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13 シャロン視点(前編)
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健康診断……しかも国からの強制だから逃れることはまずできない。
それでも出発するまでの間に、なんとか回避できる方法を閃いた。
しかし、これを実行してしまうとお父様達から大叱責を受けてしまうでしょう。
それでも今の仮病生活が消えてしまうよりはマシね。
私は覚悟を決めた。
「お父様、出発までの間、部屋で休んでていいですか?」
「おお、すまない。高熱だったんだよな。では出発の準備が整い次第呼ぶから部屋で休んでいるが良い」
「助かります。喉が乾いちゃったので、飲み物を部屋に持っていきますわ」
「ならば使用人に命じておこう」
「あ……いえ、結構です。それくらい自分でやりますわぁ」
危なかった。
すぐにキッチンへ移動して、誰もいないことを確認してから作業を開始した。
「えぇと、お父様のブランデーは……あ、これね」
高そうな酒だ。アルコール度数もかなり高めね。これだけあればなんとかなるでしょう。
「それから、えぇと……このジュースの容器にしましょう」
少々勿体無いが、中に入っていたジュースは流しにボトボトと捨ててしまった。そして、大急ぎでブランデーを空になった容器に移し替えた。
「簡単だったわね。後は一気に飲めば……」
私の年齢ならば、この国では飲酒しても法律に引っかかることはない。
だが、お父様達からは病気なのだから絶対に飲むなと強く言われている。
「ごめんなさいお父様、私は命令に背いて今からラッパ飲みをします……。これも仮病生活のためです」
部屋に戻り、覚悟を決めて一気に飲んだ。
うぅ……初めて飲んだけど、変な味……。
一気に心臓の鼓動が早くなっていくのがわかった。
「なんなのこれ……まさか不整脈!? 頭もクラクラして……あぁ、私本当に病気になってしま……」
私は気を失ってしまった。
♢
「うぅ……あれ? ここは……」
「気がつきましたかシャロンちゃん!」
視界にはお母様が……頭もクラクラしてすぐに目を閉じた。
「気持ち悪い……」
「大丈夫? シャロンちゃんがさっき飲んでいたジュースが、何故かお酒だったそうなの……」
「そ……そうですか……」
「でも安心して! 急いで国の診断所へ運んできたのよ。健康診断を受けるとともに治療してもらいましょう」
意識が朦朧としながらも、健康診断というワードを聞いて一気に酔いがさめてしまうほど驚いてしまった。
「え……でも私……こんな状態じゃ……」
「誤って飲んでしまったお酒程度なら問題ないそうですよ。今回は病気の原因を調べるのが主な目的なのだからと言っていたわ。ラッキーよね」
それじゃあ私が試行錯誤して命を張ってまで行った行為は無駄ということ!?
これはまずい!
「それからね、今回シャロンちゃんに起こってしまった悲劇は事件性が極めて高いと思うわ。もしかしたらあの女の仕業かも! そう思って、あのジュースが何故お酒になっていたのかを、国の調査機関で調べてもらっているところよ。いずれ犯人を捕まえてくれるはず」
「はひ!?」
なんでそんなに一生懸命頑張っちゃっているのよ!?
全部が裏目に出てしまった。
もう私に逃げ場がない。
「あの……お母様……実は……」
覚悟を決めた。
それでも出発するまでの間に、なんとか回避できる方法を閃いた。
しかし、これを実行してしまうとお父様達から大叱責を受けてしまうでしょう。
それでも今の仮病生活が消えてしまうよりはマシね。
私は覚悟を決めた。
「お父様、出発までの間、部屋で休んでていいですか?」
「おお、すまない。高熱だったんだよな。では出発の準備が整い次第呼ぶから部屋で休んでいるが良い」
「助かります。喉が乾いちゃったので、飲み物を部屋に持っていきますわ」
「ならば使用人に命じておこう」
「あ……いえ、結構です。それくらい自分でやりますわぁ」
危なかった。
すぐにキッチンへ移動して、誰もいないことを確認してから作業を開始した。
「えぇと、お父様のブランデーは……あ、これね」
高そうな酒だ。アルコール度数もかなり高めね。これだけあればなんとかなるでしょう。
「それから、えぇと……このジュースの容器にしましょう」
少々勿体無いが、中に入っていたジュースは流しにボトボトと捨ててしまった。そして、大急ぎでブランデーを空になった容器に移し替えた。
「簡単だったわね。後は一気に飲めば……」
私の年齢ならば、この国では飲酒しても法律に引っかかることはない。
だが、お父様達からは病気なのだから絶対に飲むなと強く言われている。
「ごめんなさいお父様、私は命令に背いて今からラッパ飲みをします……。これも仮病生活のためです」
部屋に戻り、覚悟を決めて一気に飲んだ。
うぅ……初めて飲んだけど、変な味……。
一気に心臓の鼓動が早くなっていくのがわかった。
「なんなのこれ……まさか不整脈!? 頭もクラクラして……あぁ、私本当に病気になってしま……」
私は気を失ってしまった。
♢
「うぅ……あれ? ここは……」
「気がつきましたかシャロンちゃん!」
視界にはお母様が……頭もクラクラしてすぐに目を閉じた。
「気持ち悪い……」
「大丈夫? シャロンちゃんがさっき飲んでいたジュースが、何故かお酒だったそうなの……」
「そ……そうですか……」
「でも安心して! 急いで国の診断所へ運んできたのよ。健康診断を受けるとともに治療してもらいましょう」
意識が朦朧としながらも、健康診断というワードを聞いて一気に酔いがさめてしまうほど驚いてしまった。
「え……でも私……こんな状態じゃ……」
「誤って飲んでしまったお酒程度なら問題ないそうですよ。今回は病気の原因を調べるのが主な目的なのだからと言っていたわ。ラッキーよね」
それじゃあ私が試行錯誤して命を張ってまで行った行為は無駄ということ!?
これはまずい!
「それからね、今回シャロンちゃんに起こってしまった悲劇は事件性が極めて高いと思うわ。もしかしたらあの女の仕業かも! そう思って、あのジュースが何故お酒になっていたのかを、国の調査機関で調べてもらっているところよ。いずれ犯人を捕まえてくれるはず」
「はひ!?」
なんでそんなに一生懸命頑張っちゃっているのよ!?
全部が裏目に出てしまった。
もう私に逃げ場がない。
「あの……お母様……実は……」
覚悟を決めた。
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