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見ちゃった
しおりを挟むその夜、拓海君は寝苦しそうな声で起きた。
何だかうんうん唸ってるような感じ。
拓海君に何かあったと思って、起きて聞いてみた。
「拓海君?大丈夫?お腹痛い?」
僕は拓海君のお腹をさすってみた。
ピクッと動いた。
「…いや、大丈夫」
拓海君の顔は汗でいっぱいだった。
布団を押しのけると、胎児みたいにうずくまってた。
「もしかして食中毒かも?」
「…う…そんなんじゃない…」
「救急…」
って言いかけたところで
「もういいって」
拓海君は心配する僕にそう言って、布団を被って寝た。
「また、何かあったら呼んでね」
僕も寝直すことにした。
すると、そのすぐ1時間後くらい。
拓海君はまたもそもそしだした。
(…拓海君、やっぱりお腹いたいんだ…!)
拓海君はよろよろとベッドから這い出てトイレがある方面へと向かっていった。
そのうち帰ってくるだろうと思っていたら、帰ってこない。
僕は心配になって、拓海君の元へと向かった。
もしかして吐いてるんじゃないかなって思った。
拓海君はトイレにいなかった。
なぜか隣にある浴室からシャワーの音がした。
そおっと覗いてみると、拓海君が全裸でシャワーを浴びてた。
(汗をかいたから?何でこんな時間に…?)
翌日からは「…うっ…」っていう声が聞こえる。
僕は拓海君の不可解な行動を恐る恐る観察することにした。
そのとき、僕は見てはいけないものを見てしまった。
拓海君が自分でシてるのを。
ゆっくりしごいて、「ふーーっ」って息を吐いて白い精液を床に流していた。
シャワーの音はカムフラージュ。
僕に気付かれないようにシャワーを浴びてシていたんだ。
呆然とした僕は、馬鹿なことに拓海君に見つかってしまった。
「…何だよ、お前だって、こういう時あるだろ…?」
恥ずかしいところを見られた拓海君は、僕の目を見てくれなかった。
「ご、ごめん、デリカシーなくて」
「ほんと、困るわ」
僕は返す言葉もなく小さくなっていた。
もう夜中の2時。
「もう寝るね」
僕はベッドに戻って目を瞑った。
寝たふりをした。
反省していた。
(あーやっちゃったー!拓海君、僕、何も気にしてないよ!)
そんなことを頭の中がぐるぐると回っていた。
そうしたら、同じく寝たはずの拓海君からこんな言葉が出てきた。
「俺のこと心配してくれたのに、ごめんな」
何も返さないのは気まずいから
「おやすみ、拓海君」
って言って寝た。
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