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プロローグ
自殺。すべての始まり
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2004年…2月7日…
彼女は…死んだ…のかもしれない…。
私は死んだのかもしれない。確か、朝のお祈りをしに教会へ行く途中で、シスターと話をしていたんだと思う。
…学校の話…。
『神は貴方を見捨てはしませんよ…。』
シスターは笑ってそう言った。まるで他人事のように…笑っていた。
頭にこびり付いた笑顔を化石に変えて、私はその言葉がこれ以上錆びてしまわないように、崩れてこないようにと賢明だった。
もし、神がいれば…もっと救われていたのではと、自分が問いかけたけれど、私はソレを殴って刺して、殺して…地中深く埋めて、埋葬していた。
出来れば、“永遠にその思いが浮上しませんように…。”
…そう…願っていた。
そんな帰り道で立ち眩みを起こした。
学校での事を思い出したのだ。
逃げたいけれど、逃げられない…そんな状態の私。
その私は私の中の胃やココロを少しずつ、蝕み始めていたのだ。
拒食症ともいえる程…最近では吐いてばかりだ。
体力が磨り減る。
気力も磨り減る。
目の前がクラクラして、じっと死ぬ事を考えていた。
“死ぬ前はこんな感じかな…”
“死んだら何処へ行けるだろう”
そんな事を思っていると体は妙な現象を起こすらしい…。
フラフラフラ・・・と私の体は宇宙遊泳の如く、足をもたつかせ、道路に飛び出した。
体が、精神に投げ出されたと言ってもいい。
『ドサァ…』
と、自分の反射神経の悪さを物語る、間抜けな音が妙に耳にこびり付いた。
迫り来るクラクションの音。
耳の中で巨大な何かが爆発したような音が聞こえた。耳が痛かった。
鼓膜が破れただろう。
私は目を閉じ、空を飛んだ。
(あ…空…が…)
綺麗。
あの空に近づけるのなら…ソレ(死)もいいかもしれない…。
死ぬ事ばかりを考えていた私は、きっと―――…
天国ではない…何処かへ行きたかったんだ…。 神様のいない何処かへ…。
壊れた耳の奥から無数の何かが崩れる音がした。
ガラガラと音を立てて雑音を奏でている。
けど…
けれど…
まぁ…いいや…きっと“あの世”では耳とか…必要ないだろうから――――…。
彼女は…死んだ…のかもしれない…。
私は死んだのかもしれない。確か、朝のお祈りをしに教会へ行く途中で、シスターと話をしていたんだと思う。
…学校の話…。
『神は貴方を見捨てはしませんよ…。』
シスターは笑ってそう言った。まるで他人事のように…笑っていた。
頭にこびり付いた笑顔を化石に変えて、私はその言葉がこれ以上錆びてしまわないように、崩れてこないようにと賢明だった。
もし、神がいれば…もっと救われていたのではと、自分が問いかけたけれど、私はソレを殴って刺して、殺して…地中深く埋めて、埋葬していた。
出来れば、“永遠にその思いが浮上しませんように…。”
…そう…願っていた。
そんな帰り道で立ち眩みを起こした。
学校での事を思い出したのだ。
逃げたいけれど、逃げられない…そんな状態の私。
その私は私の中の胃やココロを少しずつ、蝕み始めていたのだ。
拒食症ともいえる程…最近では吐いてばかりだ。
体力が磨り減る。
気力も磨り減る。
目の前がクラクラして、じっと死ぬ事を考えていた。
“死ぬ前はこんな感じかな…”
“死んだら何処へ行けるだろう”
そんな事を思っていると体は妙な現象を起こすらしい…。
フラフラフラ・・・と私の体は宇宙遊泳の如く、足をもたつかせ、道路に飛び出した。
体が、精神に投げ出されたと言ってもいい。
『ドサァ…』
と、自分の反射神経の悪さを物語る、間抜けな音が妙に耳にこびり付いた。
迫り来るクラクションの音。
耳の中で巨大な何かが爆発したような音が聞こえた。耳が痛かった。
鼓膜が破れただろう。
私は目を閉じ、空を飛んだ。
(あ…空…が…)
綺麗。
あの空に近づけるのなら…ソレ(死)もいいかもしれない…。
死ぬ事ばかりを考えていた私は、きっと―――…
天国ではない…何処かへ行きたかったんだ…。 神様のいない何処かへ…。
壊れた耳の奥から無数の何かが崩れる音がした。
ガラガラと音を立てて雑音を奏でている。
けど…
けれど…
まぁ…いいや…きっと“あの世”では耳とか…必要ないだろうから――――…。
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