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66 怒りっぽくなってしまった
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「はぁ……」
「ため息など吐いてどうしたんだ? ライアンらしくもない」
「いえ、先ほど帰り道で色々ありましてね……」
お父様が私のことを心配してくださっているようだ。
私は普段、面と向かって感情で怒ったりすることは滅多にない。
だが、オズマに対して感情が爆発してしまった。
怒り慣れていないので疲れている。
「仕方ない。ライアンがそんなんじゃ、悪い報告は後日とするか」
「悪い報告? なおさら今の方が良いです」
「そうか。ついさっきオズマが我が家にやってきたのだよ」
「はい!? 私もオズマのことでため息を吐いていました……」
言われてみれば先ほどオズマと出会った場所はオズマの家と私の家の中間地点だった。
まさか、家に来ていたとは思いもしなかったが。
「そうか。ならば遠慮することもないな。……実は、投資をするから金を貸してほしいと。それが無理ならライアンともう一度チャンスをくれと言われた」
「はぁぁあぁあああ!?」
前言を撤回しよう。
最近の私はオズマに対しての限定だが、すぐ怒るようになった。
オズマとの婚約時代から度々怒らせるようなことを毎日のようにされてきた。
その時は私に対してのことが多かったので、自分自身のことだからまだ我慢できたのだ。
だが、最近のオズマは私の周りに対して迷惑をかけたり失礼な言動が多い。
「昔から何度も金の援助を要求されていただろ? まさか婚約破棄したあとになっても要求されるとは思わなかった」
「今はお金で切羽詰まっているとは思えないけど……。それとも捕まる寸前だからどこかへ高飛びを考えているのか……」
「ライアンよ、考えてもみろ。そもそもあの男が高飛びするほどの知恵と勇気があると思うか?」
「まぁ、そうだとは思いますけれど」
どうやらお父様は今回の件ではかなり怒っているようだ。
今までオズマに対して呆れることはあっても、ここまで見下すような発言はしたことがなかった。
「投資とは具体的になんなのか聞いたが、呆れてしまい俺ですら何も言えなかったからな」
「オズマって投資するほどの知識持っていたっけ……」
お父様につられて私までオズマを見下すような発言をしてしまった。
だが、全くもってそのとおりで、オズマはむしろ投資を含めて働く行為全般が嫌いな人間だ。
婚約時代、お金に関しても私をアテにしていて自分自身は何もせずぐーたらするのを目標にしているような男だった。
働きもせず世間の流れもわかっていないようなオズマが、投資ができるとは考えにくい。
「カジノで稼ぐと言われたよ」
お父様にそう言われた瞬間、私は呆れてしまい大きく息をはいた。
「ふ……。呆れを通り越して笑えますね」
「絶対に稼げる法則があると自信満々に言われてな。具体的に説明しろと言ったら企業秘密だと言われたよ」
「たしかカジノのオーナーってお父様と知り合いでしたよね」
「そうだ。店の運営や人件費を回すために当然カジノ側が総合的には儲かるようにしているが、不正は何もしていないと言っていた。オーナーの下で働いたり管理する者に国の諜報機関がいるからそんなことをすれば一発で営業から退場だがな」
つまり、オズマの思い込みでカジノを投資と思い込んでいるらしい。
そもそも、ミーナの家から拝借した大量のお金も持っているはずなのだが。
「そもそも、オズマたちはミーナ=ワインド家の資産をガッポリとパクっただろ。その金がなくなったから俺のところにきたと思っている」
「いくら豪遊好きなミーナでも、そんなに一気になくなってしまうなんて」
「オズマがカジノで全部使ったんだろ」
ただでさえオズマへの好感度は底をついていたが、もしも本当ならば、底を通り越してしまいそうだ。
いくら幼馴染とはいえ、もう彼に近づくのはやめようと心に誓った。
----------
【後書き】
ストックが貯まったのでゆっくり更新していきます。
お待たせして申し訳ありません。
同時に、新作のお知らせです。
『正式な婚約へするために』
新しい挑戦をしてみた作品です。
どうぞよろしくお願い致します。
