38 / 44
第18話:The Young Justice
18-3:始まりの場所へ
しおりを挟む
煙上がる秋津市の空を飛び、私は未来科学センター跡を目指す。人助けをしない時点でヒーロー失格なのだが、この選択を後悔したくはなかった。
私が飛んでいると、藤堂さんから通信が入る。どうやら彼は本部に着いたようで、ハッキングされて他のメンバーは今まで出られなかったようだ。
『───立花、そっちは今どうなってる?』
「今こっちはセンター跡へ向かってます!」
『了解、俺達も本部の周りに展開している武装ドローンを片付けた後、センター跡に向かう。それまでに絶対───』
「ええ、死にませんよ。
ただ、藤堂さん達も」
『───俺達は、この世界の秩序を守らないといけない。それまでくたばれるか。
藤堂、アウト───』
通信が切れ、私はさらに加速して向かった。
センター跡に着く私・・・・・・やはり静かだ。
まるで敵を歓迎してるぐらいに静か過ぎて怪しかった。
センターのエントランスに入り、私は過去を思い出す。確か、爆発した装置はこの奥の大広間にある───あれだ。
そう、爆発した装置というのはエントランスの奥にある大広間・・・・・・その中央にある装置だ。
名前は確か・・・・・・電磁増幅機だったかな。
まぁ、重要な話じゃないから端折るけど、恐らくこの地下に居るんだろうなと思っていた。
何処に地下への入り口があるか探していたところ、通信が入る。それは藤堂さんの声では無く、現彦くんの声だった。
『───やぁ、来てくれたんだね』
「・・・・・・当たり前よ」
『なんだか冷たいなぁ、僕のやった事がそんなに気に入らなかったかい?』
「・・・・・・それで、私を煽りに来たの?」
『違うよ、君を導くのさ。ミカちゃんは僕との決着を望んでいるでしょ?』
「・・・・・・そうよ」
『だったら、僕の言う通りにしなきゃ』
ここは現彦くんを信じて、彼の言う通りに進む。エレベーターは動かない為、非常階段から進む事になるが、彼のいる場所は更に深い場所で、そのことをまだ知らない私は突き当たりにぶつかった。
一見、何もないように見えたが、急に目の前の壁がウネウネと変化し始め、頑丈そうなゲートに変わった。
ゲートの隣には電子ロックがあり、0から9までの番号キーから4桁のパスワードを打たないといけないようだ。
『ヒントは、"僕達が贈り物を授かった年"だ』
「ちょっとぉ、まだ私考えてる途中だったんだけど」
『ごめんね、でもそこで時間を無駄にしたくないでしょ?』
「それはそうだけど・・・・・・てか、それなら扉ぐらい開けなさいよ」
そう言うと現彦くんは笑いながら通信を切る。私達が爆破事故に巻き込まれたのは小学5年生の頃だから───2018年だ。
私は該当するキーを順番に押し、最後にエンターキーを叩くと承認されて扉が開いた。
扉が開き、階段を下っていった先には研究室のような部屋があり、目の前には監視室のように大きなモニターがあった。
簡易的なベッドもある為、恐らくここで寝泊まりしていたのだろう。机には資料や領収書、"何らかで使うような秘密道具"、そして"在りし日の写真立て"があった。
「〔現彦くん・・・・・・〕」
写真立てを見ている中、私は背後に気配を感じる。しかし振り向く時にはもう遅く、私は首を掴まれて持ち上げられた。
私を襲ったのは白いコートを着た金髪の長身男性・・・・・・サウンドブラストを放つが、衝撃を吸収してるのか全然びくともしなかった。
私は首を掴んでいる方の腕に脚を絡ませて一気に重さを掛けて相手を横に投げ飛ばす。首は解放されたものの、相手は何の外傷もなく起き上がった。
次にチャージした拳や足で殴り蹴りするが、少し傾くだけですぐに体勢を戻してしまう。まるで相手は未来からやってきた殺人サイボーグか闇堕ちした鋼鉄の男だ。
・・・・・・まぁ、髪の色が違うから私の知ってるのじゃないけど。
私は男の首に両足を組み付けた後、全身の力で私の後ろ側へ叩きつける。その衝撃でそこにあったベッドは破損したが、もう使うこともないだろう。
叩き付け、動かなくなったかなと思いきや、やはりまだ動く・・・・・・ここで時間と体力を使ってる場合じゃないのにと思いきや、男は気配を感じたように横を向く。すると、緑色の光線が彼に当たり、跪きながら消滅していった。
「───待ってたよ、ミカちゃん」
後ろにいるのは現彦くんで、彼は謎の光線銃を持っていた。
私が飛んでいると、藤堂さんから通信が入る。どうやら彼は本部に着いたようで、ハッキングされて他のメンバーは今まで出られなかったようだ。
『───立花、そっちは今どうなってる?』
「今こっちはセンター跡へ向かってます!」
『了解、俺達も本部の周りに展開している武装ドローンを片付けた後、センター跡に向かう。それまでに絶対───』
「ええ、死にませんよ。
ただ、藤堂さん達も」
『───俺達は、この世界の秩序を守らないといけない。それまでくたばれるか。
藤堂、アウト───』
通信が切れ、私はさらに加速して向かった。
センター跡に着く私・・・・・・やはり静かだ。
まるで敵を歓迎してるぐらいに静か過ぎて怪しかった。
センターのエントランスに入り、私は過去を思い出す。確か、爆発した装置はこの奥の大広間にある───あれだ。
そう、爆発した装置というのはエントランスの奥にある大広間・・・・・・その中央にある装置だ。
名前は確か・・・・・・電磁増幅機だったかな。
まぁ、重要な話じゃないから端折るけど、恐らくこの地下に居るんだろうなと思っていた。
何処に地下への入り口があるか探していたところ、通信が入る。それは藤堂さんの声では無く、現彦くんの声だった。
『───やぁ、来てくれたんだね』
「・・・・・・当たり前よ」
『なんだか冷たいなぁ、僕のやった事がそんなに気に入らなかったかい?』
「・・・・・・それで、私を煽りに来たの?」
『違うよ、君を導くのさ。ミカちゃんは僕との決着を望んでいるでしょ?』
「・・・・・・そうよ」
『だったら、僕の言う通りにしなきゃ』
