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二人で晩御飯
しおりを挟むスーパーに着いた僕は、目当ての柔軟剤と晩御飯の材料を買った。
マンションについて早速お仕事。
まずは拓海君の洗濯物を洗うこと。
ワイシャツは全てオーダーメイドで、左腕に拓海君のイニシャルT.H.と流れるように刺繍されていた。
(ほぇ~オーダーメイドシャツっていくらするんだろ?)
洗ったシャツをベランダに干した。
白く輝くシャツにパタパタっと風がなびいていた。
さて、僕もお昼ご飯。
スーパーで買ったパンを牛乳で食べた。
そして、夕方、拓海君が帰宅する時間を見計らって、晩御飯を作り始めた。
拓海君は19時に帰ってきた。
びっくりしてた。
「お前、何だよこれ!」
「お世話になるのに申し訳ないから、せめて洗濯とご飯作ったんだ」
「マジか…」
「シャツは畳んでベッドの上に置いといたよ!」
「米、炊いたんだ」
「豚の生姜焼きも頑張ったんだよ!」
僕は得意げに拓海君に話し続けた。
すると、拓海君は黙ってしまった。
「拓海君?ごめんね、勝手なことしたかな、僕…」
「いや、そうじゃなくて」
「そうじゃなくて?」
「お前にこんなことされるなんて思ってもなかったからさ!ビビった!」
「え!そ、そうか」
やっと口を開いてくれた拓海君に、僕はホッとした。
でも、
「今度からこんなことしなくていいからな」
って厳しい口調で言われた。
「お前は家政婦じゃなくて、俺のダチだから」
拓海君が不機嫌になった理由がやっとわかった。
拓海君は僕に「風呂入ってくる」と言って浴室に向かった。
拓海君に嫌な思いをさせちゃって、少しもやもやした。
すると、拓海君は僕の方を振り返って
「ありがとな。正直、嬉しい」
って照れ笑いしてくれた。
僕の方こそごめんね、びっくりさせちゃって。
拓海君はそのあと、僕が作った豚の生姜焼きをもりもり食べてくれた。
僕もいっぱい食べた。
二人きりの晩御飯、すごく楽しかった。
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