「ため息など吐いてどうしたんだ? ライアンらしくもない」
「いえ、先ほど帰り道で色々ありましてね……」
お父様が私のことを心配してくださっているようだ。
私は普段、面と向かって感情で怒ったりすることは滅多にない。
だが、オズマに対して感情が爆発してしまった。
怒り慣れていないので疲れている。
「仕方ない。ライアンがそんなんじゃ、悪い報告は後日とするか」
「悪い報告? なおさら今の方が良いです」
「そうか。ついさっきオズマが我が家にやってきたのだよ」
「はい!? 私もオズマのことでため息を吐いていました……」
言われてみれば先ほどオズマと出会った場所はオズマの家と私の家の中間地点だった。
まさか、家に来ていたとは思いもしなかったが。
「そうか。ならば遠慮することもないな。……実は、投資をするから金を貸してほしいと。それが無理ならライアンともう一度チャンスをくれと言われた」
「はぁぁあぁあああ!?」
前言を撤回しよう。
最近の私はオズマに対しての限定だが、すぐ怒るようになった。
オズマとの婚約時代から度々怒らせるようなことを毎日のようにされてきた。
その時は私に対してのことが多かったので、自分自身のことだからまだ我慢できたのだ。
だが、最近のオズマは私の周りに対して迷惑をかけたり失礼な言動が多い。
「昔から何度も金の援助を要求されていただろ? まさか婚約破棄したあとになっても要求されるとは思わなかった」
「今はお金で切羽詰まっているとは思えないけど……。それとも捕まる寸前だからどこかへ高飛びを考えているのか……」
「ライアンよ、考えてもみろ。そもそもあの男が高飛びするほどの知恵と勇気があると思うか?」
「まぁ、そうだとは思いますけれど」
どうやらお父様は今回の件ではかなり怒っているようだ。
今までオズマに対して呆れることはあっても、ここまで見下すような発言はしたことがなかった。
「投資とは具体的になんなのか聞いたが、呆れてしまい俺ですら何も言えなかったからな」
「オズマって投資するほどの知識持っていたっけ……」
お父様につられて私までオズマを見下すような発言をしてしまった。
だが、全くもってそのとおりで、オズマはむしろ投資を含めて働く行為全般が嫌いな人間だ。
婚約時代、お金に関しても私をアテにしていて自分自身は何もせずぐーたらするのを目標にしているような男だった。
働きもせず世間の流れもわかっていないようなオズマが、投資ができるとは考えにくい。
「カジノで稼ぐと言われたよ」
お父様にそう言われた瞬間、私は呆れてしまい大きく息をはいた。
「ふ……。呆れを通り越して笑えますね」
「絶対に稼げる法則があると自信満々に言われてな。具体的に説明しろと言ったら企業秘密だと言われたよ」
「たしかカジノのオーナーってお父様と知り合いでしたよね」
「そうだ。店の運営や人件費を回すために当然カジノ側が総合的には儲かるようにしているが、不正は何もしていないと言っていた。オーナーの下で働いたり管理する者に国の諜報機関がいるからそんなことをすれば一発で営業から退場だがな」
つまり、オズマの思い込みでカジノを投資と思い込んでいるらしい。
そもそも、ミーナの家から拝借した大量のお金も持っているはずなのだが。
「そもそも、オズマたちはミーナ=ワインド家の資産をガッポリとパクっただろ。その金がなくなったから俺のところにきたと思っている」
「いくら豪遊好きなミーナでも、そんなに一気になくなってしまうなんて」
「オズマがカジノで全部使ったんだろ」
ただでさえオズマへの好感度は底をついていたが、もしも本当ならば、底を通り越してしまいそうだ。
いくら幼馴染とはいえ、もう彼に近づくのはやめようと心に誓った。
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【後書き】
ストックが貯まったのでゆっくり更新していきます。
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『正式な婚約へするために』
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どうぞよろしくお願い致します。
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