ここは現彦くんを信じて、彼の言う通りに進む。エレベーターは動かない為、非常階段から進む事になるが、彼のいる場所は更に深い場所で、そのことをまだ知らない私は突き当たりにぶつかった。
一見、何もないように見えたが、急に目の前の壁がウネウネと変化し始め、頑丈そうなゲートに変わった。
ゲートの隣には電子ロックがあり、0から9までの番号キーから4桁のパスワードを打たないといけないようだ。
『ヒントは、"僕達が贈り物を授かった年"だ』
「ちょっとぉ、まだ私考えてる途中だったんだけど」
『ごめんね、でもそこで時間を無駄にしたくないでしょ?』
「それはそうだけど・・・・・・てか、それなら扉ぐらい開けなさいよ」
そう言うと現彦くんは笑いながら通信を切る。私達が爆破事故に巻き込まれたのは小学5年生の頃だから───2018年だ。
私は該当するキーを順番に押し、最後にエンターキーを叩くと承認されて扉が開いた。
扉が開き、階段を下っていった先には研究室のような部屋があり、目の前には監視室のように大きなモニターがあった。
簡易的なベッドもある為、恐らくここで寝泊まりしていたのだろう。机には資料や領収書、"何らかで使うような秘密道具"、そして"在りし日の写真立て"があった。
「〔現彦くん・・・・・・〕」
写真立てを見ている中、私は背後に気配を感じる。しかし振り向く時にはもう遅く、私は首を掴まれて持ち上げられた。
私を襲ったのは白いコートを着た金髪の長身男性・・・・・・サウンドブラストを放つが、衝撃を吸収してるのか全然びくともしなかった。
私は首を掴んでいる方の腕に脚を絡ませて一気に重さを掛けて相手を横に投げ飛ばす。首は解放されたものの、相手は何の外傷もなく起き上がった。
次にチャージした拳や足で殴り蹴りするが、少し傾くだけですぐに体勢を戻してしまう。まるで相手は未来からやってきた殺人サイボーグか闇堕ちした鋼鉄の男だ。
・・・・・・まぁ、髪の色が違うから私の知ってるのじゃないけど。
私は男の首に両足を組み付けた後、全身の力で私の後ろ側へ叩きつける。その衝撃でそこにあったベッドは破損したが、もう使うこともないだろう。
叩き付け、動かなくなったかなと思いきや、やはりまだ動く・・・・・・ここで時間と体力を使ってる場合じゃないのにと思いきや、男は気配を感じたように横を向く。すると、緑色の光線が彼に当たり、跪きながら消滅していった。
「───待ってたよ、ミカちゃん」
後ろにいるのは現彦くんで、彼は謎の光線銃を持っていた。
0
お気に入りに追加
4
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話
桜井正宗
青春
――結婚しています!
それは二人だけの秘密。
高校二年の遙と遥は結婚した。
近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。
キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。
ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。
*結婚要素あり
*ヤンデレ要素あり
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。

イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?
すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。
「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」
家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。
「私は母親じゃない・・・!」
そう言って家を飛び出した。
夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。
「何があった?送ってく。」
それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。
「俺と・・・結婚してほしい。」
「!?」
突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。
かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。
そんな彼に、私は想いを返したい。
「俺に・・・全てを見せて。」
苦手意識の強かった『営み』。
彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。
「いあぁぁぁっ・・!!」
「感じやすいんだな・・・。」
※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。
※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。
※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。
※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。
それではお楽しみください。すずなり。
極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。

とある高校の淫らで背徳的な日常
神谷 愛
恋愛
とある高校に在籍する少女の話。
クラスメイトに手を出し、教師に手を出し、あちこちで好き放題している彼女の日常。
後輩も先輩も、教師も彼女の前では一匹の雌に過ぎなかった。
ノクターンとかにもある
お気に入りをしてくれると喜ぶ。
感想を貰ったら踊り狂って喜ぶ。
してくれたら次の投稿が早くなるかも、しれない。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる