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再会してしまった
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故郷へ帰ってきた。
挨拶もしたいところだが、先にダンジョンへ入ることになった。
どうせならば先にダンジョン探索を終えてから里帰り挨拶をしたほうが、何かと都合がいい。
本来ならば先に挨拶するべきなのかもしれないけれど。
だが、私は迷っていた。
ライムハルト殿下との婚約の件で、現状は保留状態である。
旅の道中でも、このお方だったらいいかもしれないと何度も思っていた。
ダンジョンで一緒に行動をしてハッキリと決めたいと思っているのだ。
ならばお父様に挨拶するときに、婚約するか断るか同時に伝えた方がいいかと考えている。
「さて、準備はよろしいかな?」
「はい」
馬車はギルドに預け、徒歩でダンジョンへ向かう。
食料と飲料、それから私は着替えだけを大きな鞄に入れている。
薬草や解毒剤は私の魔法で代用が効くし、帰りはモンスターがドロップしたアイテムが大量なので、最小限に留めてある。
「ではあとは私だな、すまぬ。用をたしてくるので少々待っててほしい」
「ごゆっくりと」
ライムハルト殿下が奥の個室へ向かった。
私が待っているタイミングで、別の方面から声をかけられた。
聞き覚えのある声だ。
「やあ……、ソフィア」
久しぶりに会ったが、ダルムの顔色があまりよろしくはない。
少しやつれているようにも見える。
「あら、ファイスレットさん、こんにちは」
「おいおい、ダルムと呼んでくれないのか?」
「そうですね。もう私たちは何の関係もありませんからね」
婚約破棄を宣言してきて追放してきたダルム相手にもはや名前で呼ぶつもりはない。
家名で呼ばせていただき、他人行儀でいいだろう。
「なんだ、やはり王子にパーティーを捨てられて帰ってきたというわけか。同情するよ」
「え? 違いますけど」
「無理して意地を張らなくともいい。おかげで少し元気が出たから」
失礼な男だ。
パーティーを追放されて喜ぶなんて性格が悪すぎる。
嫌味なのはわかっているが、私にとっては彼の発言など耳にすら入らないので気にしないけど。
「それよりも、慰謝料はしっかりとエンブレム家にお支払い済みでしょうか?」
「その……まだなんだ。ギルドの任務がうまくいかない……最近調子が悪くてな」
「そうですか、頑張ってくださいね」
幼馴染だとも思いたくないので、心を鬼にして彼を突き放した。
「すまないが、もう少し待って欲しい。調子が戻り次第ダンジョンで稼ぐから」
「いつ調子が戻るのでしょうか? 私から見ると、不調ではなく、これが本来の実力かと存じますが」
「そんなわけない! 俺はソフィアよりも力はあるし、ミーンの魔力だってお前より優れているのだからな」
どこからこれほどの自信が湧いてくるのだろうか。
己の実力を理解しないで高難易度ダンジョンや依頼を受けたら危険だ。
命に関わるぞ……。
ライムハルト殿下が戻ったら、しっかりと伝えた方がいいかもしれないな。
ダルム達の実力は駆け出し冒険者クラスが適切だと。
「そうだ、ソフィアよ。俺と腕相撲をしないか?」
「え、お断りします」
「怖いのか?」
「そうですね。異性の人間と無闇に手を触れたくありませんから」
「ぐぅう!!」
ダルムが悔しそうにしていた。
明らかに彼の狙いは私の身体だということがわかっていたのだ。
勝ち負けなどどうでもいいから触りたいとだけ考えているのだろう。
挨拶もしたいところだが、先にダンジョンへ入ることになった。
どうせならば先にダンジョン探索を終えてから里帰り挨拶をしたほうが、何かと都合がいい。
本来ならば先に挨拶するべきなのかもしれないけれど。
だが、私は迷っていた。
ライムハルト殿下との婚約の件で、現状は保留状態である。
旅の道中でも、このお方だったらいいかもしれないと何度も思っていた。
ダンジョンで一緒に行動をしてハッキリと決めたいと思っているのだ。
ならばお父様に挨拶するときに、婚約するか断るか同時に伝えた方がいいかと考えている。
「さて、準備はよろしいかな?」
「はい」
馬車はギルドに預け、徒歩でダンジョンへ向かう。
食料と飲料、それから私は着替えだけを大きな鞄に入れている。
薬草や解毒剤は私の魔法で代用が効くし、帰りはモンスターがドロップしたアイテムが大量なので、最小限に留めてある。
「ではあとは私だな、すまぬ。用をたしてくるので少々待っててほしい」
「ごゆっくりと」
ライムハルト殿下が奥の個室へ向かった。
私が待っているタイミングで、別の方面から声をかけられた。
聞き覚えのある声だ。
「やあ……、ソフィア」
久しぶりに会ったが、ダルムの顔色があまりよろしくはない。
少しやつれているようにも見える。
「あら、ファイスレットさん、こんにちは」
「おいおい、ダルムと呼んでくれないのか?」
「そうですね。もう私たちは何の関係もありませんからね」
婚約破棄を宣言してきて追放してきたダルム相手にもはや名前で呼ぶつもりはない。
家名で呼ばせていただき、他人行儀でいいだろう。
「なんだ、やはり王子にパーティーを捨てられて帰ってきたというわけか。同情するよ」
「え? 違いますけど」
「無理して意地を張らなくともいい。おかげで少し元気が出たから」
失礼な男だ。
パーティーを追放されて喜ぶなんて性格が悪すぎる。
嫌味なのはわかっているが、私にとっては彼の発言など耳にすら入らないので気にしないけど。
「それよりも、慰謝料はしっかりとエンブレム家にお支払い済みでしょうか?」
「その……まだなんだ。ギルドの任務がうまくいかない……最近調子が悪くてな」
「そうですか、頑張ってくださいね」
幼馴染だとも思いたくないので、心を鬼にして彼を突き放した。
「すまないが、もう少し待って欲しい。調子が戻り次第ダンジョンで稼ぐから」
「いつ調子が戻るのでしょうか? 私から見ると、不調ではなく、これが本来の実力かと存じますが」
「そんなわけない! 俺はソフィアよりも力はあるし、ミーンの魔力だってお前より優れているのだからな」
どこからこれほどの自信が湧いてくるのだろうか。
己の実力を理解しないで高難易度ダンジョンや依頼を受けたら危険だ。
命に関わるぞ……。
ライムハルト殿下が戻ったら、しっかりと伝えた方がいいかもしれないな。
ダルム達の実力は駆け出し冒険者クラスが適切だと。
「そうだ、ソフィアよ。俺と腕相撲をしないか?」
「え、お断りします」
「怖いのか?」
「そうですね。異性の人間と無闇に手を触れたくありませんから」
「ぐぅう!!」
ダルムが悔しそうにしていた。
明らかに彼の狙いは私の身体だということがわかっていたのだ。
勝ち負けなどどうでもいいから触りたいとだけ考えているのだろう。
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