グンナイベイビー

壺の蓋政五郎

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グンナイベイビー6

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「いや、パパとかママとかいなくて、寂しくないのかなって思って」
 メイ子が良太に近寄り顔をじろじろ見つめた。
「お姉ちゃんおかしいよ。なんかあったの?あたし寝る。これ以上乙女の恋路の邪魔をしないで」
「メイ子誰か付き合ってる子いるの?」
「秘密」
 メイ子は自室に戻った。造りがいいから防音もしっかりしている。自室に入れば生活音は聞こえない。良太の部屋は妹の幸子と六畳をベニヤで間仕切り。歯ぎしり寝言、寝息、悔しい時に布団を被っての啜り泣きの息継ぎまで手に取るように聞こえる。学校で何かあったのか、友達と何かあったのか、それともただ悔しくて泣いているのか、その内容は分からないが、一緒になって泣いて上げられる。そして明日はいい日であるように祈ることが出来る。良太は無音の室内でベッドに倒れた。

 自宅に帰ると幸子が夕餉の支度をしていた。
「お兄ちゃん、重大発表があります。お姉ちゃんから電話がありました。ジャ~ン、何でしょう?」
「隠さずにいいなさい。お兄ちゃんは今晩ずっと起きてて、お姉さんに昨夜君との約束果たすよ」
 茉奈にここの暮らしで十分だと伝えてピンキャバを辞めて欲しいと懇願することである。
「ジャ~ン、実はそのことです。もう言わなくていいよ。お姉ちゃん善三さんと暮らすの。ピンキャバ辞めて善三さんのお店手伝うことになったの。それで明日二人で待望の中古3Kマンションの契約に行くそうです。ばんざ~い」
 幸子が飛び上がり喜んでいる。Kとはキッチンのこと、LもDも付かないただの3Kマンションに入居が決まりはしゃいでいる幸子を見ていて自分の境遇との違いを感じていた。 
「と言うことはお姉さんと善三さんが3Kに移るんでしょ。僕等はここに残る?」
「違うよお兄ちゃん、あたし達がマンションに行くの。善三さんが自分の借りてるアパート払ってここでお姉ちゃんと同居するの」
 愛子はおかしいと思った。
「それじゃお姉さん達可哀そうじゃない。僕等がここに残るのがいいんじゃないの」
「もうお兄ちゃん止めてよそんなこと言うの。いいじゃない本人がそう決めたんだから。マンションに住みたいのあたし。お兄ちゃんもあたしも近い将来独立するでしょ、その時にお姉ちゃん達が入ればいいのよ」
 幸子の願望は大きい。中古でも3Kでもマンション暮らしに憧れている。
「幸子、それでいいの?お姉さん達の新居がここだよ。僕は五~六年すれば独り立ちする。君も就職するなら三年で出て行くことになる。それぐらいここで辛抱しないか。お姉さんの苦労は計り知れない。君が下で僕が上でいいじゃないか。古い借家だけど一人一部屋、それも下と上。十分だと思う。どうかな?」
 愛子の筋の通った説教に頷いた。
「分かった。でもお兄ちゃん変だよ。普通なら喜ぶくせに」
 幸子は愚痴を溢しながら二階に上がった。幸子の手作り焼きそばとチャーハン。福神漬けが大きなガラスの器に山盛り。ラップが福神漬の皿に三分の一だけ掛かっている。どんな夕飯だろうとこの福神漬けが必ずお供に出て来る。愛子はチャーハンにスプーン二杯の福神漬けを掛けた。汁が多過ぎてチャーハンがべた付いた。

 鶏冠の四人組が暖簾を潜った。それに気付いた善三が奥のボックス席に座らせるよう茉奈に言った。
「お前等工業だろ、うちの弟虐めたな」
 茉奈が水を運んで言った。
「あれ、お姉さんですか。いえもう仲直りしました」
「そう、ありがとう、今度弟が虐められてたら助けてあげてね」
「と言うより弟さん強いでしょ。空手やってんでしょ。こいつチョーパン喰らいました」
 善三が出て来た。
「ういっす」
 四人組が善三に挨拶した。
「高校生にしては時間が遅いな、親御さんと連絡付いてるの?」
 善三は八時半は高校生の外出時間を超えていると思っている。
「進路指導の先生の家で相談した帰りです。想い出して来ました」
「そうか、それならいい、かつ丼大盛と刺身定食大盛、どっちがいい?」
「えっほんとにいいんですか?」
「ああ約束だ。観音様の前で約束してそれを反故にしたら罰が当たる。今日は無料、二回目は半額、三回目から普通に料金いただくよ」
 善三が笑って言うと腕を突き上げた。注文は全員がかつ丼大盛だった。善三が厨房に戻る。
「みんないい子なんだがな」
「そうね、一人一人はいい子。それで親方の娘さんはどうしたの?」
「うん、大将が電話に出た。砂場で女将さんが桜ちゃんを抱いていたって。声を掛けずに店に戻ったらしい。お前は気にするなって言われた」

