22 / 26
22
しおりを挟む
「いやはや、凄いですな……シャロンさんのお身体がここまでだったとは」
「そんなバカな……」
公約を交わした翌日、早速健康診断の結果が告げられ、シャロンさんと数名の兵士、それから医師の責任者数名がドルチャ家にやってきた。
ハーベストは信じられないような顔をしていて、現状を受けいれられないようだ。
「全くもって健康体。しかも、以前に発症した病気から回復できたおかげでしょうか。身体の抗体が信じられないほど強力です。これならばあらゆる病気を受け付けないでしょう」
「本当に仮病だったのかシャロン……」
「ご……ごめんなさい義兄様。もう私の人生は終わりなので、はっきり言っておきます。私は義兄様のことを愛しています。ですから気を引きたくてずっと病気のフリをしていました」
「……」
「結果は仮病だ。昨日の公約は守ってもらうからな」
「う……うむ……」
義兄様の力強い発言と、これだけの証拠を突きつけられてようやく観念したようだ。
しかし、この義兄様が追加した公約は、やはり私としては納得がいかない……。
「では義妹のジュリエルとの婚約は解消。そして、お前はシャロンの判決が下される前に直ちに入籍し、シャロンの罪を共にし生きていくのだ」
「え!? なんですって!?」
シャロンさんが一番驚いていた。
「喜ぶが良いシャロン。俺が公約した内容のおかげで、お前の罪は鉱山送りにはならずに済む。その上、お前が愛するハーベストと今すぐ結婚ができるのだからな。婚姻届もここにある。兵士に頼み、直ちに受理してもらうよう動こう」
「そういうことだ……もうジュリエルとは他人だ。理由はなんであれシャロンを苦しめた女など妻にすることなどできないからな」
ハーベストの身勝手な発言には、既に怒る気にもなれない。
それは義兄様も一緒のようだが、何故かニヤリと笑っていた。
--------------------------
【後書き】
ここまで読んでいただきありがとうございます。
こちらの後書きは、本日投稿した新作のお知らせになります。
新作『旦那様は、妻の私よりも平民の愛人を大事にしたいようです』
宜しくお願い致します。
「そんなバカな……」
公約を交わした翌日、早速健康診断の結果が告げられ、シャロンさんと数名の兵士、それから医師の責任者数名がドルチャ家にやってきた。
ハーベストは信じられないような顔をしていて、現状を受けいれられないようだ。
「全くもって健康体。しかも、以前に発症した病気から回復できたおかげでしょうか。身体の抗体が信じられないほど強力です。これならばあらゆる病気を受け付けないでしょう」
「本当に仮病だったのかシャロン……」
「ご……ごめんなさい義兄様。もう私の人生は終わりなので、はっきり言っておきます。私は義兄様のことを愛しています。ですから気を引きたくてずっと病気のフリをしていました」
「……」
「結果は仮病だ。昨日の公約は守ってもらうからな」
「う……うむ……」
義兄様の力強い発言と、これだけの証拠を突きつけられてようやく観念したようだ。
しかし、この義兄様が追加した公約は、やはり私としては納得がいかない……。
「では義妹のジュリエルとの婚約は解消。そして、お前はシャロンの判決が下される前に直ちに入籍し、シャロンの罪を共にし生きていくのだ」
「え!? なんですって!?」
シャロンさんが一番驚いていた。
「喜ぶが良いシャロン。俺が公約した内容のおかげで、お前の罪は鉱山送りにはならずに済む。その上、お前が愛するハーベストと今すぐ結婚ができるのだからな。婚姻届もここにある。兵士に頼み、直ちに受理してもらうよう動こう」
「そういうことだ……もうジュリエルとは他人だ。理由はなんであれシャロンを苦しめた女など妻にすることなどできないからな」
ハーベストの身勝手な発言には、既に怒る気にもなれない。
それは義兄様も一緒のようだが、何故かニヤリと笑っていた。
--------------------------
【後書き】
ここまで読んでいただきありがとうございます。
こちらの後書きは、本日投稿した新作のお知らせになります。
新作『旦那様は、妻の私よりも平民の愛人を大事にしたいようです』
宜しくお願い致します。
19
お気に入りに追加
1,895
あなたにおすすめの小説
【完結】公爵子息は私のことをずっと好いていたようです
果実果音
恋愛
私はしがない伯爵令嬢だけれど、両親同士が仲が良いということもあって、公爵子息であるラディネリアン・コールズ様と婚約関係にある。
幸い、小さい頃から話があったので、意地悪な元婚約者がいるわけでもなく、普通に婚約関係を続けている。それに、ラディネリアン様の両親はどちらも私を可愛がってくださっているし、幸せな方であると思う。
ただ、どうも好かれているということは無さそうだ。
月に数回ある顔合わせの時でさえ、仏頂面だ。
パーティではなんの関係もない令嬢にだって笑顔を作るのに.....。
これでは、結婚した後は別居かしら。
お父様とお母様はとても仲が良くて、憧れていた。もちろん、ラディネリアン様の両親も。
だから、ちょっと、別居になるのは悲しいかな。なんて、私のわがままかしらね。
【完結】旦那様、契約妻の私は放っておいてくださいませ
青空一夏
恋愛
※愛犬家おすすめ! こちらは以前書いたもののリメイク版です。「続きを書いて」と、希望する声があったので、いっそのこと最初から書き直すことにしました。アルファポリスの規約により旧作は非公開にします。
私はエルナン男爵家の長女のアイビーです。両親は人が良いだけで友人の保証人になって大借金を背負うお人好しです。今回もお父様は親友の保証人になってしまい大借金をつくりました。どうしたら良いもにかと悩んでいると、格上貴族が訪ねてきて私に契約を持ちかけるのでした。いわゆる契約妻というお仕事のお話でした。お金の為ですもの。私、頑張りますね!
