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26 最終話
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ハーベストとシャロンが入籍してしまった翌日、私は義兄様にどういうことなのか問いただした。
「流石にやり過ぎかと思いますけど……」
「何を言っているのだ? 国の法律と比べてもまだ軽いくらいだぞ」
殺人未遂、長年続けた詐欺、暴言と暴行どれもシャロンさんと家族の罪は重いことくらいは分かる。
ただ、ハーベストに関しては無知だっただけで、不倫行為をしただけの気がするのだが。
「そもそも婚約をしていながら不倫行為を行えば、貴族としての資格など剥奪。おまけにお家潰しに慰謝料としては一萬紙幣十万枚を下ることはないだろう。それに加え、家族がジュリエルを殺そうとまでしたのだ。やり過ぎどころか軽いと思うがな。それに、国に対しての裏切り行為の数々は放って置けないし、その理由が仮病などというふざけたものだ。俺や公爵様が許せると思うか?」
「まぁ……そうですけどね……」
「それよりも、危険な目に合わせてすまなかったな。今回の罰にするためにはどうしても婚約破棄以上の証拠や悪事を暴く必要があったのでジュリエルを囮にするようなことになってしまって……。俺がジュリエルとあの男の婚約をしっかりと反対していればこんなことにはならなかった……」
「それは仕方がないことかと。こうやって私に平和が訪れたことは、義兄様や公爵様たちが動いていただけたおかげですので……何かお礼がしたいのですが」
「ほう、ならば、俺と手を繋いでデートをしたい。幼少期の頃仲良く手を繋いでいた頃のように……」
私の心拍数が急上昇したことは間違いない。
顔も赤くなってしまっているだろう……。
なぜか義兄様に言われたことが、とても嬉しかった。
「またそうやって冗談を……そんなお礼でいいのですか?」
「充分だ。早速手を……」
え、もうデートを始めるというのか。
私はドキドキしながらも義兄様の手を握る。
数日前に命の危険から助けてもらった時は自分のことで精一杯で何も考えられなかった。
だが、今は義兄様と手を繋いでいることで、義兄様としてではなく、男として意識していることに気がついた。
「後悔だな……小さい頃から常にこうしていれば……」
「え!?」
「婚約者がいるということ、婚約とはどういうことか知ってからは、俺は自分の気持ちを押し殺してジュリエルと距離を取るようになってしまった。あの時、しっかりとジュリエルのことを離さなければ……」
何を言いたいのかは流石にわかった。
まさか私のことをそんな目で見てくれていたとは驚いた。
急に手を繋がなくなったり、一緒に風呂へ入らなくなったのは恥ずかしさからだと思っていたのだが。
「義兄様がそんなことを言ってくる日がくるとは思いませんでしたね」
「すまないな、迷惑ばかりで」
「いえ、嬉しいですよ」
「そうか……何年もの間に生じた距離はこれから穴埋めしていきたいと思うのだが、付き合ってくれるか?」
「私の方こそ義兄様の気持ちに気がつかずごめんなさい」
「いや、いいんだ。ジュリエルが無事に帰ってきてくれたのだから」
手を繋ぐだけで終わらず、このまま義兄様と抱き合い、暫くの間はそのまま動かなかった。
義兄様の体温を感じながら、私は今まで抱えていたストレスも徐々に消えていく。
前以上の幸せを感じるのも、そう遠い日ではなさそうだ。
義兄様、私を助けてくれてありがとう。
--------------------------
【後書き】
最後まで読んでいただきありがとうございます。
ジュリエルのラブラブシーンはもっと描こうかと思っていましたが、本題が仮病でしたので、今回はそのまま完結させました。
物足りないと感じた読者様には申し訳ございません。
そして、本日投稿した新作のお知らせです。
新作『旦那は堂々と不倫行為をするようになったのですが離婚もさせてくれないので、王子とお父様を味方につけました』
こちらも是非、宜しくお願い致します。
「流石にやり過ぎかと思いますけど……」
「何を言っているのだ? 国の法律と比べてもまだ軽いくらいだぞ」
殺人未遂、長年続けた詐欺、暴言と暴行どれもシャロンさんと家族の罪は重いことくらいは分かる。
ただ、ハーベストに関しては無知だっただけで、不倫行為をしただけの気がするのだが。
「そもそも婚約をしていながら不倫行為を行えば、貴族としての資格など剥奪。おまけにお家潰しに慰謝料としては一萬紙幣十万枚を下ることはないだろう。それに加え、家族がジュリエルを殺そうとまでしたのだ。やり過ぎどころか軽いと思うがな。それに、国に対しての裏切り行為の数々は放って置けないし、その理由が仮病などというふざけたものだ。俺や公爵様が許せると思うか?」
「まぁ……そうですけどね……」
「それよりも、危険な目に合わせてすまなかったな。今回の罰にするためにはどうしても婚約破棄以上の証拠や悪事を暴く必要があったのでジュリエルを囮にするようなことになってしまって……。俺がジュリエルとあの男の婚約をしっかりと反対していればこんなことにはならなかった……」
「それは仕方がないことかと。こうやって私に平和が訪れたことは、義兄様や公爵様たちが動いていただけたおかげですので……何かお礼がしたいのですが」
「ほう、ならば、俺と手を繋いでデートをしたい。幼少期の頃仲良く手を繋いでいた頃のように……」
私の心拍数が急上昇したことは間違いない。
顔も赤くなってしまっているだろう……。
なぜか義兄様に言われたことが、とても嬉しかった。
「またそうやって冗談を……そんなお礼でいいのですか?」
「充分だ。早速手を……」
え、もうデートを始めるというのか。
私はドキドキしながらも義兄様の手を握る。
数日前に命の危険から助けてもらった時は自分のことで精一杯で何も考えられなかった。
だが、今は義兄様と手を繋いでいることで、義兄様としてではなく、男として意識していることに気がついた。
「後悔だな……小さい頃から常にこうしていれば……」
「え!?」
「婚約者がいるということ、婚約とはどういうことか知ってからは、俺は自分の気持ちを押し殺してジュリエルと距離を取るようになってしまった。あの時、しっかりとジュリエルのことを離さなければ……」
何を言いたいのかは流石にわかった。
まさか私のことをそんな目で見てくれていたとは驚いた。
急に手を繋がなくなったり、一緒に風呂へ入らなくなったのは恥ずかしさからだと思っていたのだが。
「義兄様がそんなことを言ってくる日がくるとは思いませんでしたね」
「すまないな、迷惑ばかりで」
「いえ、嬉しいですよ」
「そうか……何年もの間に生じた距離はこれから穴埋めしていきたいと思うのだが、付き合ってくれるか?」
「私の方こそ義兄様の気持ちに気がつかずごめんなさい」
「いや、いいんだ。ジュリエルが無事に帰ってきてくれたのだから」
手を繋ぐだけで終わらず、このまま義兄様と抱き合い、暫くの間はそのまま動かなかった。
義兄様の体温を感じながら、私は今まで抱えていたストレスも徐々に消えていく。
前以上の幸せを感じるのも、そう遠い日ではなさそうだ。
義兄様、私を助けてくれてありがとう。
--------------------------
【後書き】
最後まで読んでいただきありがとうございます。
ジュリエルのラブラブシーンはもっと描こうかと思っていましたが、本題が仮病でしたので、今回はそのまま完結させました。
物足りないと感じた読者様には申し訳ございません。
そして、本日投稿した新作のお知らせです。
新作『旦那は堂々と不倫行為をするようになったのですが離婚もさせてくれないので、王子とお父様を味方につけました』
こちらも是非、宜しくお願い致します。
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