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蝶とガーネット
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早朝、目覚めたシルヴィはエルブン神官の元へ向かいました。近況を報告するためです。自室にこもっていてもランスロットがやってくるという内容です。
「其方が強く拒めばよいではないか」
エルブン神官の言葉に返す言葉もないシルヴィは、下を向いてしまいました。
「まぁ、無理はない。眉目秀麗な殿下に誘われて、断る娘はおらんだろうからな」
エルブンはこうも続けます。
「そう思って殿下の公務をわざと増やしたのであるがな。ヤナフ侍従長とも相談してな。しかし、裏目に出てしまった」
「侍従長にまでお話なさったのですか」
「やむを得んだろう。王太子殿下に関わる重要なこと。ましてや、殿下は国王陛下にまでお話しされておる」
「皆様、さぞ驚かれたでしょう」
「多少はな。しかし、相手が其方であって良かったとも思っておる。殿下が他の侍女にお手を出されていたなら、より大きな混乱になっていたであろう」
「エルブン様、私は苦しいのです。殿下をお慕いする気持ちが強くなって、どうしていいかわからないのです」
胸の内を話したシルヴィの表情は曇っています。それを哀れに思ったかエルブンは手を彼女の肩にかけるのです。
「シルヴィウスよ、これだけは伝えておく。諦めよ。心をしっかりと持って殿下のお誘いを断るのだ。其方はまだ若い。其方に相応しい男が現れる。一才を諦めて耐えるのだ」
ランスロットと結ばれる運命にないシルヴィは、その言葉を重く受け止めました。「諦める」やはりそれしかないかと自分に言い聞かせるのです。
エルブンの真摯な言葉にシルヴィは深く頷き、執務室からでていくのでした。
自室に戻ったシルヴィに、カロリーナがやってきました。
「シルヴィウス様、お待ちしておりました」
「カロリーナ、どうしたのです」
「王太子殿下からの言伝が参りました。お茶の時間に参上するようにとのことです。庭園のいつもの場所だと」
先程、エルブンから断るよう言われたばかりのシルヴィは、体調が悪いとの理由でお茶の誘いを断ろうとします。しかし、
「王太子殿下はシルヴィウス様が来ないと不機嫌になられるとか。リカルド様もお困りでしょうからそこはどうか」
幼いながらも最もな意見を出すカロリーナにシルヴィも納得し
「では、参上致しましょう。リカルド様にその旨お伝えください」
と、答えるのでした。
お茶の時間、空は晴れ渡りとても穏やかな昼下がりです。シルヴィは軽装で現れました。約束通り来たシルヴィにランスロットも微笑んでいます。
「リカルド、下がってよい。シルヴィと休憩したい」
ランスロットの命令にリカルドは従い、シルヴィを残して下がっていきました。
「シルヴィ、ここに座れ」
自分の膝の上をさしたランスロットに、シルヴィは断ります。しかし、強引にその手を引っ張り、自分の膝の上にシルヴィを座らせたのです。
「俺の上にまたがっておいて、今更何を言うんだ?」
昨夜の情事を話すランスロットに、シルヴィの顔も赤くなっています。
「昨日は良かった。お前に犯されるみたいで興奮したな」
「…殿下、あまりそのようなこと、日の高いうちから話すことではありません」
咎めるシルヴィでしたがランスロットはお構いなしです。「ふふ」と笑ってシルヴィの服の中に手を入れようとします。しかし、シルヴィはそれを拒み、ランスロットの膝からも離れてしまいました。
「シルヴィ、どうした?」
「恐れながら、エルブン神官よりお訓示がありまして…」
「エルブンのくそジジイか」
シルヴィはランスロットの悪態を「殿下、いけません!」と窘め、慌てて彼の口を押さえるのです。口を押さえられたランスロットは、ペロリと舌でその手を舐めシルヴィをからかうのです。
「エルブンに何を言われたが知らないが、俺がお前を欲するのに何の障害がある」
ランスロットはそう言って、またシルヴィを膝の上に乗せたのです。すると、1匹の青い蝶がひらひらと二人の前に現れました。
「蝶も俺たちの仲睦まじさを見に来たぞ」
