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高台にある絶景の中で
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王都からはずいぶんと離れた場所に連れてこられた。
少し山を登っていたようで、王都全体を見渡すこともできる。
その上、人の気配もほとんどなく、静かな場所だ。
「ここから王都がよく見えるだろう?」
「そうですね」
「上空には素晴らしい結界もはっきりとよく見える。改めて見ると、イデアの作った結界が物凄いものだとよくわかる……。今日はイデアの結界だけ展開されて他の聖女たちは特訓に明け暮れているのだろう?」
「はい……。そうですけれど、あまり私だけを褒めないでくださいね。マリアたちもいてくれるからこそ、私の聖なる力も無理なく使えるのでこれだけ維持できるわけですから」
「そうか。キミは他の聖女たちのことも大事に思ってくれているのだな」
そう言いながらクラフト陛下は満足したような感じで微笑んでくる。
静かな雰囲気も加わっていて、とてつもなく良いムードに思ってしまう。
だが、そういう関係ではない。
私は恋に対する欲望をなんとかセーブして、聖女として冷静に話すことにした。
「クラフト陛下のおかげで、体力もだいぶ回復できました。休むというのがどれだけ大事なことなのか、よくわかりました」
「むしろ、そんなことを教えてももらえないような環境にいたとは……。どうりで最近ブラークメリル王国からの移民者が急増しているわけだ……」
「知りませんでした」
「この勢いはそれだけではないような気もする。もしかしたら、国中の人間がここへやってきているのではないかというくらいの勢いだよ」
ロブリーの政策が無茶すぎて嫌気がさしたのかもしれない。
しかも結界もない状態だろうし、いつモンスターに発見されてもおかしくない状態だ。
毎日怯えて暮らすくらいならどこかへ避難した方が無難だというのも容易に想像できる。
「それとは別として、イデアよ。今日ここに連れてきたのは理由がある」
「はい……?」
「イデアは元々ブラークメリル王国の人間だし、ここがどういう場所か知らないだろう」
「そうですね。綺麗で静かで居心地はいいなぁとは思いましたけれど」
「ここは、民衆の間ではプロポーズをする場所として有名なのだ」
「はい!?」
プロポーズするような神聖な場所に私を連れてきて何の意味があるのだろうか。
まさかではないが、将来私がここへ来たときの相手に失礼のないようわざわざ教えてくださったとも思えない。
かと言って、クラフト陛下という立場のお方が、私のような他国からきたばかりの人間にプロポーズをするなんてことも考えられないのだ。
「イデアよ、きみの周りに気遣う優しさがいい。さらに、私に対しても欲望に溺れるようなこともなく接してくれた者は初めてで嬉しかった……」
「なにを言っているのです……?」
「つまり、イデアよ。キミが欲しい」
「へ!?」
「聖女としてではない。ありのままのイデアを私のそばに置いておきたいのだ」
まさかのプロポーズをされてしまった。
少し山を登っていたようで、王都全体を見渡すこともできる。
その上、人の気配もほとんどなく、静かな場所だ。
「ここから王都がよく見えるだろう?」
「そうですね」
「上空には素晴らしい結界もはっきりとよく見える。改めて見ると、イデアの作った結界が物凄いものだとよくわかる……。今日はイデアの結界だけ展開されて他の聖女たちは特訓に明け暮れているのだろう?」
「はい……。そうですけれど、あまり私だけを褒めないでくださいね。マリアたちもいてくれるからこそ、私の聖なる力も無理なく使えるのでこれだけ維持できるわけですから」
「そうか。キミは他の聖女たちのことも大事に思ってくれているのだな」
そう言いながらクラフト陛下は満足したような感じで微笑んでくる。
静かな雰囲気も加わっていて、とてつもなく良いムードに思ってしまう。
だが、そういう関係ではない。
私は恋に対する欲望をなんとかセーブして、聖女として冷静に話すことにした。
「クラフト陛下のおかげで、体力もだいぶ回復できました。休むというのがどれだけ大事なことなのか、よくわかりました」
「むしろ、そんなことを教えてももらえないような環境にいたとは……。どうりで最近ブラークメリル王国からの移民者が急増しているわけだ……」
「知りませんでした」
「この勢いはそれだけではないような気もする。もしかしたら、国中の人間がここへやってきているのではないかというくらいの勢いだよ」
ロブリーの政策が無茶すぎて嫌気がさしたのかもしれない。
しかも結界もない状態だろうし、いつモンスターに発見されてもおかしくない状態だ。
毎日怯えて暮らすくらいならどこかへ避難した方が無難だというのも容易に想像できる。
「それとは別として、イデアよ。今日ここに連れてきたのは理由がある」
「はい……?」
「イデアは元々ブラークメリル王国の人間だし、ここがどういう場所か知らないだろう」
「そうですね。綺麗で静かで居心地はいいなぁとは思いましたけれど」
「ここは、民衆の間ではプロポーズをする場所として有名なのだ」
「はい!?」
プロポーズするような神聖な場所に私を連れてきて何の意味があるのだろうか。
まさかではないが、将来私がここへ来たときの相手に失礼のないようわざわざ教えてくださったとも思えない。
かと言って、クラフト陛下という立場のお方が、私のような他国からきたばかりの人間にプロポーズをするなんてことも考えられないのだ。
「イデアよ、きみの周りに気遣う優しさがいい。さらに、私に対しても欲望に溺れるようなこともなく接してくれた者は初めてで嬉しかった……」
「なにを言っているのです……?」
「つまり、イデアよ。キミが欲しい」
「へ!?」
「聖女としてではない。ありのままのイデアを私のそばに置いておきたいのだ」
まさかのプロポーズをされてしまった。
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