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【別サイド】モンスターの襲撃
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「おーい、誰もおらぬのか!?」
ブラークメリル王国からロブリー以外の人間が姿を消してから数日がたった。
すでにロブリーはまともな食事もできず、その辺に放置された食材をそのまま食べるくらいしかできなかったのだ。
料理など、全て使用人たちに任せていたため、ロブリー本人がなにかを作ることなどできるわけがない。
「くそう……、経費削減のどこが間違っていたというのだ……。なぜ皆わかろうとしない……。これでは税収すら全く入ってこなくて国が滅んでしまうではないか」
ロブリーは状況を確認するために、王都内の民家にも無断で侵入した。
何軒か確認したところ、ロブリーはあることに気が付く。
「どの家も肝心な金目のものは置いたままか……。つまり、集団ボイコット的な行為とみた。いずれ帰ってくるというわけか。それまで俺はなんとか耐えていればよいだけのことか! ふん、バカなやつらめ。戻ってきたときまでに、更に経費削減の案を考えておいてやるか。俺は常に民のことを考えられる優しい国王なのだからな」
そして更に数日が経った。
♢
「うぅ……、肉が食べたい。焼き立ての魚やパンが食べたい……。もう備蓄していた食材もない……。俺を殺す気か……。いつになったらボイコットをやめて帰ってくるのだ」
ロブリーの訴えもむなしく、誰も聞いているものすらいない。
だが、ひとりぼっちのブラークメリル王国に来客が来たのだ。
空からだが。
──ドオオオオォォォォォォーーーーン!!
「な、なにごとだ!?」
爆音に驚いたロブリーは、すぐに窓越しから王都を眺めた。
すると、外にはロブリーが観たこともない、レッドドラゴンの姿があったのだ。
「な!? これがモンスター!? ばかな……。モンスターが街を襲うなど迷信だと思っていたが……」
ロブリーの訴えなど虚しく、王都は一体のモンスターによって次々と破壊されていった。
「くそう……、あの聖女イデアめ。せめて聖なる加護くらいある程度残してから国を出て行けばいいものを……。そもそもあんな聖女が国を守っていたなんて考えもしなかった……」
最後に王都の中心部、王宮へ向かってレッドドラゴンは視線をギロリと向けたのだった。
それ以降、ロブリーは後悔と責任転換したまま身体が恐怖で固まって動けなかったのだ。
──ドオオオオォォォォォォーーーーン!!
この日、ブラークメリル王国の王都は廃墟となった。
♦︎
レッドドラゴン襲来から数日後、がれきのなかに埋もれながらも辛うじて生き延びていたロブリーが脱出していた。
「くそう……あのモンスターめ……。聖女イデアがしっかりとモンスターの脅威を教えてくれていればこんなことにはならなかったというのに……。いつかあの女には仕返しを……。そのためにはまず怪我を治療して食事も摂らなければ……」
ロブリーは、ほとんど壊れた街の中を散策し、食べ物や治療薬を探す。
だが、もはやなにも残っていなかった。
「せめて……、街の外にある草や木の実を食べなくては……。こうなってはいくらでも金は出す。誰か助けてくれ……」
しかし、廃墟とかした元王都の外側には、すでに占拠されたモンスターの姿を目撃したのだった。
ロブリーは、この瞬間ようやく経費削減したせいで国外へ脱出した民衆たち、そして国を守り続けていた聖女イデアの存在がどれほど大事だったのか気がついた。
だが、すでに助けを求めにいきたくても外には出れず、廃墟した食べ物もろくにない場所で、細々と独り生きていくのだった。
ブラークメリル王国からロブリー以外の人間が姿を消してから数日がたった。
すでにロブリーはまともな食事もできず、その辺に放置された食材をそのまま食べるくらいしかできなかったのだ。
料理など、全て使用人たちに任せていたため、ロブリー本人がなにかを作ることなどできるわけがない。
「くそう……、経費削減のどこが間違っていたというのだ……。なぜ皆わかろうとしない……。これでは税収すら全く入ってこなくて国が滅んでしまうではないか」
ロブリーは状況を確認するために、王都内の民家にも無断で侵入した。
何軒か確認したところ、ロブリーはあることに気が付く。
「どの家も肝心な金目のものは置いたままか……。つまり、集団ボイコット的な行為とみた。いずれ帰ってくるというわけか。それまで俺はなんとか耐えていればよいだけのことか! ふん、バカなやつらめ。戻ってきたときまでに、更に経費削減の案を考えておいてやるか。俺は常に民のことを考えられる優しい国王なのだからな」
そして更に数日が経った。
♢
「うぅ……、肉が食べたい。焼き立ての魚やパンが食べたい……。もう備蓄していた食材もない……。俺を殺す気か……。いつになったらボイコットをやめて帰ってくるのだ」
ロブリーの訴えもむなしく、誰も聞いているものすらいない。
だが、ひとりぼっちのブラークメリル王国に来客が来たのだ。
空からだが。
──ドオオオオォォォォォォーーーーン!!
「な、なにごとだ!?」
爆音に驚いたロブリーは、すぐに窓越しから王都を眺めた。
すると、外にはロブリーが観たこともない、レッドドラゴンの姿があったのだ。
「な!? これがモンスター!? ばかな……。モンスターが街を襲うなど迷信だと思っていたが……」
ロブリーの訴えなど虚しく、王都は一体のモンスターによって次々と破壊されていった。
「くそう……、あの聖女イデアめ。せめて聖なる加護くらいある程度残してから国を出て行けばいいものを……。そもそもあんな聖女が国を守っていたなんて考えもしなかった……」
最後に王都の中心部、王宮へ向かってレッドドラゴンは視線をギロリと向けたのだった。
それ以降、ロブリーは後悔と責任転換したまま身体が恐怖で固まって動けなかったのだ。
──ドオオオオォォォォォォーーーーン!!
この日、ブラークメリル王国の王都は廃墟となった。
♦︎
レッドドラゴン襲来から数日後、がれきのなかに埋もれながらも辛うじて生き延びていたロブリーが脱出していた。
「くそう……あのモンスターめ……。聖女イデアがしっかりとモンスターの脅威を教えてくれていればこんなことにはならなかったというのに……。いつかあの女には仕返しを……。そのためにはまず怪我を治療して食事も摂らなければ……」
ロブリーは、ほとんど壊れた街の中を散策し、食べ物や治療薬を探す。
だが、もはやなにも残っていなかった。
「せめて……、街の外にある草や木の実を食べなくては……。こうなってはいくらでも金は出す。誰か助けてくれ……」
しかし、廃墟とかした元王都の外側には、すでに占拠されたモンスターの姿を目撃したのだった。
ロブリーは、この瞬間ようやく経費削減したせいで国外へ脱出した民衆たち、そして国を守り続けていた聖女イデアの存在がどれほど大事だったのか気がついた。
だが、すでに助けを求めにいきたくても外には出れず、廃墟した食べ物もろくにない場所で、細々と独り生きていくのだった。
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