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想
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あの日から1週間足らず。沓掛の病体は急激に悪化した。
俺は沓掛の母からの危篤の知らせを聞いてすぐに急いで病院へと向かった。
家からはタクシーで1時間程かかってしまった。
俺が病院に到着した時、沓掛には大量の機械が取り付けられていた。前に来たときは付いていなかった心電図の一定的な電子音が静かな病室の中に響いていた。
その側には前に会った沓掛の母と今初めて会った眼鏡を掛けた姉が居た。
「…この人は…?」
「ほら…鈴の言ってた会社の同僚の方よ」
「……あぁ。…そっちにどうぞ…」
俺は深々と2人に無言で頭を下げ、沓掛の隣に行って手を握った。
「沓掛さん…!」
俺は病室で名前を呼んだ。
ただ、沓掛から手を握り返されることは無かった。
「しっかりしてくださいよ…沓掛さん…!」
何度呼んだって返事など無かった。
「ほら。この椅子をお使いになって…」
「…あっ…ありがとうございます」
沓掛の母は俺に椅子を渡した。
それからも呼びかけたとしても解っていた筈の沈黙が続いた。俺が沓掛の手を握ったとしても帰ってくるのは小さく細い脈だけだ。やはり俺の無様で滑稽で自分勝手な願いなど誰も聞き入れはしなかった。
心の中で突っ掛かり、でも響く【いかないで】は、沓掛がまだ帰って来ると信じているからなのかもしれない。
ただ結果的には「俺の思い描いた理想」と「沓掛が信じた未来」、そして「現実」。全ては乖離していた。俺は寂しい粒で溢れるぼやけた世界でそう思った。
「沓掛……さん……。まだ…やり残してることはありますよ……だから……。」
俺は手を強く握って心の底から言った。
「いかないで………ください………。話しましょうよ…………あの日のように……」
やはり存在したのは何もない「ただの現実」だけ
「…なか…ないで…」
思考が切れた。いや。状況が飲み込めなかった。
唯、何もかもの隙間が埋まった。今までも。この淋しい時間でさえも。
あの日の希望。あの日の喜び。あの日の衝撃。あの日の憂鬱。ただどれにも当てはまることのない沓掛の儚い声は。
幻聴。妄想。追憶。想起。それ以上の現実でさえも。
『その全ての可能性さえ振り切る。』
現実というものはやはり非情な物だ。
考える猶予などもうない。俺は俯く崩れた顔を正すことなく上げた。
そして訊く。俺の最期のわがままを。
「…くつ…かけさん……?」
その天使は微笑みながら言った。
「そんな顔……見せないでよ……情けないでしょ?」
「沓掛さん…!」「鈴…!」「鈴ちゃん!」
永く暗い夜から醒めた。
起きる方がおかしいと医師に言われ続け、いつ死ぬのかさえ誰にも解らなかった沓掛鈴が目を醒ましたのだ。
「お母さんに……陽菜お姉ちゃんまで…。来てくれたんだ…ありがとう」
沓掛は掠れた、弱々しい声で喋る。
「鈴ちゃん!」
鈴をお姉ちゃん、陽菜が包み込むようにハグをする。
二人の目には涙が浮かんでいた。
「目が醒めて…よかった…」
「うん。良かったよ…お姉ちゃん…」
別れという状況に直面している中で、ある記憶と重なった。
それは似ているようで、戻れない。
とっくに忘れた筈の『母との思い出だった』
「お姉ちゃん…ごめんね。こんな妹で…こんな終わり方で…」
沓掛の目にも光が入っていた。
姉は顔を上げて言う。
「そんなことない!鈴ちゃんは頑張ったよ…!一つ一つ頑張って研究者になって……貫いて来たでしょ!だからそんなこと言わないで……。私も辛い。こうやって見ているのは…。でもね、鈴ちゃんが起きてくれて…私はそれで、それだけで幸せなの。」
「だから鈴…泣かないで笑って…。私にあの笑顔をまた見せて」
「…うん。お姉ちゃん…。」
沓掛は笑った。いつもの笑顔で。
「鈴…!」
「お母さん…」
沓掛の母は手を握る。外から見ても強く解るほどに。
「…鈴ちゃん………ありがとう…」
「…?」
「生まれてきてくれて…ありがとう。…本当は…こんな事になってしまうなんて…。思ってもなかったの…」
「でも…!」
「病気なんて私にでも罹ればよかったのよ……!子供よりも私にでも。鈴がこうやって病気になってやっと…何も出来なかったって気づいたわ…。」
強く握る手は震えて、細い腕を揺らす。
「…そんなお母さんを赦して…鈴。」
涙が溢れる。
「こんな母で…お母さんで…ごめんなさい」
「私はね……。お母さんがお母さんで良かった。」
それでも、沓掛は笑っていた。
