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15話 レイチェルは新公国の名前をポンコツでも考える
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「みなが住めるようになったということは、やはりこの辺境地にも公国として名前が必要になってくるだろう。なにか案はあるか?」
「それはアルジェントが決めてくださいよ」
「いや、環境を大きく変えてくれたレイチェルたちに決めてもらいたい」
まるで私も公国の管理をしてしまっているように見えるが、良いのだろうか……。
この辺境地には誰もいないから好き勝手にして良いのかと思っていた。
だが、アルジェントが管理していることが分かってからは、勝手なことはしてはいけない。
管理主様の意向に従うべきかと思っていた。
だが、アルジェントはそうではなく、むしろ私たちと一緒に国を作っていこうと考えてくださっているように思えてきた。
こんなに優しく温情もあるお方と一緒なら、より良い楽園になりそうだと期待してしまう。
そんな期待も込めて……。
「植物と人間のワイワイ楽しくのんびり楽園な公国……どうでしょうか?」
アルジェントは苦笑いをしながら固まり、植物たちからも文句が飛び交う。
私のネーミングセンスの無さがもろに出てしまったようだ……。
『レイチェル様ぁ、ボクたちに名前をそのまんま与えたりするくらいだから、予想はしていたんですけどね』
『いやはや、レイチェル殿もなんでも完璧というわけではありませんな……』
ザッソウとカシノキが呆れながら残念そうにしていた。
どんな名前をつければ良いのか本当にわからない。
なにか良い名前をもう一度考えなければ……。
「ワイワイ公国? いや、これだと賑やかなイメージが……。あ、植物と人間の楽園公国。へ? これもダメ? うーーーーん……。決められませんよ……」
「はっはっは……、まぁレイチェルがどのような公国にしたいかという趣旨は理解した。俺も全く同感だから嬉しいよ」
「ありがとうございます、ありがとうございます!」
なぜか二度お礼を言ってしまった。
ネーミングセンスだめだめな私を必死にフォローしてくださっているに違いない。
そう思っていたが、アルジェントは嫌な顔など一度もしていなかった。
「シンプルに『人と植物が協力していく楽園を目指す』というコンセプトとして、『フォラント公国というのはどうだろうか』?」
その名前を聞いた瞬間、私は感動してしまった。
私では決して思いつくようのないネーミングセンス!
「さすがです! 良い名前だと思います」
「なぁに、レイチェルのイメージがあったから思いついたまでだよ」
この公国をみんなで協力してより良い場所にしていきたい。
私は前よりも一層そう思った。
だが、ひとつだけ問題もある。
どうしたらいいものか……。
ーーーーーーーーーー
【ちょっと長い後書き】
よどら文鳥です。
本作をお読みくださりありがとうございます。
独自の空想世界観をモロ出ししていたので、どうかなぁ~と思っていましたが、想定していた以上にたくさんの読者様に読まれていてびっくりしています。
さて、今話でレイチェルたちが住む辺境地が独立した国として、名前を作りました。
レイチェルが発言した国の名前は、作者がこれにしようかなぁあれにしようかなぁと考えていた名前をそのまんま載せてます(笑)わたくし、ネーミングセンスが無いもので……。
そこで、今回はSNSで国名は、なにがいいかなぁと募集しちゃいました。
『うららぎ』様が考えてくださった、フォラント公国を使わさせていただきます。ありがとうございます!(本人に名前載せて良いかどうかは確認済みです)
一緒に国の名前考えてくださった方々にも感謝です。
引き続きどうぞ植物たちと活躍するお話をよろしくお願いいたします。
「それはアルジェントが決めてくださいよ」
「いや、環境を大きく変えてくれたレイチェルたちに決めてもらいたい」
まるで私も公国の管理をしてしまっているように見えるが、良いのだろうか……。
この辺境地には誰もいないから好き勝手にして良いのかと思っていた。
だが、アルジェントが管理していることが分かってからは、勝手なことはしてはいけない。
管理主様の意向に従うべきかと思っていた。
だが、アルジェントはそうではなく、むしろ私たちと一緒に国を作っていこうと考えてくださっているように思えてきた。
こんなに優しく温情もあるお方と一緒なら、より良い楽園になりそうだと期待してしまう。
そんな期待も込めて……。
「植物と人間のワイワイ楽しくのんびり楽園な公国……どうでしょうか?」
アルジェントは苦笑いをしながら固まり、植物たちからも文句が飛び交う。
私のネーミングセンスの無さがもろに出てしまったようだ……。
『レイチェル様ぁ、ボクたちに名前をそのまんま与えたりするくらいだから、予想はしていたんですけどね』
『いやはや、レイチェル殿もなんでも完璧というわけではありませんな……』
ザッソウとカシノキが呆れながら残念そうにしていた。
どんな名前をつければ良いのか本当にわからない。
なにか良い名前をもう一度考えなければ……。
「ワイワイ公国? いや、これだと賑やかなイメージが……。あ、植物と人間の楽園公国。へ? これもダメ? うーーーーん……。決められませんよ……」
「はっはっは……、まぁレイチェルがどのような公国にしたいかという趣旨は理解した。俺も全く同感だから嬉しいよ」
「ありがとうございます、ありがとうございます!」
なぜか二度お礼を言ってしまった。
ネーミングセンスだめだめな私を必死にフォローしてくださっているに違いない。
そう思っていたが、アルジェントは嫌な顔など一度もしていなかった。
「シンプルに『人と植物が協力していく楽園を目指す』というコンセプトとして、『フォラント公国というのはどうだろうか』?」
その名前を聞いた瞬間、私は感動してしまった。
私では決して思いつくようのないネーミングセンス!
「さすがです! 良い名前だと思います」
「なぁに、レイチェルのイメージがあったから思いついたまでだよ」
この公国をみんなで協力してより良い場所にしていきたい。
私は前よりも一層そう思った。
だが、ひとつだけ問題もある。
どうしたらいいものか……。
ーーーーーーーーーー
【ちょっと長い後書き】
よどら文鳥です。
本作をお読みくださりありがとうございます。
独自の空想世界観をモロ出ししていたので、どうかなぁ~と思っていましたが、想定していた以上にたくさんの読者様に読まれていてびっくりしています。
さて、今話でレイチェルたちが住む辺境地が独立した国として、名前を作りました。
レイチェルが発言した国の名前は、作者がこれにしようかなぁあれにしようかなぁと考えていた名前をそのまんま載せてます(笑)わたくし、ネーミングセンスが無いもので……。
そこで、今回はSNSで国名は、なにがいいかなぁと募集しちゃいました。
『うららぎ』様が考えてくださった、フォラント公国を使わさせていただきます。ありがとうございます!(本人に名前載せて良いかどうかは確認済みです)
一緒に国の名前考えてくださった方々にも感謝です。
引き続きどうぞ植物たちと活躍するお話をよろしくお願いいたします。
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