蝶はランスロットの腕に止まり、静かに羽を休めています。その美しさにシルヴィも見入ってしまいました。蝶を眺めるシルヴィにランスロットも愛おしく思い、彼女をじっと見つめています。そして、シルヴィの耳を甘噛みし始めました。これはランスロットの甘えたい合図。シルヴィも観念してランスロットに応えていくのです。ランスロットの手がシャツの中に入り、シルヴィの乳首を弄っていきます。
「シルヴィ、吸いたい」
ランスロットの要望に、シルヴィもシャツのボタンを開けていきます。はだけたシャツから彼女のふくよかな乳房が現れ、ランスロットはその胸に顔を埋めていきます。そして、両手で胸を揉みしだきながら乳首を吸っていくのです。
「こんな昼下がりに庭園でなんて、誰かに見られるかと思うと、ちょっと燃えるな」
ランスロットはそう呟きながら、舌で乳首を舐めていきます。ちゅっちゅっと音を立てて、シルヴィに愛撫していくのです。その気持ちよさにシルヴィも「あっ…」と、声を出してしまいます。
「シルヴィ、声を出したらリカルド達に聞こえるぞ」
悶えて声を漏らしてしまうシルヴィ。ランスロットの愛撫に耐えられない彼女を見て、彼はハンカチを取り出し、シルヴィの口に噛ませるのです。「我慢しろ」と言われたシルヴィは、ハンカチを噛んで頷きます。その従順さにランスロットも興奮して、今度は彼女のズボンとショーツを下ろし、ぐっしょりと濡れた淫部を指で弄っていきます。ランスロットの攻めに耐えられないシルヴィは、彼の肩に両手を掛けしがみついてしまうのです。声も絶え絶えに、ランスロットの指を感じていくのです。
「シルヴィ、俺も」
ランスロットも我慢できず、シルヴィにズボンを緩めさせます。そして自身のモノをシルヴィの淫部に押し当て、強く擦り合わせていくのです。ハンカチを噛んだままのシルヴィからは時折「ふっ…」という声が漏れてきます。その声にランスロットも我を忘れて腰を動かし、シルヴィと共に達していくのでした。射精したランスロットはシルヴィの服をなおし、また愛おしそうに額や頬にキスをするのでした。
「お前にやる」
そういうとランスロットは何かをシルヴィの首にかけました。赤い宝石のついたネックレスです。
「ガーネットだ。お前は猫だからな。猫には首輪をつけないと」
悪戯っぽく微笑むランスロットに、シルヴィも思わず微笑んでしまいます。
「愛しい人、俺だけの」
そう言ってランスロットは、シルヴィを強く抱きしめるのでした。
「其方が強く拒めばよいではないか」
エルブン神官の言葉に返す言葉もないシルヴィは、下を向いてしまいました。
「まぁ、無理はない。眉目秀麗な殿下に誘われて、断る娘はおらんだろうからな」
エルブンはこうも続けます。
「そう思って殿下の公務をわざと増やしたのであるがな。ヤナフ侍従長とも相談してな。しかし、裏目に出てしまった」
「侍従長にまでお話なさったのですか」
「やむを得んだろう。王太子殿下に関わる重要なこと。ましてや、殿下は国王陛下にまでお話しされておる」
「皆様、さぞ驚かれたでしょう」
「多少はな。しかし、相手が其方であって良かったとも思っておる。殿下が他の侍女にお手を出されていたなら、より大きな混乱になっていたであろう」
「エルブン様、私は苦しいのです。殿下をお慕いする気持ちが強くなって、どうしていいかわからないのです」
胸の内を話したシルヴィの表情は曇っています。それを哀れに思ったかエルブンは手を彼女の肩にかけるのです。
「シルヴィウスよ、これだけは伝えておく。諦めよ。心をしっかりと持って殿下のお誘いを断るのだ。其方はまだ若い。其方に相応しい男が現れる。一才を諦めて耐えるのだ」
ランスロットと結ばれる運命にないシルヴィは、その言葉を重く受け止めました。「諦める」やはりそれしかないかと自分に言い聞かせるのです。
エルブンの真摯な言葉にシルヴィは深く頷き、執務室からでていくのでした。
自室に戻ったシルヴィに、カロリーナがやってきました。
「シルヴィウス様、お待ちしておりました」
「カロリーナ、どうしたのです」
「王太子殿下からの言伝が参りました。お茶の時間に参上するようにとのことです。庭園のいつもの場所だと」
先程、エルブンから断るよう言われたばかりのシルヴィは、体調が悪いとの理由でお茶の誘いを断ろうとします。しかし、
「王太子殿下はシルヴィウス様が来ないと不機嫌になられるとか。リカルド様もお困りでしょうからそこはどうか」
幼いながらも最もな意見を出すカロリーナにシルヴィも納得し
