秘められた願い~もしも10年後にまた会えたなら~

宮里澄玲

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 もう息も絶え絶えといった状態だった…。今のは…?
 何が起こったのかまだ理解できないでいた。
 「大丈夫か…?」
 駿さんが汗で額に張り付いた私の髪を優しく後ろに払うと頭を撫でた。
 「…あ…私…?」
 「…可愛かった…美沙絵がたくさん感じてくれて、イってくれて嬉しいよ…」
 額にそっとキスをされる。
 あっ…これが…。本や雑誌や友人たちの話からそれなりに知識はあったが、実際に経験してみて初めてこんなすごい感覚を知った…。あれ、でも駿さんは…?
 「あの…駿さんは…?」
 私がおずおずと聞くと駿さんが微笑んだ。
 「俺のことは気にするな。お前は初めてなんだし、今日無理に最後までする必要はないよ」
 駿さんだって最後までしたいだろうに…。私を気遣ってここで止めようとしてくれている…。
 「…駿さん、お願いします、最後までしてください…。今日駿さんと結ばれたいんです…」
 駿さんに抱きついた。自分からこんなことを言うのははしたないと思ったが、正直な気持ちだった。
 「美沙絵…いいのか…本当に…」
 私は駿さんの目をしっかりと見つめて頷いた。
 「…分かった。できるだけ痛くさせないようにするから…」 
 
 駿さんも服を全部脱いだ。引き締まった細身の筋肉質の体を目の当たりにして、心臓が高鳴った。
 そして、私の唇をじっくり堪能するかのようなキスに蕩けそうになる…。
 舌がまた私の胸を優しく転がすように動き、もう片方を指の腹で優しく撫でられると、自然に声が出てしまう。
 「…あ……ん……」
 すると、駿さんの頭がだんだんと下の方に移動していく。そして私の脚をそっと開くと、先ほど指で刺激された部分に唇をつけた。
 「…ッ! ダメ、そんなところ…! 汚い…」
 焦って咄嗟に太ももを閉じようとしたが、すぐに両手で押さえつけられさらに広げられる。
 こんなところを露にされて、見つめられるなんて…! この場から消えてしまいたいほど恥ずかしい…。
 「全然汚くなんかない…綺麗だよ…大丈夫だから…」 
 駿さんの舌が秘部に触れ、ゆっくりと動く。敏感な部分を舐められて体が波打つ。
 「…ッ! ハァ…あ…ンッ…ん…」
 恥ずかしかったが、柔らかい舌の感触がとても気持ちよくて、知らず知らずに声が出てしまう…。 
 すると、駿さんの中指が秘部の入り口付近に触れ、少し中に入った。体をビクッなる。
 「痛いか?」
 「…いえ…大丈夫です…少し違和感のようなものはありますが…」
 「もう少しだけ入れてみるから力を抜いて…」
 さらにゆっくりと指が奥に入り、止まったところで指の腹で軽く擦られた。
 「アァッ!!」
 突然来た鋭い快感に体が弓なりに反った。何、これ…。
 「ここがいいんだな」
 また唇と舌で秘部を、中に入った指で、今の所を刺激された。
 「アアッ…! そんな…もう…ンッ…! ハッ…イヤ…アァ…」
 敏感な外側と内側を同時に刺激され、もう訳が分からなくなるほど感じた。
 「…アッ! アッ…、………ンンンッ!!」
 また大きな波がやってくると、体がのけぞり、強烈な快感に身を震わせながら私は達した…。

 まるで全力疾走した後のようだった。放心状態でベッドに横たわっていると、駿さんが隣で何かをしてから、私を抱き寄せる。
 「大丈夫か…? またイッたな…嬉しいよ。これから入れるが、ゆっくりするから力を抜いて…」
 駿さんが私の脚の間に入ると、硬いものが入り口に当たった。それから徐々にゆっくりと奥に入っていく。さらに突き進んだ時、
 「…ッ!…イッッ…!」
 引き裂かれるような痛みが走り、体が強張った。駿さんの動きが止まった。
 「痛いか? 力を抜いて息を深く吐くんだ…」
 私を心配する駿さんも何だが辛そうだった。痛かったが、とにかく言う通りにしていたら少し治まってきた。
 「…そうだ。いい子だ…。ごめん、もう少しだけ我慢してくれ、もうすぐだから…」
 さらにグッと奥に進んだ。
 「アアッ…!!」 
 その衝撃に涙が零れた。駿さんが大きく息を吐くと私を抱きしめ、唇を寄せて涙を吸い取った。
 「全部入った…。痛かったよな…ごめんな。しばらくこのまま動かずにいるから、力を抜いて…」
 初めての時は痛いと聞いていたから覚悟していた。やっぱり痛かったが、駿さんと一つに繋がっている…。
 「…駿さん、私たち今一つに結ばれている…繋がっているんですよね…。とても嬉しい…愛する人に捧げられて…」
 「っ美沙絵…! 俺も嬉しいよ…ありがとう…愛している…」
 私たちは口づけを交わす。だんだんと口づけが深くなっていくにつれて、痛みが薄れて何か違うものが少し湧いてきた…。
 「…少しだけ動いてもいいか…? 激しくはしないから…」
 頷くと、駿さんがゆっくりと動き出した。
 「あっ…」
 「…痛いか…?」
 「…大丈夫です…続けて…ください…」
 駿さんは出し入れをするのではなく、先ほど指の腹で擦られたところを探し当てるようにしながら私の中でゆっくりと動いた。
 「…ンッ!」
 甘い刺激が体を走った。私の反応を見て、さらに動かす。
 「あっ…ん…」
 「これなら大丈夫か…? 続けてもいいか…?」
 「はい…」
 ぴったりと体をつけながら同じところを擦るように腰を動かす。だんだん気持ちよくなり、思わず駿さんに縋りつく。駿さんも私を強く抱きしめた。
 「アッ…! 駿さん…! ハァッ…!」
 「あぁ…美沙絵…!」
 駿さんの息遣いが荒くなり、さらに動きが早くなる。それにつれてまたさっきのような快感がせり上がってくる…。
 「…あっ…! なんか…もう…アッ…アッ…、……ッァアアアアア!!」
 目の前が真っ白に染まった…。 
 「…ッ…俺もッ…美沙絵…愛してる…! …クッ…!!」
 脱力した駿さんが私に覆いかぶさった。
 
 愛する人の重みを感じながら私は意識を手放した…。

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