「お母さんじゃなかったら…こんな時もしあわせじゃ無かったかもね。私はね…人生の“こうかい”は沢山あるの…でもしあわせには“こうかい”はないよ。」
「もしね…明日が生きられるのだとしても…しなくても…この気持ちは変わらない。だってかけがえのない一日をこうやって過ごせてるんだから…」
「ありがとう。お母さん。私のお母さんで居てくれて…。」
沓掛が握り返すのもよく分かった。軽々とスーツケースを持っていたはずの腕はとうに細く、今にも折れてしまいそうだ。
それでも、沓掛はたくましかった。
ここがさいごの時というのを忘れてしまうような。
そんな気がしてならなかった。
「ねぇ。」
「沓掛さん…?」
沓掛は俺に話しかける。こんなにも平凡な事が嬉しい事など無いだろう。
「私の残してたさいごのお話…もう一度…いいかな?」
「…あぁ。勿論いいよ。2回でも…何度でも…」
沓掛は少しホッとした表情になった。
「…ありがとう。最期の最後まで……話に付き合ってくれて。これまでお礼…言えて無かったから。遅くなって…ごめんね」
「いいんですよ…そんな事でお礼なんて。俺はこうやって話せている…僕はこれだけで十分ですから…。」
「そうかな…?」
「勿論。」
俺は心の底から笑っていた。こうやって笑えたのも、また目が醒めてくれたからだ。
「…じゃあ…私の想い。素直に聞いて…。」
滑らかに。そして静かに話し始めた。
「私はね…初めて君と会ったとき…。ただの研究員だと思った。別に悪口を言ってるわけじゃない…。でもタッグを組んで研究したりして…エレベーターを作って………。」
沓掛の言葉が詰まる。
「今はそんな話なんてどうでもいいか…。」
「…」
「私ね。ずっと君の事が…好きだったんだよ…?」
「気づいてないかもしれないけど…。」
「いつ言おうか迷って…こんな時になっちゃったけど…。今更かもしれないけど…」
「…好きです。付き合ってください」
沓掛はゆっくりと手を差し伸ばす。
俺は笑って、手を取り言った。
「 」
沓掛は静かだった。でも。
「今までも…何時までも…愛してるよ。」
幸せにな様に。
いや違う。
幸せになっていた。
日付も変わり、雪が降り出す頃。天使は空へと向かって行った。
あの奇跡の数時間は刹那の様に過ぎ去り、何も無かったかのように街はまた目を覚ました。
ショックは大きかった。
俺に何が出来たのだろうか。俺の信念は何処へ行ったのか。俺の人生は堕落なのだろうか。
そう考えるばかりだった。
俺は沓掛の母からの危篤の知らせを聞いてすぐに急いで病院へと向かった。
家からはタクシーで1時間程かかってしまった。
俺が病院に到着した時、沓掛には大量の機械が取り付けられていた。前に来たときは付いていなかった心電図の一定的な電子音が静かな病室の中に響いていた。
その側には前に会った沓掛の母と今初めて会った眼鏡を掛けた姉が居た。
「…この人は…?」
「ほら…鈴の言ってた会社の同僚の方よ」
「……あぁ。…そっちにどうぞ…」
俺は深々と2人に無言で頭を下げ、沓掛の隣に行って手を握った。
「沓掛さん…!」
俺は病室で名前を呼んだ。
ただ、沓掛から手を握り返されることは無かった。
「しっかりしてくださいよ…沓掛さん…!」
何度呼んだって返事など無かった。
「ほら。この椅子をお使いになって…」
「…あっ…ありがとうございます」
沓掛の母は俺に椅子を渡した。
それからも呼びかけたとしても解っていた筈の沈黙が続いた。俺が沓掛の手を握ったとしても帰ってくるのは小さく細い脈だけだ。やはり俺の無様で滑稽で自分勝手な願いなど誰も聞き入れはしなかった。
心の中で突っ掛かり、でも響く【いかないで】は、沓掛がまだ帰って来ると信じているからなのかもしれない。
ただ結果的には「俺の思い描いた理想」と「沓掛が信じた未来」、そして「現実」。全ては乖離していた。俺は寂しい粒で溢れるぼやけた世界でそう思った。
「沓掛……さん……。まだ…やり残してることはありますよ……だから……。」
俺は手を強く握って心の底から言った。
「いかないで………ください………。話しましょうよ…………あの日のように……」
やはり存在したのは何もない「ただの現実」だけ
「…なか…ないで…」
思考が切れた。いや。状況が飲み込めなかった。
唯、何もかもの隙間が埋まった。今までも。この淋しい時間でさえも。
あの日の希望。あの日の喜び。あの日の衝撃。あの日の憂鬱。ただどれにも当てはまることのない沓掛の儚い声は。
幻聴。妄想。追憶。想起。それ以上の現実でさえも。
『その全ての可能性さえ振り切る。』
現実というものはやはり非情な物だ。
考える猶予などもうない。俺は俯く崩れた顔を正すことなく上げた。
そして訊く。俺の最期のわがままを。
「…くつ…かけさん……?」
その天使は微笑みながら言った。
「そんな顔……見せないでよ……情けないでしょ?」
「沓掛さん…!」「鈴…!」「鈴ちゃん!」
永く暗い夜から醒めた。
起きる方がおかしいと医師に言われ続け、いつ死ぬのかさえ誰にも解らなかった沓掛鈴が目を醒ましたのだ。
「お母さんに……陽菜お姉ちゃんまで…。来てくれたんだ…ありがとう」
沓掛は掠れた、弱々しい声で喋る。
「鈴ちゃん!」
鈴をお姉ちゃん、陽菜が包み込むようにハグをする。
二人の目には涙が浮かんでいた。
「目が醒めて…よかった…」
「うん。良かったよ…お姉ちゃん…」
別れという状況に直面している中で、ある記憶と重なった。
それは似ているようで、戻れない。
とっくに忘れた筈の『母との思い出だった』
「お姉ちゃん…ごめんね。こんな妹で…こんな終わり方で…」
沓掛の目にも光が入っていた。
姉は顔を上げて言う。
「そんなことない!鈴ちゃんは頑張ったよ…!一つ一つ頑張って研究者になって……貫いて来たでしょ!だからそんなこと言わないで……。私も辛い。こうやって見ているのは…。でもね、鈴ちゃんが起きてくれて…私はそれで、それだけで幸せなの。」
「だから鈴…泣かないで笑って…。私にあの笑顔をまた見せて」
「…うん。お姉ちゃん…。」
沓掛は笑った。いつもの笑顔で。
「鈴…!」
「お母さん…」
沓掛の母は手を握る。外から見ても強く解るほどに。
「…鈴ちゃん………ありがとう…」
「…?」
「生まれてきてくれて…ありがとう。…本当は…こんな事になってしまうなんて…。思ってもなかったの…」
「でも…!」
「病気なんて私にでも罹ればよかったのよ……!子供よりも私にでも。鈴がこうやって病気になってやっと…何も出来なかったって気づいたわ…。」
強く握る手は震えて、細い腕を揺らす。
「…そんなお母さんを赦して…鈴。」
涙が溢れる。
「こんな母で…お母さんで…ごめんなさい」
「私はね……。お母さんがお母さんで良かった。」
それでも、沓掛は笑っていた。
「お母さんじゃなかったら…こんな時もしあわせじゃ無かったかもね。私はね…人生の“こうかい”は沢山あるの…でもしあわせには“こうかい”はないよ。」
「もしね…明日が生きられるのだとしても…しなくても…この気持ちは変わらない。だってかけがえのない一日をこうやって過ごせてるんだから…」
「ありがとう。お母さん。私のお母さんで居てくれて…。」
沓掛が握り返すのもよく分かった。軽々とスーツケースを持っていたはずの腕はとうに細く、今にも折れてしまいそうだ。
それでも、沓掛はたくましかった。
ここがさいごの時というのを忘れてしまうような。
そんな気がしてならなかった。
「ねぇ。」
「沓掛さん…?」
沓掛は俺に話しかける。こんなにも平凡な事が嬉しい事など無いだろう。
「私の残してたさいごのお話…もう一度…いいかな?」
「…あぁ。勿論いいよ。2回でも…何度でも…」
沓掛は少しホッとした表情になった。
「…ありがとう。最期の最後まで……話に付き合ってくれて。これまでお礼…言えて無かったから。遅くなって…ごめんね」
「いいんですよ…そんな事でお礼なんて。俺はこうやって話せている…僕はこれだけで十分ですから…。」
「そうかな…?」
「勿論。」
俺は心の底から笑っていた。こうやって笑えたのも、また目が醒めてくれたからだ。
「…じゃあ…私の想い。素直に聞いて…。」
滑らかに。そして静かに話し始めた。
「私はね…初めて君と会ったとき…。ただの研究員だと思った。別に悪口を言ってるわけじゃない…。でもタッグを組んで研究したりして…エレベーターを作って………。」
沓掛の言葉が詰まる。
「今はそんな話なんてどうでもいいか…。」
「…」
「私ね。ずっと君の事が…好きだったんだよ…?」
「気づいてないかもしれないけど…。」
「いつ言おうか迷って…こんな時になっちゃったけど…。今更かもしれないけど…」
「…好きです。付き合ってください」
沓掛はゆっくりと手を差し伸ばす。
俺は笑って、手を取り言った。
「 」
沓掛は静かだった。でも。
「今までも…何時までも…愛してるよ。」
幸せにな様に。
いや違う。
幸せになっていた。
日付も変わり、雪が降り出す頃。天使は空へと向かって行った。
あの奇跡の数時間は刹那の様に過ぎ去り、何も無かったかのように街はまた目を覚ました。
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