15 / 19
15 油断しました
しおりを挟む
全員を縛ったままギルドへ連行しました。
ずっと引きずっていたので、流石に痛かったかもしれませんが、これからの罰と比べれば大したことはないでしょう。
「く……くそう……どうして俺がこんな目に」
「私はちょっと不倫しただけじゃないの。どうしてこんな酷い扱いをされるのよ!」
犯罪を誤魔化そうとして、更に犯罪をしてしまう人のいい例ですね。
仕組んだのは私かもしれませんが……。
とはいえ、財産を盗まれた被害者ですし、勝手に罪を犯していったのは彼らですからね。
「ザグレームとシャーラよ、私は第一王子のレオンと申す。此度の其方らの行い、しかと見届けていたが、何か言いたいことはあるか?」
「殿下! 私は、元々横にいるシャーラと愛人関係で不倫をしていました。裁判で慰謝料を請求され、怖くなって逃げただけのことなのです!」
「わ……私だってちょっと不倫しただけなのですわ。それにそっちの三人とはなんの関係もないんですよー。決して爆弾に関与していませんので!」
「ほう、私はまだ爆弾の話はしていないが……なぜ知っているのだ?」
「あ……」
シャーラが自滅してしまいました。
どちらにしても、何を言っても情状酌量の余地はないかと思いますが……。
「話にならん、そちらの三人共々牢獄へ連れていけ。五人とも魔獣の餌の刑になるのは間違いないだろう」
「「な……!?」」
これで解決ですね。
十人がかりで警備兵が連行していきます。
しかし、私の悪い癖で油断していました。
「どうせ死ぬなら最後の手段だ……! ゴニョゴニョゴニョ……」
聞き取れませんでしたが、ザグレームの妙な発言の後、彼の足元からカチッカチッと不気味な音が鳴り始めました。
「何をした!?」
警備兵が慌ててザグレームの全身を拘束し、足元を調べたところ、服の中から時限爆弾を発見してしまいました。
「使い方を教えてもらってたから操作はできるようにしていたからな……。これで俺たちを馬鹿にして罪を重くしたお前たちも一緒にドカンだ。こんな建物も近くにある王宮も木っ端微塵だろう。残り四分ちょいでドカンだ」
なんということでしょうか。
時限爆弾のことを知っていながらしっかりと確認しなかった私の責任でしょう……。
せっかく詰みまでもっていったのに形勢逆転されてしまったようです。
油断のしすぎでこんなことに……。
ずっと引きずっていたので、流石に痛かったかもしれませんが、これからの罰と比べれば大したことはないでしょう。
「く……くそう……どうして俺がこんな目に」
「私はちょっと不倫しただけじゃないの。どうしてこんな酷い扱いをされるのよ!」
犯罪を誤魔化そうとして、更に犯罪をしてしまう人のいい例ですね。
仕組んだのは私かもしれませんが……。
とはいえ、財産を盗まれた被害者ですし、勝手に罪を犯していったのは彼らですからね。
「ザグレームとシャーラよ、私は第一王子のレオンと申す。此度の其方らの行い、しかと見届けていたが、何か言いたいことはあるか?」
「殿下! 私は、元々横にいるシャーラと愛人関係で不倫をしていました。裁判で慰謝料を請求され、怖くなって逃げただけのことなのです!」
「わ……私だってちょっと不倫しただけなのですわ。それにそっちの三人とはなんの関係もないんですよー。決して爆弾に関与していませんので!」
「ほう、私はまだ爆弾の話はしていないが……なぜ知っているのだ?」
「あ……」
シャーラが自滅してしまいました。
どちらにしても、何を言っても情状酌量の余地はないかと思いますが……。
「話にならん、そちらの三人共々牢獄へ連れていけ。五人とも魔獣の餌の刑になるのは間違いないだろう」
「「な……!?」」
これで解決ですね。
十人がかりで警備兵が連行していきます。
しかし、私の悪い癖で油断していました。
「どうせ死ぬなら最後の手段だ……! ゴニョゴニョゴニョ……」
聞き取れませんでしたが、ザグレームの妙な発言の後、彼の足元からカチッカチッと不気味な音が鳴り始めました。
「何をした!?」
警備兵が慌ててザグレームの全身を拘束し、足元を調べたところ、服の中から時限爆弾を発見してしまいました。
「使い方を教えてもらってたから操作はできるようにしていたからな……。これで俺たちを馬鹿にして罪を重くしたお前たちも一緒にドカンだ。こんな建物も近くにある王宮も木っ端微塵だろう。残り四分ちょいでドカンだ」
なんということでしょうか。
時限爆弾のことを知っていながらしっかりと確認しなかった私の責任でしょう……。
せっかく詰みまでもっていったのに形勢逆転されてしまったようです。
油断のしすぎでこんなことに……。
1
お気に入りに追加
1,039
あなたにおすすめの小説
【完結】妹が旦那様とキスしていたのを見たのが十日前
地鶏
恋愛
私、アリシア・ブルームは順風満帆な人生を送っていた。
あの日、私の婚約者であるライア様と私の妹が濃厚なキスを交わすあの場面をみるまでは……。
私の気持ちを裏切り、弄んだ二人を、私は許さない。
アリシア・ブルームの復讐が始まる。
完結 勇者様、己の実力だといつから勘違いしてたんですか?