♪きいっと い~つかふぁ 君のパパもふぉ 
 分かって くれえる
        (二人の 愛を)

「善三さんは?」
「何が?」
「桜さんのこと?」
「可愛い子だよ。だけど好きだ嫌いだと考えたことなど一度もない。俺には生涯茉奈がいる、へい、かつ丼大盛四つお願い」
「はい」
 茉奈は前掛けで顔を擦った。

♪後ろを~ むういた ふるえる 肩をっふぉ
 抱いてあげよーう だ~か~ら~
 グンナ~イ グンナ~イ ベイビ~
 なみだこらえて~ 

 善三は茉奈を幸せにすると誓った。

 愛子の妹のメイ子は佐田さんが学校まで送って行った。広大な屋敷で家族は誰もいない。佐田も染も屋敷の中にあるアパートで暮らしている。アパートと言っても丸山家の借家より広い。それも別々である。
「おはようございます。愛子様遅れますよ。どうされましたか愛子様。私が起こすことなど今までありませんでしたのに」
 生理痛、毎月こんなに切ないことが起きるのだろうか。女は大変だと思った。
「今日休もうかな」
 道場も土曜は休み。学校に行っても面白くない。アパッチは女学校でマッチョもいない。マッチョを想像するだけで濡れてくる。股間がびちゃびちゃして気持ち悪い。愛子から教わったようにナプキンをあてがう。それすらも気持ち悪い。
「奥様に叱られますよ。教頭からお電話がありますからね」
 染さんが叱る。
「ねえ、染さん、佐田さんと三人でドライブしない」
 染の顔に一瞬笑みがこぼれた。
「駄目ですよ、誰もいらっしゃらないからって」
「だいじょぶだよ、誰もいないんだから。ねえ染さん、行こう、行こう」
 染の表情は完全に緩んだ。
「佐田さんのご都合もありますよ。でもちょっと聞いてみます」
 染が階段を下りて行った。良太はクローゼットから服を選んだ。一番高そうなアンサンブルを選んで着た。肩パットが貴婦人を連想させる。ハイヒールを履く。思ったよりバランスがいい。
 髪をとかして麦藁帽子を被った。鏡を見て愛子もいい女だと認めた。階段を下りてエントランスホールに行くと蝶ネクタイをした佐田が立っていた。
「グッドモーニング愛子お嬢様」
 染さんが玄関から入って身体を一周した。
「派手かしら」
「ワオ、染さんがシンデレラに変身、それとも死んでれら」
 佐田のジョークが寂しい。佐田さんが車庫から外車を出した。ピッカピッカのリンカーンコンチネンタルだった。
「染さんが前に乗って」
 良太は染を助手席に座らせた。佐田が微笑む。
「最高の気分ですね愛子様」
 佐田が言いながらラジオのスイッチを押した。

♪きいっと い~つかふぁ 君のパパもふぉ
 わかあって くれえる

「愛子様どちらに行きましょう?」
「佐田さん、今日と明日は愛子と呼び捨てでいいよ。染さんも、ね、これお願い。今日と明日。お願い」
 良太がお願いする。母親は子供の頃蒸発した。父親は早死に。祖父も祖母もほとんどあったことがない。俗にいう田舎がなく育った。自分の爺さん婆さんになって欲しかった。いつの間にか生理の痛みを忘れていた。
「皇居でも行きますか?」
「ええ行きたい、何十年振りかしら」
 染がときめいた。

♪やあっと み~つけた この幸せをふぉ
 誰にも あげない
       (二人のものさ)

 昨夜は寝てしまった。妹の幸子はもう下で食事の支度をしている。みそ汁のいい匂いがする。愛子も腹が減った。立ち上がるとパンツが膨らんでいた。良太から教わった萎むおまじない。『猫の交通事故』だめ、『酔っ払いのゲロ』だめ、『じじいの痰壺』覿面だった。学生ズボンを穿いて階段を下りる。
「おはようございます。おえっ」
 『じじいの痰壺』が焼き付いて吐き気を誘った。
「汚ねえ、気持ち悪いの?ご飯食べられる?」
「大丈夫、痰壺想い出しちゃって」
 幸子は首を傾げた。愛子が幸子に合図した。昨夜のことを姉の茉奈に話す。
「お姉さん、お疲れのとこすいません」
 茉奈は一心の片付けを終えて帰宅したのが午前四時である。二人が登校するのを待って横になる。
「良太何?」
 面倒臭そうに返事した。
「幸子から聞きました。お姉さんは善三さんと結婚するそうですね。おめでとうございます」
 良太の改まりように茉奈は驚いて座り直した。
「どうしたのいきなり」
「それでお姉さん達二人が新居に移ってもらいたいと僕達二人の考えです。僕達はここで充分です。幸子が下で僕が上、こんなぜいたくな環境を与えて頂いて光栄です。お姉さんには日頃から感謝しています。ですからお二人でマンションにご入居ください。お願いします」
 愛子が畳に手を着いてお願いした。茉奈は二人を見比べた。
「おい良太」
 茉奈が良太のおでこに掌を当てた。
「お前大丈夫か?熱は無いようだな」
 まさか良太からこんなことをお願いされるとは考えてもいなかった。
「お姉さん僕等は真剣です。幸せの順番は苦労をされた方からです。当然のことです。是非そうしてください」
「そりゃいいけどさ、お姉ちゃんだってマンション暮らししたいよ。それに善三さんと愛し合う声がここじゃ道路まで聞こえそうだし。ありがとう。お前達がそう言ってくれるならそうする。良かったお姉ちゃん、こんな弟と妹に恵まれて、ここまで育てた甲斐があった。ありがとう、お姉ちゃん幸せになるからね、次は良太、その次は幸子。ちゃんとお姉ちゃんが責任持って幸せにしてあげるからね」
 二人は家を出た。大船駅で幸子と別れた。学校は同じ商業だが兄妹で登校するのは恥ずかしいと幸子の希望。
「おい、良太」
 愛子は知らない学生から声を掛かられた。愛子は首を傾げる。
「お前、俺を忘れたわけじゃねえだろうな。観音様の下で仲直りしただろう」
 愛子は良太から話は聞いていた。
「ごめん、ちょっと考え事してた」
「そうか、商業の奴等じゃしょうがねえな」
 何がしょうがないのか分からなかった。
「お前んちの姉さんマブいな。俺惚れそうだよ。嘘だよ。真剣になるなよ。また空手で退治しようってか?観音様の決闘じゃ足が疲れるし、あれ何段あるか知ってる?知らないの?俺も知らない。そんなことどうでもいいわけさ、だってそうだろ、善三さんのカツ丼最高、お前食った?あれなら大盛二杯は楽勝行けるな」
 この調子でずっと藤沢駅まで喋り続けていた。
「今夜行くから良太も来いよ、俺の奢り、半額だし。次はお前の奢り、三回目は通常料金、誰が損で誰が得か?」
「そろそろいいですか、時間あんまりないので」
「おう、じゃあ夕方七時な、お前の話に付き合ってたんじゃ日が暮れちゃうっつうの」
 聞いているだけで疲れた。

 ダックスホンダの二人乗り、観音様下の不動産屋の壁に張り出してあるマエソクを二人で見つめた。
「これだな」
「そうこれ」
 二人が指差したのは中古3Kマンション、築十五年。
「エレベーターはあるのかな」
「あるある」
「五階だからな、よし」
 善三の一声で入店した。
「いらっしゃいませ」
 店の主人が茉奈を見て微笑んだ。
「愈々?」
 夫人が言った。
「そう愈々」
 茉奈が言い返した。夫人が善三を意識した。
「これうちの旦那、正式には明日旦那になる人」
 茉奈が笑いながら言った。
「どうするの銀行から借りるの?」
「うんう、二人のお金足しても百万不足。月賦にしておばちゃん」
 茉奈が手を合わせた。
「あたしは一昨日大船に鉄板焼き屋『一心』て店をオープンした友倉善三と申します。あっし等水商売はなかなか銀行さんもご理解いただけない。この物件はご主人とこの私有物件と言うことをこいつから聞いて、なんとか残りは月払いでお願いしてもらえないかと伺った次第です」
「ああ、あんたがあそこの大将なの、うちの社員が昨日行ったそうだよ。いい店見つけたって喜んでいたよ。あたし達も行こうかって話ししてたところですよ」
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