月が見えるあの京(まち)で

いーちゃん

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本編

プロローグ

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私は、香月 彩華。16歳。どうしても京都に行きたくて、私は京都の高校を受験した。将来は、歴史関係の職業につきたいと思っている。
今日は晴れて入学式。新しいパリパリの制服を来て、いざ新しい学校へ!
私は父母を残して鹿児島から上京してきた。お父さん達は、今日の入学式まで見届けて鹿児島に戻る。そう思うと寂しい...。でも、やっぱり一人暮らしの期待の方が今は大きいかな。
おっと、そんなことを考えているうちに、学校が見えてきた。
「お父さん、明日から徒歩通学だから、ちょっとここで、降ろしてくれる?」
「おう。」
ブーン
私はゆっくりと確かめるように道路を進んでいく。不規則な足音が何故か心地よい。
あっ!と気づいた時には遅かった。大きな石が私の足音に!!うゎー!










私は、思わず両目を擦る。ここは、いったい...。思わず息を呑んでしまうほどそれは、現実ではありえない光景だった。
私は、思わず魂が抜けたようなボケェっとした顔で辺りを見回していた。すると...人が!!
人がいる!!服が全然違う...。
(あっ、これは夢か、夢。うん、絶対そうだ。)

「おい、そこの放心女」
私は、思わず目が点...。(いや、放心じゃねーし。それぐらい見てりゃ分かるだろ?!)
「はい」
「そなた、何者じゃ」
私は、周りを見る余裕もなかったので、ゆっくり呼吸をしながら、 その人を見た。
背はスラリと高く身なりも相当なものだと思った。そして青で統一している服が、彼の顔立ちの良さを引き立てていた。
思わず周りや、自分のことなど忘れて彼に見入ってしまった。


「おい、大丈夫か。」
ハッとして私は現実に引き戻された。
「はい。」
「で、そなたは何者じゃ」
どうしよう。どうしよう。正直に言っちゃっていいのかな。てゆうか、ほんとにここは、どこ?思わず私は咄嗟にこう言っていた。
「私は身寄りもなく、遠い所から旅に出て来ました。しかし、途中で金目のものを盗られてしまい、絶望で座り込んでしまいました。」
正直、我ながら凄い口だと思うわ。こんなこと、すらっと口から出てきて言い嘘なのか!?

「怪しいが、まぁいいだろう。そなたの名は何と言う?」
「香月彩華と、申します。」
「ほう。いろはと申すか。そなた親はきっと教養のある方達だったのであろうな。良い名だ。」
やばい。こんなイケメンに良い名って褒められたら...。




「若さまぁ。」
ハァハァと息を切らして走ってくる中年男性が。
「こんな所におられて...。全くもう。私はもう誰にも顔向けが出来ませぬ。そのような薄汚い小僧と話などなさって...。」
ん?今、なんて言った?このオジサン。小僧とか聞こえたような...。
「そのような者とつるむから周りの者から色々と言われるのです。そんな、小僧とは二度と会わないと、このわたくしに約束して下さいますか?」
あ、コイツ私のこと男だと思ってるな。
...ふざけんなよ。あ?お前には目ん玉ついてねーのか?
「あ、この者の事か?...この者を宮殿に連れて帰って新しい服と食べ物、金目のものを与えよ。」
「は?あ、分かりました」
「頼むぞ」

「それじゃあな。気をつけて旅を続けよ。」
「はい!ありがとうございます。この恩は一生忘れません!!」
「そんなに感謝される程のことではないよ。それと、あまりホイホイと男の元についていくではないぞ。」
そう言ってこちらを見た笑顔がとても魅力的だった。どこか、幼さも残っていて、とても爽やかな笑顔だった。

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