「では、参上致しましょう。リカルド様にその旨お伝えください」
と、答えるのでした。
お茶の時間、空は晴れ渡りとても穏やかな昼下がりです。シルヴィは軽装で現れました。約束通り来たシルヴィにランスロットも微笑んでいます。
「リカルド、下がってよい。シルヴィと休憩したい」
ランスロットの命令にリカルドは従い、シルヴィを残して下がっていきました。
「シルヴィ、ここに座れ」
自分の膝の上をさしたランスロットに、シルヴィは断ります。しかし、強引にその手を引っ張り、自分の膝の上にシルヴィを座らせたのです。
「俺の上にまたがっておいて、今更何を言うんだ?」
昨夜の情事を話すランスロットに、シルヴィの顔も赤くなっています。
「昨日は良かった。お前に犯されるみたいで興奮したな」
「…殿下、あまりそのようなこと、日の高いうちから話すことではありません」
咎めるシルヴィでしたがランスロットはお構いなしです。「ふふ」と笑ってシルヴィの服の中に手を入れようとします。しかし、シルヴィはそれを拒み、ランスロットの膝からも離れてしまいました。
「シルヴィ、どうした?」
「恐れながら、エルブン神官よりお訓示がありまして…」
「エルブンのくそジジイか」
シルヴィはランスロットの悪態を「殿下、いけません!」と窘め、慌てて彼の口を押さえるのです。口を押さえられたランスロットは、ペロリと舌でその手を舐めシルヴィをからかうのです。
「エルブンに何を言われたが知らないが、俺がお前を欲するのに何の障害がある」
ランスロットはそう言って、またシルヴィを膝の上に乗せたのです。すると、1匹の青い蝶がひらひらと二人の前に現れました。
「蝶も俺たちの仲睦まじさを見に来たぞ」
蝶はランスロットの腕に止まり、静かに羽を休めています。その美しさにシルヴィも見入ってしまいました。蝶を眺めるシルヴィにランスロットも愛おしく思い、彼女をじっと見つめています。そして、シルヴィの耳を甘噛みし始めました。これはランスロットの甘えたい合図。シルヴィも観念してランスロットに応えていくのです。ランスロットの手がシャツの中に入り、シルヴィの乳首を弄っていきます。
「シルヴィ、吸いたい」
ランスロットの要望に、シルヴィもシャツのボタンを開けていきます。はだけたシャツから彼女のふくよかな乳房が現れ、ランスロットはその胸に顔を埋めていきます。そして、両手で胸を揉みしだきながら乳首を吸っていくのです。
「こんな昼下がりに庭園でなんて、誰かに見られるかと思うと、ちょっと燃えるな」
ランスロットはそう呟きながら、舌で乳首を舐めていきます。ちゅっちゅっと音を立てて、シルヴィに愛撫していくのです。その気持ちよさにシルヴィも「あっ…」と、声を出してしまいます。
「シルヴィ、声を出したらリカルド達に聞こえるぞ」
悶えて声を漏らしてしまうシルヴィ。ランスロットの愛撫に耐えられない彼女を見て、彼はハンカチを取り出し、シルヴィの口に噛ませるのです。「我慢しろ」と言われたシルヴィは、ハンカチを噛んで頷きます。その従順さにランスロットも興奮して、今度は彼女のズボンとショーツを下ろし、ぐっしょりと濡れた淫部を指で弄っていきます。ランスロットの攻めに耐えられないシルヴィは、彼の肩に両手を掛けしがみついてしまうのです。声も絶え絶えに、ランスロットの指を感じていくのです。
「シルヴィ、俺も」
ランスロットも我慢できず、シルヴィにズボンを緩めさせます。そして自身のモノをシルヴィの淫部に押し当て、強く擦り合わせていくのです。ハンカチを噛んだままのシルヴィからは時折「ふっ…」という声が漏れてきます。その声にランスロットも我を忘れて腰を動かし、シルヴィと共に達していくのでした。射精したランスロットはシルヴィの服をなおし、また愛おしそうに額や頬にキスをするのでした。
「お前にやる」
そういうとランスロットは何かをシルヴィの首にかけました。赤い宝石のついたネックレスです。
「ガーネットだ。お前は猫だからな。猫には首輪をつけないと」
悪戯っぽく微笑むランスロットに、シルヴィも思わず微笑んでしまいます。
「愛しい人、俺だけの」
そう言ってランスロットは、シルヴィを強く抱きしめるのでした。
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