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第三章 血族と信仰

新たなる訪問者

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 俺は榊が怒鳴っていた相手に、これまでのことを話した。ただし推野 瑛真のことについては伏せておいた。

榊の顔がかなり気まずそうだったのだ。多分相手の男と何かあったのだろう。

 経緯を話すと、意外にも男はすんなりと受け入れた。

 「あ~うん、なんとなくわかったよ。それでここにいるわけだ」

 「まあ、そうなりますね」

 「……」

 榊は口を開かない。

 「とりあえず、自己紹介がまだだったね。俺の名前は 榊 登《さかき のぼる》 だ。よろしく~あっちなみに、希は俺の妹ね」

 「へぇ~………えっ」

 「はぁ……」

 まさか榊に兄がいるとは……

 榊は嫌そうな顔をしていた。

 「それで、何の用?」

 「あっそうそう!そうだったね」

 「いいから早くして。」

 「相変わらずだなぁ……早速本題だ。お前ら、神化世界に入った時当事者とは別の何かがいたこと、あるか?」

 「……!いや、そんなまさか…?」

 「そもそも登さん、神化世界知ってるんですね」

 そうだ。俺はずっと疑問に思っていた。なんで知ってるんだ?

 「実は、俺も独自で研究してるんだ。僕自身も神化世界の経験者だからね」

 「……」
 
 「だから正直希よりも神化世界については詳しいと思うよ。」

 「そう、ですか……」

 「話が逸れたね。それで、神化世界で部外者を見なかったか?」

 見た。あの謎の男だ。

 「見ました。謎の男……」

 「そいつらは、神殺シ《かみごろし》と呼ばれている連中の一部だ」

 「かみ、ごろし?」

 「……厄介ね」

 「君は知らないようだね。ザックリ説明すると、神擬キと観測者を両方、神化世界で殺害してから出てきた奴らの総称だ。」

 
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