音爽(ネソウ)
恋愛
勇者だと持ち上げられた彼はこれまでの功績すべてが自分のものと思い込む。
たしかに前衛に立つ彼は目立つ存在だった、しかしペアを組んだ彼女がいてこそなのだが……。
入り婿予定の婚約者はハーレムを作りたいらしい
音爽(ネソウ)
恋愛
「お前の家は公爵だ、金なんて腐るほどあるだろ使ってやるよ。将来は家を継いでやるんだ文句は言わせない!」
「何を言ってるの……呆れたわ」
夢を見るのは勝手だがそんなこと許されるわけがないと席をたった。
背を向けて去る私に向かって「絶対叶えてやる!愛人100人作ってやるからな!」そう宣った。
愚かなルーファの行為はエスカレートしていき、ある事件を起こす。
婚約破棄をされて魔導図書館の運営からも外されたのに今さら私が協力すると思っているんですか?絶対に協力なんてしませんよ!
しまうま弁当
恋愛
ユーゲルス公爵家の跡取りベルタスとの婚約していたメルティだったが、婚約者のベルタスから突然の婚約破棄を突き付けられたのだった。しかもベルタスと一緒に現れた同級生のミーシャに正妻の座に加えて魔導司書の座まで奪われてしまう。罵声を浴びせられ罪まで擦り付けられたメルティは婚約破棄を受け入れ公爵家を去る事にしたのでした。メルティがいなくなって大喜びしていたベルタスとミーシャであったが魔導図書館の設立をしなければならなくなり、それに伴いどんどん歯車が狂っていく。ベルタスとミーシャはメルティがいなくなったツケをドンドン支払わなければならなくなるのでした。
屋敷のバルコニーから突き落とされて死んだはずの私、実は生きていました。犯人は伯爵。人生のドン底に突き落として社会的に抹殺します。
夜桜
恋愛
【正式タイトル】
屋敷のバルコニーから突き落とされて死んだはずの私、実は生きていました。犯人は伯爵。人生のドン底に突き落として社会的に抹殺します。
~婚約破棄ですか? 構いません!
田舎令嬢は後に憧れの公爵様に拾われ、幸せに生きるようです~
(完結)ギャラット王太子様、私を捨てて下さってありがとうございます!
青空一夏
恋愛
王太子妃候補者3人のうちの一人が私、マリアン・ハワード。王太子妃になりたくて必死で努力してきた私には、幼い頃から遊ぶ暇もなかった。けれど王太子ギャラット様は優しく私を励ましてくださった。
「マリアンが一番王太子妃に相応しいと思う。君だけを愛しているよ。未来永劫、俺の愛は変わらない」と。
ところが私は隣国で蔓延していた流行病になぜか感染してしまう。途端にギャラット・ステビア王太子殿下の様子が変わり、
「お前は追放だ、追放! さっさと俺の国から出て行け! おぞましい病原菌を抱えた汚物め! お前など王太子妃になるどころかステビア王国にいることすら汚らわしい!」
一転して私にそう言い放ち、病ですっかり憔悴している私を隣国との国境近くに文字通り投げ捨てさせたのである。
あとから他の王太子妃候補の女性達にも同じような甘い言葉を囁いていたこともわかって・・・・・・ギャラット・ステビア王太子は八方美人の浮気者だったことに気がついたのだった。
ハワード公爵であるお父様は庇ってもくれずに、私をばい菌扱い。
そんな私を救ってくれたのは隣国のロラン・マスカレード王太子殿下。隣国では流行病に対応する特効薬がすでにできていて・・・・・・
※ざまぁ・ゆるふわ設定・異世界
(完)妹の婚約者を誘惑したと言うけれど、その彼にそんな価値がありますか?
青空一夏
恋愛
私が7歳の頃にお母様は亡くなった。その後すぐにお父様の後妻のオードリーがやって来て、まもなく義理の妹のエラが生まれた。そこから、メイドのような生活をさせられてきたが特に不満はなかった。
けれど、私は、妹の婚約者のライアン様に愛人になれと言われ押し倒される。
横っ面を叩き、急所を蹴り上げたが、妹に見られて義理の母とお父様に勘当された。
「男を誘惑するのが好きならそういう所に行けばいい」と言われ、わずかなお金と仕事の紹介状をもたされた私が着いたのは娼館だった。鬼畜なお父様達には、いつかお返しをしてあげましょう。
追い出された時に渡された手紙には秘密があって・・・・・・そこから、私の人生が大きくかわるのだった。
冷めた大人っぽいヒロインが、無自覚に愛されて幸せになっていくシンデレラストーリー。
残酷と思われるシーンや、気持ち悪く感じるシーンがあるお話には★がついております。
ご注意なさってお読みください。
読者様のリクエストによりエンジェル王太子の結婚を加筆しました。(5/12)
(完結)王太子妃の苦悩ーーなぜ私は王太子が嫌いになれないのでしょう?
青空一夏
恋愛
私はリオナ。ダックワース公爵家の長女でクラーク王太子殿下の婚約者だ。幼い頃から王太子を支えるようにと厳しい教育を受けてきたわ。
けれどクラーク王太子殿下は怠け者でなんの努力もなさらない。浮気もすれば愛人も作るという辛い仕打ちを私は受けるのだけれど、なぜか私はクラーク王太子殿下を嫌いになれないの。
なぜなのかしら? それはもちろん幼い頃から自分を犠牲にしてクラーク王太子殿下を支えるように言い含められているからだと思うけれど。
なにを言われても恋しい気持ちが消えてくれない。なぜなら・・・・・・
※作者独自の異世界で史実には一切基づいておりません。
※ゆるふわ・ご都合主義でお話が展開していきます。
※途中タグの追加・削除などあり得ます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる