月が見えるあの京(まち)で

いーちゃん

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平安時代突入!!

期待をふくらませて

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やばい!ほんとにやばい!明日、試験とか...。
「頭が爆発するー!」
「いや、するわけないじゃろ。さっさと脳みそに知識を詰め込め。あと、1日しか残っておらんぞ。」
そんなこと、分かってるし...
「はぁい」
「これを乗り越えれば、安定の職!まるで夢のようさじゃろ?」
ん?このオジサンいつにも増してテンション高くね?
「なんか、いつもと違いますよ。」
「何がじゃ?」
「えーと、テンション。」
「は?テンション?それはどういう意味じゃ?」
ドキッ
そうだった!!時代が違うのに、テンションとか通じるわけがないじゃん。やっちまったな。
「いいえ。なんでもありません。お気になさらず。私は勉強頑張りたいと思います!」
「おう、その意気じゃ。そなた、試験に落ちてこのわたくしに恥をかかせるなよ。」
「...分かってます。自分が持ってる力全部使い果しても絶対、合格してみせます。」
「頑張るのじゃぞ」
ちっ、このオジサンくどいな。頑張るってなんべんも言うてるわ。コノヤロー。
「はい」











試験当日
「緊張します。震えています。どうしたらいいですかね?」
「自信を持て。ここ数日、根を詰めて頑張ってきたではないか。自分の実力の見せ所じゃぞ」
「はい」


「これから科挙を始める。それでは、始め!」



なんじゃ、この問題は?難しすぎるだろ。いくら給料がいいとはいえ、これはまじで難しいわ。これ、現代で解ける人ほとんどいないの思うわ。うーん。



「それでは、これで科挙を終了する。」
ちーんlll_ _ )  終わりました。終わった。ほぼ白紙。やっぱり無理があるわ。でも、あんなに熱心に教えてくれた須佐人オジサンに申し訳ないな...。どうしよーう!
しかも、話が、違うじゃん。全然、簡単じゃないし。多分、この試験はお手伝いさんになるための試験じゃなくて役人になるための試験だわ。うん。絶対そうだ。だってお手伝いさんの試験があんなに難しいわけないし。はぁぁぁぁ








その頃、須佐人オジサンは...
「どうじゃったかのぅ、泰華は...。しっかり出来たかのぅ。心配じゃのう。」
!!!
「これは、陛下。お久しぶりでございます。」
「礼などよい。楽にしろ。」
「ありがとうございます。」
「それで、アヤツ付きの者が宮殿に何の用じゃ。何かあったのか。」
「いいえ。若様は、いつもどうりでございます。私がここに赴いた理由は若様が、気にかけておられる者の世話のためです。」
「ほほぅ。アヤツが人に興味を持つとは。しかも、男なのであろう。」
「はい、そうでございます。」
「ぜひ、朕も会ってみたい。そやつに会わせろ。」
「は。分かりました。しかし、彼は科挙を受けておりまして。まだ帰ってきておらんのです。きっと、あまり良い出来ではなかったのでしょう。はぁ。」
「なんと。科挙を受けたのか。どこかいい所の息子か?」
「いいえ、違います。彼は庶民の出かと思われます。しかし、大体の読み書きはできておる所を見ると、教養があることは、間違いないです。」
「ほう、それは面白い奴じゃのう。ますます、会いたくなってきたわ。ホホホホ」
「それでは、わたくしの元に帰ってき次第陛下の皇宮へわたくしと共に参ります。」
「分かった。絶対に、連れてこいよ。」
「ははぁ。」




!!!
「おう、やっと帰ってきたか。わたくしは、もう待ちわびたぞ。」
「すいません。あの...あまり、試験の出来が良くなくて...。帰ってきにくかったのです。申し訳ありませんでした。」
「終わったことはもう良い。気にするな。それより今はもっと、大事な話がある。」
???
「なんですか?」
「実はな...皇帝陛下がそなたに会いたいと申しているのだ。相当、そなたに興味を持っているようで。正直な所、そなたに選択肢はないぞ。」
「!!皇帝陛下ですか?!なぜ?」
「いつもなら、人のことに興味を持たない若様が、庶民の男に興味を持ったので、面白いと思われたようだ。ここで、いい印象を持ってもえるかが、勝負だと、わたくしは思うぞ。若様の事にも繋がるから、失敗は許されぬぞ。気を引き締めて参ろう。」
無茶ぶりにも程があるわ。皇帝陛下に、会うって...。ヤバすぎーる。あ、ヤバすぎるから、考えないようにしよ。うん。やっぱりこういう時は現実逃避だなぁ。あははははは
「おい、そろそろ行くぞ。準備は出来たか。」
出来るわけねーだろ。こんな短時間で。泣
「それじゃあ、参ろうか。」
「...分かりました。」









「陛下ー、須佐人が参りました。通してもよろしいでしょうか。」
「良い。通せ。」

コショコショ
「泰華、陛下に挨拶を申し上げよ。」
「はい。」

「お初にお目にかかります。香月 泰華と申します。年は16です。」
「ほおぅ、しっかりしておるのう。顔をあげよ。」
「はい。」

「そなた、女人の様な顔立ちじゃのう。しかも、よく見ると、整っているではないか。」
「陛下。何をおっしゃいますか。この者は男ですよ。」
ナイスカバー!須佐人オジサン!
「そうか、それは申し訳ない。でも、よく言われるであろう。」
「...まぁ、はい。」
「ハッハッハ、そうであろうな。男にしておくには惜しいのう。おっと、本題を忘れておくところであった。」
「本題とは?」
「そなたに、問題がある。その答えで、朕を納得させることが出来たならば、ここに置いても良いぞ。」
「え?本当ですか?ありがとうございます。」
「まだ、喜ぶには早いであろう。」
「そ、そうですね。」
はぁー、なんか、急にドキドキ。
「では、問題を言う。この、朕の統治する世で、足りないと思うことは何だ。」
え?まさかのこういう系?えー!なんか変な事言ったら、間違いなく、この世から消されちゃうかもだな。やばし。
「は、はい?あ、えーと、私が思うに...、まずは、貴族社会すぎると思います。あまり、政治の場を血縁者や、同じような人達で固めてしまうと、新しい案も出ないし、国を傾き兼ねないと思います。」
「ほおぅ。なぜ、国が傾くのか?」
「この世には、同じ人間は存在しません。そんな人を束ねるのが、似たような思想を持つ者達だけだと、国の思想が傾き、国を乗っ取ろうとする者や、財に目がくらんで民のことを考えず、政治所ではない、大変なことになってしまうて思うのです。身分の違いはしょうがないのかも知れませんが、政治に関わることには、身分を関係なく、実力で決めて欲しいのです。どのような者にでも政治にが関わる機会が欲しいのです。綺麗事で、政治は回らないのかも知れませんが、まだ、世を知らない私は、綺麗事に賭けてみたいのです。」
「ふっ、面白い奴だな、お前は。この朕にひけを取らずに話す度胸...。話も、16にしては上手い。うーむ、それでは、そなたの成長に私は賭けてみるとするか。」
「ということは?」
「そなたを役人として、宮殿で働いてもらう。」
「っありがとうございます。」
ぅおっしゃー!!めっちゃめっちゃ、うれしーい!!
「そなた、先程政治に関わる機会が平等に欲しいと言っていたな。それは急には無理だが、その、第一人者として庶民でも出来ることを証明してみろ。そなたのやり方次第で、全てが変わるぞ。」
「はい」

彼女は、まだ知らない。宮中がどんな所かを...。
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