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「いやはや、凄いですな……シャロンさんのお身体がここまでだったとは」
「そんなバカな……」

 公約を交わした翌日、早速健康診断の結果が告げられ、シャロンさんと数名の兵士、それから医師の責任者数名がドルチャ家にやってきた。

 ハーベストは信じられないような顔をしていて、現状を受けいれられないようだ。

「全くもって健康体。しかも、以前に発症した病気から回復できたおかげでしょうか。身体の抗体が信じられないほど強力です。これならばあらゆる病気を受け付けないでしょう」

「本当に仮病だったのかシャロン……」
「ご……ごめんなさい義兄様。もう私の人生は終わりなので、はっきり言っておきます。私は義兄様のことを愛しています。ですから気を引きたくてずっと病気のフリをしていました」
「……」

「結果は仮病だ。昨日の公約は守ってもらうからな」
「う……うむ……」

 義兄様の力強い発言と、これだけの証拠を突きつけられてようやく観念したようだ。
 しかし、この義兄様が追加した公約は、やはり私としては納得がいかない……。

「では義妹のジュリエルとの婚約は解消。そして、お前はシャロンの判決が下される前に直ちに入籍し、シャロンの罪を共にし生きていくのだ」
「え!? なんですって!?」

 シャロンさんが一番驚いていた。

「喜ぶが良いシャロン。俺が公約した内容のおかげで、お前の罪は鉱山送りにはならずに済む。その上、お前が愛するハーベストと今すぐ結婚ができるのだからな。婚姻届もここにある。兵士に頼み、直ちに受理してもらうよう動こう」

「そういうことだ……もうジュリエルとは他人だ。理由はなんであれシャロンを苦しめた女など妻にすることなどできないからな」

 ハーベストの身勝手な発言には、既に怒る気にもなれない。
 それは義兄様も一緒のようだが、何故かニヤリと笑っていた。


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【後書き】

ここまで読んでいただきありがとうございます。
こちらの後書きは、本日投稿した新作のお知らせになります。

新作『旦那様は、妻の私よりも平民の愛人を大事にしたいようです』

宜しくお願い致します。
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