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しおりを挟む自分の腕の中でスヤスヤと眠る美沙絵を見つめる。
今夜も達するとグッタリして動かなくなってしまったので、体を綺麗に拭いてやった後に服を着せてそのまま寝かせた。まだ不慣れな美沙絵のために抑えなければいけなかったのに、感じて甘い声を上げる美沙絵が可愛くて愛おしくて、たくさん気持ちよくさせたくて、ついついやりすぎてしまった…。
温かくて心地いい体を抱きしめているだけで幸せが体中に染み渡っていくようだ。
しばらく恋愛とは縁がなかったが、こんなにも心と体の両方が満たさせる相手と巡り会い、しかもそれが俺の初めての教え子だったとは人生何があるか本当に分からない。美沙絵との再会は正に運命的だったとしか思えない。こいつは俺の宝物だ。
宝物といえば、初めは恥ずかしいからと中々首を縦に振ってくれなかったが、拝み倒した結果、先日の日曜日にもらって机の引き出しの中に大事にしまってある美沙絵からの手紙…。俺宛のラブレターなんだから俺がもらうのは当然だ。幼いながらも俺への真剣な想いが溢れんばかりに綴られた手紙は、何度読んでも心を打たれる。ああ、お前を一生大事にする…愛してる…。思わずギュッと抱きしめると美沙絵が身じろぎをした。マズい、起こしたか、と焦ったが、また寝息が聞こえてホッとする。
それにしても、今日たまたま早めに帰れて本当によかった…。正樹と美沙絵が一緒にいるのを目撃しただけでも驚いたのに、あいつが美沙絵にしつこく付き合いを迫ったと知って、実の弟のように可愛がっていたあいつだが、一瞬殺意のようなものを覚え、平静を失って大人げなく本気で怒ってしまった。十分反省しているようだし美沙絵のことはキッパリ諦めると言っていたので水に流してやるが、正樹を追い出した後、今更ながら気づいてしまったのだ。同世代の男たちがたくさんいる場所で美沙絵が仕事をしているということに。もしかしたら正樹だけではなく、他にも美沙絵を狙っている学生たちがいるかもしれないし、もしまた美沙絵が誰かに迫られたり力尽くで何かされたりしたらという不安がよぎったのだ。できることなら、こいつは俺の女だから男はみんな近寄るなと叫びたいくらいだ。癪に障るが、正樹にボディーガードでもさせるか…。そこで、ふっ…と自嘲するように笑う。自分がこんなにも心が狭く、独占欲の強い男だったとは…。でも、美沙絵を絶対に誰にも奪われたくない。
この一件で、もうさっさと結婚した方がいいのではないかと思った。俺たちが公的な関係になれば、少しは不安が減るのではないかと。美沙絵やご両親には、今すぐ結婚という話ではない、気持ちが固まるまで待つ、と言ったが。先日両親に美沙絵とのことを伝えた時、やはり美沙絵のお父さんと同じようなことを言われて問い詰められてうんざりしたが、最終的には認めてくれ、それならすぐにでも結婚した方がいいんじゃないか、と言われたのだ。でもあまり美沙絵を急かしたくないし、こいつの希望を最優先したいと思っているが…。明日、話をして改めて話をしてみるか…。
ようやく眠気が訪れてきた。美沙絵の髪をそっとかきあげると額と頬に口づけをして、目を閉じた…。
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