夜這いは王子のお好きなように

はちみつスフレ

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アネモネは赤く

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 「シルヴィ、お前の身体が好きだ。余分なものがついていない引き締まった体に、すべすべとした肌。いつまでも触れていたい」

 ランスロットのシルヴィを抱きしめる力は強く、背中越しに吐息も聞こえてきます。醜く恐ろしい『蛇の烙印』を見せたはずなのに、ランスロットはお構いなしにこうも続けるのです。

 「お前の瞳は黒曜石のようだ。黒く艶めいて美しい。髪も綺麗だ。いつまでも撫でていたい」

その言葉にシルヴィはうつむき、心の底から振り絞る声で応えます。

 「…殿下…!私は、私は真剣に…話しているのです…!」

 
 すると、ランスロットはシルヴィを抱きしめたまま

 「俺だって、真剣にお前を口説いてる」

と、熱っぽく答えるのです。彼の思わぬ言葉にシルヴィは何も言えず、ただ振り向いて彼の瞳を見つめるだけです。

 「お前の身体をもっとよく知りたい。蛇の奥まで知っておきたい」

 (……蛇の…『奥』……?)

ランスロットが何を言っているのかわからないシルヴィは、そのまま抱き抱えられてベッドに押し倒されてしまいました。

シルヴィの股の間には、ランスロットの顔があります。

 「殿下…⁉︎何…を……?」

ランスロットは静かに目を閉じて、シルヴィの太ももの付け根に唇を這わせていきました。チュッ…という音も聞こえてきます。

 「…い……やっ…!殿下…!」

あまりのことに恥ずかしくなったシルヴィは、両足を閉じようとします。しかし、ランスロットに無理やりこじ開けられ、拒むことができません。

 「ここも敏感そうだな」

ランスロットはそう言うと、シルヴィの淫部を指でなぞっていきました。ランスロットの細い指が這っていくのです。ぞくぞくと感じてしまったシルヴィの奥からは愛蜜が溢れてきました。もはや抵抗することのできない彼女は、せめて恥ずかしさを隠そうと顔を枕に埋めていくのです。

 「恥ずかしいのか?俺しか見てない」

 次にランスロットは、舌でシルヴィの奥にある小さな蕾を舐めていきました。初めは舌先でちろちろと撫でる程度でしたが、そのうちに舌全体でぺろりと舐めていくのです。ツンとした蕾は桃色に、やがてランスロットの舌に合わせてぷっくりと膨らんでいきます。「はぁっ…はぁっ…」と、呼吸も荒くなってきて、シルヴィは身体中に伝わっていく初めての快感に悶えるのです。そして、ビクンッと大きくのけぞったあと、ふぅっと力が抜けていくのを感じていきました。それでもランスロットの舌は止まりません。また時折見せる彼の甘い微笑みが、より恥ずかしさを増していくのです。

 「…あぁ…!殿下…!もう……や…め…っ」

シルヴィの反応にランスロットも応えていき、舌はもうすでに彼女の滴る蜜を舐めとっていました。シーツもぐっしょりと濡れています。

 「これだけ濡れたら大丈夫だな。ゆっくり挿入れるから。ほぐすだけだ」

指についた蜜をチュッと舐めていくランスロット。いたずらっ子のような顔をしています。もはや彼の言葉を上手く理解できないシルヴィは、その身体をくったりとさせてランスロットのされるがままとなっていきました。もう何も考えられないでいたのです。うっとりとしていたそのとき、ランスロットの指が、シルヴィの奥に入っていきました。シルヴィの「ん…っ…あぁ…!」という声が部屋に響きます。そして、指の動きとともにくちゅくちゅとした音も聞こえてきます。ランスロットの指は何かを探しているかのように、深くなったり浅くなったりするのです。

 「シルヴィ、ここか?」

なおも悶えるシルヴィに、ランスロットは舌を絡めたキスをして、彼女の口をも塞いでいくのです。2つも同時に攻められたシルヴィは頭が真っ白になって、素直にランスロットに従うのです。

 「たくさん蜜が溢れてくるな。ここがいいんだな?」

ランスロットの言葉にシルヴィは強く頷いて、もっとしていじって欲しいと身体でねだるのです。そんなシルヴィに

 「もう一本入れるからな」

と、ランスロットは意地悪に囁き、人差し指と中指でシルヴィの奥をさらにかき混ぜていくのです。敏感な場所を探り当てられ、そこを激しく攻められたシルヴィは、身体の奥から湧き上がってくる快感にとうとう声を大きくさせていくのです。

 「い…や…っ!…殿下……!私は…もう……もう!…」

シルヴィの喘ぎ悶える表情をじっと見つめるランスロット。シルヴィは彼にしがみつき、「あぁっ!」という声とともに達してしまいました。あまりの強い快感に、身体はびっしょりと汗をかいています。素直になったシルヴィに「いい子だ」と、ランスロットは彼女の額や頬にキスをしていくのでした。

 「お前の敏感なところがまた今日もよくわかった。次からいつでもしてやるからな」

ランスロットの言葉に、返そうにも返せないシルヴィ。ニヤリとした彼の笑顔が、また彼女を困らせるのです。

 ランスロットも気が済んだのか、隠し扉の鍵をだし、名残惜しそうにシルヴィにキスをし始めました。

 「もう本当に帰らないと、侍女達が不審に思います。静かすぎると」

 「ここにいたいけどな。仕方ない」

ランスロットはそう言うと、シルヴィの頬を撫でて、胸元から取り出した一輪の花を彼女の髪に飾ったのです。

 「これは?」

 「女に会いに来るのに花くらいいるだろ。庭から摘んできた」

ランスロットは「おやすみ」と言って、隠し通路で帰って行きました。

シルヴィが鏡を見ると、髪に刺さっていたのは赤いアネモネ。花言葉は『君を愛す』です。沢山の花が咲いている庭から、ランスロットはこれを選んで持ってきたのです。片隅に咲いている赤いアネモネだけを選んで。

 ランスロットの想いはシルヴィの心に深く残り、また彼女を苦悩させるのでした。
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