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【前書き】
※おまけのラスト回です。
(注意) 作中に書いてある行為を、現実世界で行った場合、命に関わるような危険行為になる描写が含まれていますが、作中の内容はあくまでフィクションです。
ーーーーーーーーーー
空気の循環が悪い密室の中で生ゴミを大量に放置していたら生まれてしまっても仕方ありませんよ。
それにしてもよくそんな臭そうな部屋で寝られますね。尊敬してしまいます。
「旦那様、トイレの最中申し訳ありませんが、なぜクローゼットの中に生ゴミがあるのですか!?」
「うるさい! トイレに集中させてくれ! 私とてトイレに真剣なんだぞ! とにかく退治は任せる!」
たとえ旦那様が愛人を連れてこなかったとしても、遅かれ離婚を少しは考えていたんじゃないでしょうか。
全く頼りになりませんし、いざというときに逃げ腰です。
「ルフナ様! 店に売ってる在庫全部買ってきました! 20本あればなんとかなるでしょう! しかも一番強力なやつ!」
買い占めないでください。他に必要な方がいたら迷惑でしょう……。しかし、今はこれを全て使ってでも倒さなくてはいけませんからね。
「レミファよくやった! 大至急、買ってきてもらったスプレー全てを使い部屋中に吹きかける」(※大量使用は人体に影響が出たり火事になる危険があるかもしれないので、よい読者様は真似しないでください。当小説はあくまでフィクションです)
♢
数時間後、部屋中に充満した異臭で、ゴッキーレジェンドは間違いなく討伐できたかと思います。
ソラシさんが厳重な防護服を着用の上、残骸の処理と、原因となった生ゴミの処理を行いました。
「ふぅ……これで全て片付いたかと思われますので、窓を開け空気を入れ替えておきますね。全く……恐るべき相手でした」
「ありがとうございます……助かりました」
「いえ、当然のことですので、それよりも、後でトイレに入っている者に話があります」
忘れていました。
私達が一階に降りないと出てこれませんよね。クミンさんも一緒なのですから。
「旦那様、ソラシさんとレミファさんのおかげで駆除は終わりました。私たちは一階でお茶を飲んでいますのでよかったら一緒にいかがですか?」
「いや、私はいい。とにかく駆除が済んだならさっさと下に行ってくれ。トイレの前にいられると困る! 音とか聞かれたくない!」
バレバレの嘘ですが、ここは素直に従っておきます。今日は疲れましたからね。
旦那様が部屋に戻るのを確認したあと、ソラシさんは物凄く怒った顔をして旦那様の部屋へ向かいノックをしました。
きっとお説教でしょう。
盗聴器で聞いてみましょうか。
『カルダモン様! あなたって方は、どうして生ゴミをクローゼットの中に捨てるのですか!? ゴミはゴミ箱へ! これ常識! 教科書に書いてなくてもそれくらい理解してください!』
『は……はい……』
『たまたま私がいたからよかったんものの……もしあなたとルフナ様二人だけだったらどうするのですか!?』
『ルフナは精神的に強いから任せればいいかと……』
『自分で撒いた種は自分で始末するように!』
『は……はい……』
『ガミガミガミガミガミガミガミガミ──』
それから約一時間。ソラシさんの説教は続いていました。
流石に旦那様も懲りたでしょうか。
まだクミンさんのクローゼット生活は続きますからね。
念のためにクローゼット用のゴミ箱を用意しておきましょう。
--------------------------
【後書き】
いつも読んでいただき、温かい感想や誤字報告もいただけて嬉しいです。
ありがとうございます。
本日投稿した新作のお知らせです。
新作『順序を守り過ぎる婚約者から、婚約破棄されました。~幼馴染と先に婚約してたって……五歳のおままごとで誓った婚約も有効なんですか?~』
こちらも宜しくお願い致します。
※おまけのラスト回です。
(注意) 作中に書いてある行為を、現実世界で行った場合、命に関わるような危険行為になる描写が含まれていますが、作中の内容はあくまでフィクションです。
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空気の循環が悪い密室の中で生ゴミを大量に放置していたら生まれてしまっても仕方ありませんよ。
それにしてもよくそんな臭そうな部屋で寝られますね。尊敬してしまいます。
「旦那様、トイレの最中申し訳ありませんが、なぜクローゼットの中に生ゴミがあるのですか!?」
「うるさい! トイレに集中させてくれ! 私とてトイレに真剣なんだぞ! とにかく退治は任せる!」
たとえ旦那様が愛人を連れてこなかったとしても、遅かれ離婚を少しは考えていたんじゃないでしょうか。
全く頼りになりませんし、いざというときに逃げ腰です。
「ルフナ様! 店に売ってる在庫全部買ってきました! 20本あればなんとかなるでしょう! しかも一番強力なやつ!」
買い占めないでください。他に必要な方がいたら迷惑でしょう……。しかし、今はこれを全て使ってでも倒さなくてはいけませんからね。
「レミファよくやった! 大至急、買ってきてもらったスプレー全てを使い部屋中に吹きかける」(※大量使用は人体に影響が出たり火事になる危険があるかもしれないので、よい読者様は真似しないでください。当小説はあくまでフィクションです)
♢
数時間後、部屋中に充満した異臭で、ゴッキーレジェンドは間違いなく討伐できたかと思います。
ソラシさんが厳重な防護服を着用の上、残骸の処理と、原因となった生ゴミの処理を行いました。
「ふぅ……これで全て片付いたかと思われますので、窓を開け空気を入れ替えておきますね。全く……恐るべき相手でした」
「ありがとうございます……助かりました」
「いえ、当然のことですので、それよりも、後でトイレに入っている者に話があります」
忘れていました。
私達が一階に降りないと出てこれませんよね。クミンさんも一緒なのですから。
「旦那様、ソラシさんとレミファさんのおかげで駆除は終わりました。私たちは一階でお茶を飲んでいますのでよかったら一緒にいかがですか?」
「いや、私はいい。とにかく駆除が済んだならさっさと下に行ってくれ。トイレの前にいられると困る! 音とか聞かれたくない!」
バレバレの嘘ですが、ここは素直に従っておきます。今日は疲れましたからね。
旦那様が部屋に戻るのを確認したあと、ソラシさんは物凄く怒った顔をして旦那様の部屋へ向かいノックをしました。
きっとお説教でしょう。
盗聴器で聞いてみましょうか。
『カルダモン様! あなたって方は、どうして生ゴミをクローゼットの中に捨てるのですか!? ゴミはゴミ箱へ! これ常識! 教科書に書いてなくてもそれくらい理解してください!』
『は……はい……』
『たまたま私がいたからよかったんものの……もしあなたとルフナ様二人だけだったらどうするのですか!?』
『ルフナは精神的に強いから任せればいいかと……』
『自分で撒いた種は自分で始末するように!』
『は……はい……』
『ガミガミガミガミガミガミガミガミ──』
それから約一時間。ソラシさんの説教は続いていました。
流石に旦那様も懲りたでしょうか。
まだクミンさんのクローゼット生活は続きますからね。
念のためにクローゼット用のゴミ箱を用意しておきましょう。
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【後書き】
いつも読んでいただき、温かい感想や誤字報告もいただけて嬉しいです。
ありがとうございます。
本日投稿した新作のお知らせです。
新作『順序を守り過ぎる婚約者から、婚約破棄されました。~幼馴染と先に婚約してたって……五歳のおままごとで誓った婚約も有効なんですか?~』
こちらも宜しくお願い致します。
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