73 / 80
第七章 土曜
73 女神降臨
しおりを挟む
「女神が降臨した!」
輝く女神像の前は、大騒ぎになった。
「どうしよう……」
違うって、私は聖女じゃない、女神の祝福を受けているけど、ただの令嬢ですから……
王弟殿下も驚いている。久しぶりに見た顔に見惚れてしまった。いや、今はそれどころじゃない!
彼は空を向いている。落ち着いて見ると、他の参加者も空を向いている。
何が見えるのかと、私も上を、空を見上げた。
輝く女神が、光の翼を広げている……聖女降臨の次は、女神降臨だった。
女神の顔は、私の顔ではなく……前世のご主人様の顔だ、懐かしい。
光が収まってきた。空に羽ばたく女神も……いや、消えてないし、なんで?
「もうお判りでしょう、この令嬢は聖女です!」
聖女ソフィアが、宣言した。
「「おぉ!」」
歓喜の渦って、こんな状態なのかな。喜びの声と拍手が、王宮の中庭に響き渡った。戸惑ってしまう。
王宮から中庭へ、多くの人たちが出てきた。窓を開けて、空を見上げている人たちもいる。
空のうえには、羽ばたく女神が見える。どうしよう、ご主人様……
王宮だけでなく、王都のほうからも、歓喜の声が聞こえ、あ~聖堂の鐘も鳴り出した。
◇
「こんなのマジックだ!」
第二王子が、声を荒げて飛び出してきた。
「聖女は、僕のイライザだ!」
あ! 私を突き飛ばした。痛い!
しまった、自分の俊敏性が上がっていたので、たかをくくって、すっかり油断していた。
ゆっくりと、視界が傾いていき、一気に冷たい水が私を包む!
私は、聖女の泉に落ちた……これで3回目……落ちたのは2回目か……冷たい水は……命を落とした前世を思い出させ、体を硬直させる……ご主人様……
輝く女神像の前は、大騒ぎになった。
「どうしよう……」
違うって、私は聖女じゃない、女神の祝福を受けているけど、ただの令嬢ですから……
王弟殿下も驚いている。久しぶりに見た顔に見惚れてしまった。いや、今はそれどころじゃない!
彼は空を向いている。落ち着いて見ると、他の参加者も空を向いている。
何が見えるのかと、私も上を、空を見上げた。
輝く女神が、光の翼を広げている……聖女降臨の次は、女神降臨だった。
女神の顔は、私の顔ではなく……前世のご主人様の顔だ、懐かしい。
光が収まってきた。空に羽ばたく女神も……いや、消えてないし、なんで?
「もうお判りでしょう、この令嬢は聖女です!」
聖女ソフィアが、宣言した。
「「おぉ!」」
歓喜の渦って、こんな状態なのかな。喜びの声と拍手が、王宮の中庭に響き渡った。戸惑ってしまう。
王宮から中庭へ、多くの人たちが出てきた。窓を開けて、空を見上げている人たちもいる。
空のうえには、羽ばたく女神が見える。どうしよう、ご主人様……
王宮だけでなく、王都のほうからも、歓喜の声が聞こえ、あ~聖堂の鐘も鳴り出した。
◇
「こんなのマジックだ!」
第二王子が、声を荒げて飛び出してきた。
「聖女は、僕のイライザだ!」
あ! 私を突き飛ばした。痛い!
しまった、自分の俊敏性が上がっていたので、たかをくくって、すっかり油断していた。
ゆっくりと、視界が傾いていき、一気に冷たい水が私を包む!
私は、聖女の泉に落ちた……これで3回目……落ちたのは2回目か……冷たい水は……命を落とした前世を思い出させ、体を硬直させる……ご主人様……
1
お気に入りに追加
31
あなたにおすすめの小説
【完結】「私は善意に殺された」
まほりろ
恋愛
筆頭公爵家の娘である私が、母親は身分が低い王太子殿下の後ろ盾になるため、彼の婚約者になるのは自然な流れだった。
誰もが私が王太子妃になると信じて疑わなかった。
私も殿下と婚約してから一度も、彼との結婚を疑ったことはない。
だが殿下が病に倒れ、その治療のため異世界から聖女が召喚され二人が愛し合ったことで……全ての運命が狂い出す。
どなたにも悪意はなかった……私が不運な星の下に生まれた……ただそれだけ。
※無断転載を禁止します。
※朗読動画の無断配信も禁止します。
※他サイトにも投稿中。
※表紙素材はあぐりりんこ様よりお借りしております。
「Copyright(C)2022-九頭竜坂まほろん」
※小説家になろうにて2022年11月19日昼、日間異世界恋愛ランキング38位、総合59位まで上がった作品です!
