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第二幕
俺もむらむらしてたところだったんだ
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高岡さんは三人前のコーヒーの乗った盆を両手に、再び隣りの部屋へ行き、扉をノックしました。
開いた扉の隙間から煩わしそうに顔を覗かせたのは色黒細マッチョでした。
「あっ、すみません…!私ったらお部屋を間違えてしまったみたい」
高岡さんはわざとらしく驚いてみせながら、
「お詫びにこちらのコーヒーもらってください」
と、半ば乱暴にコーヒーの盆を突き出しました。
「へぇ…」
色黒細マッチョはいやらしい顔つきで高岡さんの全身をじろじろと眺めまわしました。
「よかったら、中に入ってゆっくりしていきなよ」
「え~でも私、部屋に戻らないと…」
「いいじゃん、少しくらい。男二人で退屈してるんだよ」
色黒細マッチョは些か強引に高岡さんを部屋に招き入れました。
「それじゃ、お言葉に甘えて…」
高岡さんはにっこり笑って盆の上のコーヒーを色黒細マッチョと皇潤に手渡しました。
コーヒーはだいぶぬるくなっていたので、二人はそれを一気に飲み干しました。
「ねぇねぇ、名前何ていうの?年は?友達と来てるの?」
二人は高岡さんを質問攻めにしてきましたが、高岡さんは笑顔で黙秘しました。
「私、占い師の方以外には個人情報を教えない主義なの」
「なんだよ、勿体ぶりやがって。教えろよ。減るもんじゃなし」
「どうせ教えたってあなた達すぐに忘れるでしょ」
「馬鹿にすんなよ」
色黒細マッチョは空っぽになった紙カップをぐしゃりと握りつぶし、
「おい、皇潤。この生意気な女に思い知らせてやろうぜ」
と、立ち上がって高岡さんに詰め寄っていきました。
「ああ、俺もむらむらしてたところだったんだ」
皇潤も腰を上げ、いやらしい顔で高岡さんに近付いていきます。
しかし高岡さんは動揺することなく、余裕の表情で椅子に座っていました。
「思い知るのはあなた達の方よ」
彼女がそう言った直後、男達の体に異変が起こりました。
どういうわけか、突然腹の調子が悪くなったのです。
「うっ…」
二人は腹を押さえ、呻きながら床に膝をつきました。
その隙に高岡さんは彼らの荷物を漁り、哲子の貴重品袋を回収しました。
「それじゃあまたね~」
高岡さんは満面の笑みで去っていきました。
開いた扉の隙間から煩わしそうに顔を覗かせたのは色黒細マッチョでした。
「あっ、すみません…!私ったらお部屋を間違えてしまったみたい」
高岡さんはわざとらしく驚いてみせながら、
「お詫びにこちらのコーヒーもらってください」
と、半ば乱暴にコーヒーの盆を突き出しました。
「へぇ…」
色黒細マッチョはいやらしい顔つきで高岡さんの全身をじろじろと眺めまわしました。
「よかったら、中に入ってゆっくりしていきなよ」
「え~でも私、部屋に戻らないと…」
「いいじゃん、少しくらい。男二人で退屈してるんだよ」
色黒細マッチョは些か強引に高岡さんを部屋に招き入れました。
「それじゃ、お言葉に甘えて…」
高岡さんはにっこり笑って盆の上のコーヒーを色黒細マッチョと皇潤に手渡しました。
コーヒーはだいぶぬるくなっていたので、二人はそれを一気に飲み干しました。
「ねぇねぇ、名前何ていうの?年は?友達と来てるの?」
二人は高岡さんを質問攻めにしてきましたが、高岡さんは笑顔で黙秘しました。
「私、占い師の方以外には個人情報を教えない主義なの」
「なんだよ、勿体ぶりやがって。教えろよ。減るもんじゃなし」
「どうせ教えたってあなた達すぐに忘れるでしょ」
「馬鹿にすんなよ」
色黒細マッチョは空っぽになった紙カップをぐしゃりと握りつぶし、
「おい、皇潤。この生意気な女に思い知らせてやろうぜ」
と、立ち上がって高岡さんに詰め寄っていきました。
「ああ、俺もむらむらしてたところだったんだ」
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しかし高岡さんは動揺することなく、余裕の表情で椅子に座っていました。
「思い知るのはあなた達の方よ」
彼女がそう言った直後、男達の体に異変が起こりました。
どういうわけか、突然腹の調子が悪くなったのです。
「うっ…」
二人は腹を押さえ、呻きながら床に膝をつきました。
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「それじゃあまたね~」
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