これはお金が大好きで、綺麗な男性が苦手なヒロインが契約妻の仕事を引き受ける物語です。
ありがちなストーリーのコメディーです。
※作者独自の異世界恋愛物語。
※コメディです。
※途中でタグの変更・追加の可能性あり。
※最終話に子犬が登場します。
姉の所為で全てを失いそうです。だから、その前に全て終わらせようと思います。もちろん断罪ショーで。
しげむろ ゆうき
恋愛
姉の策略により、なんでも私の所為にされてしまう。そしてみんなからどんどんと信用を失っていくが、唯一、私が得意としてるもので信じてくれなかった人達と姉を断罪する話。
全12話
冷遇された王妃は自由を望む
空橋彩
恋愛
父を亡くした幼き王子クランに頼まれて王妃として召し上げられたオーラリア。
流行病と戦い、王に、国民に尽くしてきた。
異世界から現れた聖女のおかげで流行病は終息に向かい、王宮に戻ってきてみれば、納得していない者たちから軽んじられ、冷遇された。
夫であるクランは表情があまり変わらず、女性に対してもあまり興味を示さなかった。厳しい所もあり、臣下からは『氷の貴公子』と呼ばれているほどに冷たいところがあった。
そんな彼が聖女を大切にしているようで、オーラリアの待遇がどんどん悪くなっていった。
自分の人生よりも、クランを優先していたオーラリアはある日気づいてしまった。
[もう、彼に私は必要ないんだ]と
数人の信頼できる仲間たちと協力しあい、『離婚』して、自分の人生を取り戻そうとするお話。
貴族設定、病気の治療設定など出てきますが全てフィクションです。私の世界ではこうなのだな、という方向でお楽しみいただけたらと思います。
どうして別れるのかと聞かれても。お気の毒な旦那さま、まさかとは思いますが、あなたのようなクズが女性に愛されると信じていらっしゃるのですか?
石河 翠
恋愛
主人公のモニカは、既婚者にばかり声をかけるはしたない女性として有名だ。愛人稼業をしているだとか、天然の毒婦だとか、聞こえてくるのは下品な噂ばかり。社交界での評判も地に落ちている。
ある日モニカは、溺愛のあまり茶会や夜会に妻を一切参加させないことで有名な愛妻家の男性に声をかける。おしどり夫婦の愛の巣に押しかけたモニカは、そこで虐げられている女性を発見する。
彼女が愛妻家として評判の男性の奥方だと気がついたモニカは、彼女を毎日お茶に誘うようになり……。
八方塞がりな状況で抵抗する力を失っていた孤独なヒロインと、彼女に手を差し伸べ広い世界に連れ出したしたたかな年下ヒーローのお話。
ハッピーエンドです。
この作品は他サイトにも投稿しております。
扉絵は写真ACよりチョコラテさまの作品(写真ID24694748)をお借りしています。
婚約破棄が国を亡ぼす~愚かな王太子たちはそれに気づかなかったようで~
みやび
恋愛
冤罪で婚約破棄などする国の先などたかが知れている。
全くの無実で婚約を破棄された公爵令嬢。
それをあざ笑う人々。
そんな国が亡びるまでほとんど時間は要らなかった。
皇太女の暇つぶし
Ruhuna
恋愛
ウスタリ王国の学園に留学しているルミリア・ターセンは1年間の留学が終わる卒園パーティーの場で見に覚えのない罪でウスタリ王国第2王子のマルク・ウスタリに婚約破棄を言いつけられた。
「貴方とは婚約した覚えはありませんが?」
*よくある婚約破棄ものです
*初投稿なので寛容な気持ちで見ていただけると嬉しいです
完結 貴族生活を棄てたら王子が追って来てメンドクサイ。
音爽(ネソウ)
恋愛
王子の婚約者になってから様々な嫌がらせを受けるようになった侯爵令嬢。
王子は助けてくれないし、母親と妹まで嫉妬を向ける始末。
貴族社会が嫌になった彼女は家出を決行した。
だが、有能がゆえに王子妃に選ばれた彼女は追われることに……
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる