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ギルド長を連れてきた

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「なんでそんな驚いてんの?」
「当たり前でしょう!! ライムハルト殿下が私をパーティーにお誘いくださっただなんて信じられなくて」
「え? 別におかしくないしあり得る話だと思うんだけど」

 アーニャは当然だといったような表情をしていた。
 流石に過大評価しすぎだろう……。
 私としても、ライムハルト殿下のお荷物になってしまっては申し訳ないと思っている。

 ここはやはりお断りを……いや、このことを知ってしまってから断ったらむしろ失礼か。
 お会いして私の力を見てもらって、大したことないと思っていただいて断ってもらえばいいんだ。
 そうしよう!

「お会いする前に、ライムハルト殿下に伝えておいてほしいことがあるんだけどできる?」
「うん、なんでも言ってー!」
「もしも私の力が大したことないと見限ったら遠慮なく断って良いですと」

 それを真剣な顔をして伝えたら、アーニャはクスクスと笑い出した。

「伝えるけど、そんなことにはならないって。もっと自分の力を高く評価した方がいいって!」
「うーん……、どうもそればっかりは」

「もう、ソフィーったらしょうがないな……ちょっと待ってて! ギルド長に確認してくるから!」

 そう言ってアーニャは一目散に裏の部屋へと消えていった。
 しばらく待っていると、アーニャと一緒にここのギルド長が奥の部屋から出てきた。
 何度か挨拶をしたことはあるが、ガタイの良さとモヒカンというヘアスタイルから、如何にもギルドのボスといった雰囲気を毎回感じさせられる。

「まさかソフィアがパーティーを強制的にクビにさせられるとは……。驚いたぞ」

 どうやらアーニャは先に何があったか伝えてくれたらしい。
 ギルド職員には仕事柄全員に伝わることだけど。

「で、率直に聞くが、ソフィアの能力が自分ではそんなに高くないと?」
「今まで三流冒険者の依頼しかしませんでしたので」
「ライムハルト殿下が募集してきた件を考えてくれている件は、先程アーニャから聞いた。ソフィアが引き受けてくれるのなら当ギルドとしてもこれほど名誉なことはそうそうない」
「は……はぁ」
「だがソフィアが自身の力を過小評価している件は問題だ。そこで、今回は特例としてギルド管理で使用しているある魔道具を見せることにする」

 うわ、これ完全に特別扱いされていないか?
 大丈夫なのだろうか。
 少し心配になってきた。
 その反面、ギルド職員の魔道具を見れることにワクワクしている。
 断る必要はない……かな。

「ギルド登録の際にやってもらったとは思うが、もう一度これを握ってくれ」
「これですか……?」
「そうだ」

 冒険者登録する際に全員持たされる丸いボールだ。
 このボールを手に持って力を入れずに握る。
 しばらくしてからギルド職員にそのまま返すというものである。
 このボールに冒険者の情報が入るらしいが、私が知っているのはそこまでだ。

 言われたとおりにボールを右手で握ってしばらく待ち、ギルド長に返す。

「本来はここでギルド職員が管理するものだが、今回は特例でソフィアに詳細情報を見せよう」

 ここでは問題があるということで、私はギルド職員専用の部屋へと案内された。
 これだけでも物凄いレアな体験で、正直言って嬉しいしドキドキワクワクしている。
 その上、何を見せてくれるのだろうか。
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