神のいとし子は追放された私でした〜異母妹を選んだ王太子様、今のお気持ちは如何ですか?〜
星里有乃
恋愛
「アメリアお姉様は、私達の幸せを考えて、自ら身を引いてくださいました」
「オレは……王太子としてではなく、一人の男としてアメリアの妹、聖女レティアへの真実の愛に目覚めたのだ!」
(レティアったら、何を血迷っているの……だって貴女本当は、霊感なんてこれっぽっちも無いじゃない!)
美貌の聖女レティアとは対照的に、とにかく目立たない姉のアメリア。しかし、地味に装っているアメリアこそが、この国の神のいとし子なのだが、悪魔と契約した妹レティアはついに姉を追放してしまう。
やがて、神のいとし子の祈りが届かなくなった国は災いが増え、聖女の力を隠さなくなったアメリアに救いの手を求めるが……。
* 2023年01月15日、連載完結しました。
* ヒロインアメリアの相手役が第1章は精霊ラルド、第2章からは隣国の王子アッシュに切り替わります。最終章に該当する黄昏の章で、それぞれの関係性を決着させています。お読みくださった読者様、ありがとうございました!
* 初期投稿ではショートショート作品の予定で始まった本作ですが、途中から長編版に路線を変更して完結させました。
* この作品は小説家になろうさんとアルファポリスさんに投稿しております。
* ブクマ、感想、ありがとうございます。
愚か者の話をしよう
鈴宮(すずみや)
恋愛
シェイマスは、婚約者であるエーファを心から愛している。けれど、控えめな性格のエーファは、聖女ミランダがシェイマスにちょっかいを掛けても、穏やかに微笑むばかり。
そんな彼女の反応に物足りなさを感じつつも、シェイマスはエーファとの幸せな未来を夢見ていた。
けれどある日、シェイマスは父親である国王から「エーファとの婚約は破棄する」と告げられて――――?
【完結】捨ててください
仲 奈華 (nakanaka)
恋愛
ずっと貴方の側にいた。
でも、あの人と再会してから貴方は私ではなく、あの人を見つめるようになった。
分かっている。
貴方は私の事を愛していない。
私は貴方の側にいるだけで良かったのに。
貴方が、あの人の側へ行きたいと悩んでいる事が私に伝わってくる。
もういいの。
ありがとう貴方。
もう私の事は、、、
捨ててください。
続編投稿しました。
初回完結6月25日
第2回目完結7月18日
聖女に負けた侯爵令嬢 (よくある婚約解消もののおはなし)
蒼あかり
恋愛
ティアナは女王主催の茶会で、婚約者である王子クリストファーから婚約解消を告げられる。そして、彼の隣には聖女であるローズの姿が。
聖女として国民に、そしてクリストファーから愛されるローズ。クリストファーとともに並ぶ聖女ローズは美しく眩しいほどだ。そんな二人を見せつけられ、いつしかティアナの中に諦めにも似た思いが込み上げる。
愛する人のために王子妃として支える覚悟を持ってきたのに、それが叶わぬのならその立場を辞したいと願うのに、それが叶う事はない。
いつしか公爵家のアシュトンをも巻き込み、泥沼の様相に……。
ラストは賛否両論あると思います。納得できない方もいらっしゃると思います。
それでも最後まで読んでいただけるとありがたいです。
心より感謝いたします。愛を込めて、ありがとうございました。
「君の作った料理は愛情がこもってない」と言われたのでもう何も作りません
今川幸乃
恋愛
貧乏貴族の娘、エレンは幼いころから自分で家事をして育ったため、料理が得意だった。
そのため婚約者のウィルにも手づから料理を作るのだが、彼は「おいしいけど心が籠ってない」と言い、挙句妹のシエラが作った料理を「おいしい」と好んで食べている。
それでも我慢してウィルの好みの料理を作ろうとするエレンだったがある日「料理どころか君からも愛情を感じない」と言われてしまい、もう彼の気を惹こうとするのをやめることを決意する。
ウィルはそれでもシエラがいるからと気にしなかったが、やがてシエラの料理作りをもエレンが手伝っていたからこそうまくいっていたということが分かってしまう。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる