走る石畳の街道がとてもノスタルジックでこれもまた素敵な景色だと思う。私は好きよこういう景色。

 ガタンゴトンガタンゴトン……。

 やがて街の建物が途切れると眼前に海……じゃなかった、大河の流れが現れた。ホント凄いわ。向こう岸が凄く小さく見える。街の建物とかは……見えないわね。もう少し日が落ちたら灯りでわかるかもしれないけれど、今はまだよくわからない。あ、もしかしたら列車の角度的に見えないのかしら?
 まぁ街の夜景を見るのが目的じゃないからいいわ。
 ゆっくりと沈みゆく太陽が揺らめく水面と水平線を赤く染めている。空は薄闇と赤のグラデーションがとても綺麗で思わず声が出てしまうくらい。
 水面に目を向ければ流れにさざめく水面がキラキラと星のように煌めいていて、まるで空がもう一つあるみたい。

「綺麗……」

 今私も夕日に照らされてあのスチルのようになっているのかしら……。
 
 ガタンゴトンガタンゴトン……。

 ……ところであとどれくらいかかるのかしら? 市街地だから速度が遅いのかと思っていたけれど、そこを抜けて虹色橋にのっても変わらない速さで進んでいる。この調子だとあと三十分くらいはかかりそうね。この体勢で立ったままだと正直結構辛いわ。人混みの圧迫感もすごいし……。まさに満員電車ね。

ガタンゴトンガタンゴトン……。

「ん……」

 なんだろう、私を押す力が一層強くなって……。ちょっと苦しいんですけど!?

「ぅひゃぁっ!」

 咄嗟に口を押さえた。変な声が出てしまったけれど、喧騒のせいか周りはあまり気にしていない様子。良かったのか悪かったのか……。

「ん……」

 また。やっぱり偶然じゃないわよねコレ……。

「ん……ちょっと……あ……」

 いや……そんな所を……んん……。ダメ、声が出ちゃう!

「ぁ、ぁん、んん……」

 ちょっと、何よ、お尻、ばっかり!? いや、あ、そんなに……。
 うう……。何でそんなところばっかり擦るの!?

「ぃや……や、めて……」

 窓に押し付けられていて身動きができないの。胸のあたりで窓を押さえていたから手も出せない。
 無防備なお尻を大きな手が揉みしだく。

「んん……」

 声が……。
 ダメ……こんなに沢山の人がいるのに! ぃや、嫌よ!!
 少しでも声が漏れないように両手で口を押さえる。
 無抵抗の私に気をよくしたのか、お尻を揉む手は更にエスカレートしていく!?
 ゆっくりと捲り上げられるスカート。
 そんな……。薄い下着越しにゴツゴツした手の感触が……。んん……。いやだよ……。お尻の割れ目を何度も何度もなぞっていく。

 クチュリ……。

「ーー!?」

 いやぁ……。遂に濡れた下着に触れられた。

「……とんだ変態だな……」
「んんーー!?」

 低い声。嘲笑うように耳元で……。

「満員の列車で……」

 クチュリ……。

 いやぁ……。

「こんなにも下着を濡らして……」

 クチュリ……。

 下着をずらされた……。

 クチュリ……。

 ぁ、ぁ、あ……。

「とんだ淫乱娘だ……」

 クチュリ……。

 ち、ちがう! 小さく首を振って否定する。声は……今は無理!

「違わないだろう?」

 クチュリ、クチュリ……。

「んんーー」

 あ……指が……。

 クチュ、クチュ……。

 ぃや、ダメ! そこ、ちがーー!

「んぐ!?」

 あ、あ、あ……。私から溢れた蜜で濡れた指が……ゆっくりと差し込まれて……。

「んぁ!?」

 素早く引き抜かれる。それを何度も何度も繰り返す。

 チュポ、ヌルン……、チュポ……。

「ん、んん、ん、んぁ……」

 口を押さえて必死で耐える。こんな場所でいやらしい声なんて出せない! いやだ!! 絶対に嫌だ!!

 クチュクチュ……、ジュポジュポ……。

 んー! んんーーー!!
 早く……早く駅に、早く着いてよ!
 窓、窓の外は……向こう岸がだいぶ近づいてる……。あと、どれくらいなの?

 クチュクチュ、ズポズポ……。

 ハァ、ハァハァ……。
 いやぁ……。こんなに、荒い、息、してちゃ、ハァァァン! ダメだよ、周りの、人が……。

 クチュクチュ、ヌポヌポ……。

 あ、あ、あ……。

 ジュポジュポ、グニュングニョン……。

「……こんな変態見たことないな……」

 ちがう、私……。

「ち……がう……」
「それではやめようか?」

 あ、あ、あ……。
 オシリを弄る指が止まる。
 感覚だけが残っていて、ゾクゾクする。さっきまで弄られてた後ろのお口がヒクヒクしているのがわかる。もっとして欲しい……!?
 いや、ちがうの! そうじゃないの!

「それが答えか……?」

 クチュクチュ……。

「ぁん……」

 私は首を振れなかった……。
 お尻の陵辱が再開されてしまった。私には口を押さえて息を殺して耐えることしかできない……。
 この快楽を拒絶できない……。
 クチュリ……。

 ガタンゴトンガタンゴトン……。

 ………………。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

友達の母親が俺の目の前で下着姿に…

じゅ〜ん
エッセイ・ノンフィクション
とあるオッサンの青春実話です

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

淫らに、咲き乱れる

あるまん
恋愛
軽蔑してた、筈なのに。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

セクスカリバーをヌキました!

ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。 国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。 ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

美幼女に転生したら地獄のような逆ハーレム状態になりました

市森 唯
恋愛
極々普通の学生だった私は……目が覚めたら美幼女になっていました。 私は侯爵令嬢らしく多分異世界転生してるし、そして何故か婚約者が2人?! しかも婚約者達との関係も最悪で…… まぁ転生しちゃったのでなんとか上手く生きていけるよう頑張ります!

処理中です...