15 / 29
第二章 女神と信者
見たくなかった景色
しおりを挟む
I
ただ、彼女を観るのが好きだった。段々とその気持ちは積もり積もっていき、それは信仰や崇拝の域に達していた。
「EmiRy……!」
私はいつだってEmiRyのことを考えてた。彼女が手掛けた楽曲やファッションアイテム、そしてグッズも集め続けた。
そんなある日、彼女に転機が訪れることとなった。そこから、不幸の連鎖が音を立ててやって来た。
9
「はぁ…はぁ」
これは、私の記憶!?大切なことなのに、EmiRyのことを忘れてるなんて…
でも、他のことが思い出せない。この後、EmiRyはどうなったんだっけ?
ペンダントを集めたらきっと、どうなったのかを知れるかも知れない。
全方位に張り巡らされたEmiRyを見ながら、アイツに気をつけて、先を行くことにした。
#
「……。」
ペンダントを見つけ、彼女の記憶の欠片を見た。
やはりEmiRyのあの事件に関連して、彼女はこの世界を創ってしまったのだと、改めて認識した。
「……なにもなければいいけど。」
何もないなんてことは、きっと無いだろう。それでも、そう思ってしまった。
♭
「榊の言ってた通りってわけか…」
EmiRyというアーティストの辿る末路は非常に後味の悪いものだった。
彼女が世界を創ってしまった理由にもなり得るわけだ。
ペンダントから得た情報だけでもかなり重い話だった。ここにさらに追い討ちが掛かってしまうのか……。
「これは……彼女を救うことが出来るのか?」
最後に決めるのは彼女だ。このままではきっとここに残ってしまうだろう。
それでもーー
俺は、榊のように救うことが出来るのか?どうすればーー
×
しばらくペンダントを探していると、二人組の男の子の方と合流した。どうやらペンダントを一つ見つけたらしい。
アイツに追いかけられながら部屋を進んでいくと、額縁の中にペンダントがあるのを発見した。
「あった!ペンダント!」
椅子の上に立ち、壁に掛かっていたペンダントを手に取る。これで、またEmiRyを思い出せるかも知れない。
しばらくすると、フッと意識が途切れた。記憶の欠片に向かってダイブをしているような感覚になって、深い海に沈んでいった。
II
「なん…で…」
EmiRyは、視覚と聴覚を失った。
原因は、彼女が乗っていた車に、乗用車が追突したからだ。車は大破し、EmiRy以外に乗っていた四人は、その場で死亡が確認された。
追突した車の運転手は、飲酒運転であり、居眠り運転だった。気がついたらアクセルを踏み、EmiRyの乗った車に突っ込んでいたらしい。
運転手は重症を負ったが、命に別状はないらしい。
私の父親だった。
ただ、彼女を観るのが好きだった。段々とその気持ちは積もり積もっていき、それは信仰や崇拝の域に達していた。
「EmiRy……!」
私はいつだってEmiRyのことを考えてた。彼女が手掛けた楽曲やファッションアイテム、そしてグッズも集め続けた。
そんなある日、彼女に転機が訪れることとなった。そこから、不幸の連鎖が音を立ててやって来た。
9
「はぁ…はぁ」
これは、私の記憶!?大切なことなのに、EmiRyのことを忘れてるなんて…
でも、他のことが思い出せない。この後、EmiRyはどうなったんだっけ?
ペンダントを集めたらきっと、どうなったのかを知れるかも知れない。
全方位に張り巡らされたEmiRyを見ながら、アイツに気をつけて、先を行くことにした。
#
「……。」
ペンダントを見つけ、彼女の記憶の欠片を見た。
やはりEmiRyのあの事件に関連して、彼女はこの世界を創ってしまったのだと、改めて認識した。
「……なにもなければいいけど。」
何もないなんてことは、きっと無いだろう。それでも、そう思ってしまった。
♭
「榊の言ってた通りってわけか…」
EmiRyというアーティストの辿る末路は非常に後味の悪いものだった。
彼女が世界を創ってしまった理由にもなり得るわけだ。
ペンダントから得た情報だけでもかなり重い話だった。ここにさらに追い討ちが掛かってしまうのか……。
「これは……彼女を救うことが出来るのか?」
最後に決めるのは彼女だ。このままではきっとここに残ってしまうだろう。
それでもーー
俺は、榊のように救うことが出来るのか?どうすればーー
×
しばらくペンダントを探していると、二人組の男の子の方と合流した。どうやらペンダントを一つ見つけたらしい。
アイツに追いかけられながら部屋を進んでいくと、額縁の中にペンダントがあるのを発見した。
「あった!ペンダント!」
椅子の上に立ち、壁に掛かっていたペンダントを手に取る。これで、またEmiRyを思い出せるかも知れない。
しばらくすると、フッと意識が途切れた。記憶の欠片に向かってダイブをしているような感覚になって、深い海に沈んでいった。
II
「なん…で…」
EmiRyは、視覚と聴覚を失った。
原因は、彼女が乗っていた車に、乗用車が追突したからだ。車は大破し、EmiRy以外に乗っていた四人は、その場で死亡が確認された。
追突した車の運転手は、飲酒運転であり、居眠り運転だった。気がついたらアクセルを踏み、EmiRyの乗った車に突っ込んでいたらしい。
運転手は重症を負ったが、命に別状はないらしい。
私の父親だった。
0
お気に入りに追加
2
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子
ちひろ
恋愛
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子の話。
Fantiaでは他にもえっちなお話を書いてます。よかったら遊びに来てね。
就職面接の感ドコロ!?
フルーツパフェ
大衆娯楽
今や十年前とは真逆の、売り手市場の就職活動。
学生達は賃金と休暇を貪欲に追い求め、いつ送られてくるかわからない採用辞退メールに怯えながら、それでも優秀な人材を発掘しようとしていた。
その業務ストレスのせいだろうか。
ある面接官は、女子学生達のリクルートスーツに興奮する性癖を備え、仕事のストレスから面接の現場を愉しむことに決めたのだった。
幼なじみとセックスごっこを始めて、10年がたった。
スタジオ.T
青春
幼なじみの鞠川春姫(まりかわはるひめ)は、学校内でも屈指の美少女だ。
そんな春姫と俺は、毎週水曜日にセックスごっこをする約束をしている。
ゆるいイチャラブ、そしてエッチなラブストーリー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる