レディブラスト 〜The Young Justice〜

橘樹太郎

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第18話:The Young Justice

18-3:始まりの場所へ

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 煙上がる秋津市の空を飛び、私は未来科学センター跡を目指す。人助けをしない時点でヒーロー失格なのだが、この選択を後悔したくはなかった。

 私が飛んでいると、藤堂さんから通信が入る。どうやら彼は本部に着いたようで、ハッキングされて他のメンバーは今まで出られなかったようだ。

『───立花、そっちは今どうなってる?』

「今こっちはセンター跡へ向かってます!」

『了解、俺達も本部の周りに展開している武装ドローンを片付けた後、センター跡に向かう。それまでに絶対───』

「ええ、死にませんよ。
ただ、藤堂さん達も」

『───俺達は、この世界の秩序を守らないといけない。それまでくたばれるか。
藤堂、アウト───』

 通信が切れ、私はさらに加速して向かった。


 センター跡に着く私・・・・・・やはり静かだ。
まるで敵を歓迎してるぐらいに静か過ぎて怪しかった。

 センターのエントランスに入り、私は過去を思い出す。確か、爆発した装置はこの奥の大広間にある───あれだ。

 そう、爆発した装置というのはエントランスの奥にある大広間・・・・・・その中央にある装置だ。
名前は確か・・・・・・電磁増幅機だったかな。

 まぁ、重要な話じゃないから端折るけど、恐らくこの地下に居るんだろうなと思っていた。


 何処に地下への入り口があるか探していたところ、通信が入る。それは藤堂さんの声では無く、現彦くんの声だった。

『───やぁ、来てくれたんだね』

「・・・・・・当たり前よ」

『なんだか冷たいなぁ、僕のやった事がそんなに気に入らなかったかい?』

「・・・・・・それで、私を煽りに来たの?」

『違うよ、君を導くのさ。ミカちゃんは僕との決着を望んでいるでしょ?』

「・・・・・・そうよ」

『だったら、僕の言う通りにしなきゃ』

 ここは現彦くんを信じて、彼の言う通りに進む。エレベーターは動かない為、非常階段から進む事になるが、彼のいる場所は更に深い場所で、そのことをまだ知らない私は突き当たりにぶつかった。

 一見、何もないように見えたが、急に目の前の壁がウネウネと変化し始め、頑丈そうなゲートに変わった。

 ゲートの隣には電子ロックがあり、0から9までの番号キーから4桁のパスワードを打たないといけないようだ。

『ヒントは、"僕達が贈り物を授かった年"だ』

「ちょっとぉ、まだ私考えてる途中だったんだけど」

『ごめんね、でもそこで時間を無駄にしたくないでしょ?』

「それはそうだけど・・・・・・てか、それなら扉ぐらい開けなさいよ」

 そう言うと現彦くんは笑いながら通信を切る。私達が爆破事故に巻き込まれたのは小学5年生の頃だから───2018年だ。

 私は該当するキーを順番に押し、最後にエンターキーを叩くと承認されて扉が開いた。

 扉が開き、階段を下っていった先には研究室のような部屋があり、目の前には監視室のように大きなモニターがあった。

 簡易的なベッドもある為、恐らくここで寝泊まりしていたのだろう。机には資料や領収書、"何らかで使うような秘密道具ガジェット"、そして"在りし日の写真立て"があった。

「〔現彦くん・・・・・・〕」


 写真立てを見ている中、私は背後に気配を感じる。しかし振り向く時にはもう遅く、私は首を掴まれて持ち上げられた。

 私を襲ったのは白いコートを着た金髪ブロンドの長身男性・・・・・・サウンドブラストを放つが、衝撃を吸収してるのか全然びくともしなかった。

 私は首を掴んでいる方の腕に脚を絡ませて一気に重さを掛けて相手を横に投げ飛ばす。首は解放されたものの、相手は何の外傷もなく起き上がった。

 次にチャージした拳や足で殴り蹴りするが、少し傾くだけですぐに体勢を戻してしまう。まるで相手は未来からやってきた殺人サイボーグか闇堕ちした鋼鉄の男スーパーマンだ。
 ・・・・・・まぁ、髪の色が違うから私の知ってるのじゃないけど。

 私は男の首に両足を組み付けた後、全身の力で私の後ろ側へ叩きつける。その衝撃でそこにあったベッドは破損したが、もう使うこともないだろう。

 叩き付け、動かなくなったかなと思いきや、やはりまだ動く・・・・・・ここで時間と体力を使ってる場合じゃないのにと思いきや、男は気配を感じたように横を向く。すると、緑色の光線が彼に当たり、跪きながら消滅していった。

「───待ってたよ、ミカちゃん」

 後ろにいるのは現彦くんで、彼は謎の光線銃を持っていた。
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