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53 アリアのコンサート編11
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「待っていてくれたのですね。ありがとうございます」
「えぇ。当然よ。ライアンさんにどうしてもお礼が言いたくて。あなたのおかげで無事にコンサートを見ることが出来たのですから。感謝しても足りないくらいですわ! 本当にありがとう!」
頭を下げてきた。
これは私だけでなかったことを、しっかりと伝える。
「おそらくあのチケットはサバス様のおかげですよ。私の鞄の中に密かに入れてくれていたのかと」
「……? そうなの? その意図はよくはわからないけれど……サバス様にもお礼を言わないといけませんわね。それにしても随分と長い握手会だったわね。今度は私も頑張って手に入れてアリア様と握手してみせるわよー!」
マーレット様と、コンサートの余韻に浸りながら帰路の途中、またしてもオズマとミーナが姿を現した。
二人はコンサートの後だというのに、あまり良い顔をしていなかった。
「うわぁ、また出た……」
「誰ですの?」
マーレット様は私に小声で訪ねてきた。
まだ距離が離れているので小声なら聞こえないはずだ。
立ち止まってマーレット様に説明した。
「オズマとミーナです。私の幼馴染の……」
「え!? じゃあ、この男がライアンさんを婚約解消にもっていって、好きな人と無理やりくっついたっていう!? あ、そういえば舞踏会にいたような気も……」
「しーーーっ! 声が大きいです」
「今更どうでも良いのでは? それに、女性の方、コンサートには相応しくない格好をしているわね。あれだけ丈が短かったらパンツも後ろからなら立ってても見えそうだけれど」
そんなことは今更だ。
それよりも、せっかくの余韻に浸っている最中なのに、これ以上面倒ごとは起こさないでほしい。
そう願いながら、二人の方へ向かっていく。
「ライアンよ。俺たちに感謝するが良い」
「え? 何を?」
「おまえの持っていたプラチナチケットは偽物だと分かってな、ミーナが密かにゴールドチケットと交換してくれたのだよ」
「はい!?」
言っている意味がわからない。
おまけに今私はまだ余韻に浸っていて夢の中状態なのだ。
普段ならしっかりと情報整理が出来るだろうけど、今はそんな簡単にはできない。
それでも私は考えた。
プラチナチケットは陛下からいただいたもので、正真正銘本物だ。
しかも、握手までしてきたのだから間違いはない。
「これのどこが偽物なのか説明してもらえる?」
「ほへ!?」
オズマから変な声が聞こえてきたな。
私のプラチナチケットを見て、どうして驚いているのだろうか。
それにしても何度見ても美しい……。
我が家の家宝確定だな。
「バカな! ゴールドチケットじゃなくプラチナ……」
「そういえば、持ってもいないはずだったゴールドチケットがダミーチケットの中に紛れていたけれど……。まぁあれはサバス様が私のために──」
「だ……ダミーだと!?」
私の発言を被せるようにしてオズマが大声をだして驚いていた。
「当たり前じゃん! 盗難防止策よ」
何故かオズマたちは、魂でも抜けたような表情をしていた。
今更余韻がはじまったのだろうか。
無理もない。
アリア様のコンサートの後は色々な症状を起こすからな。
「じゃ、私たちはこれで」
「あ、あぁ……」
「ごきげんよう……」
一体どうしたというのか。
横でマーレット様がクスクスと笑っていた。
「ライアンさんったら、こういうところは抜けているのよねー」
「え? 何がですか?」
今度はマーレット様の言っていることがよくわからなかった。
「えぇ。当然よ。ライアンさんにどうしてもお礼が言いたくて。あなたのおかげで無事にコンサートを見ることが出来たのですから。感謝しても足りないくらいですわ! 本当にありがとう!」
頭を下げてきた。
これは私だけでなかったことを、しっかりと伝える。
「おそらくあのチケットはサバス様のおかげですよ。私の鞄の中に密かに入れてくれていたのかと」
「……? そうなの? その意図はよくはわからないけれど……サバス様にもお礼を言わないといけませんわね。それにしても随分と長い握手会だったわね。今度は私も頑張って手に入れてアリア様と握手してみせるわよー!」
マーレット様と、コンサートの余韻に浸りながら帰路の途中、またしてもオズマとミーナが姿を現した。
二人はコンサートの後だというのに、あまり良い顔をしていなかった。
「うわぁ、また出た……」
「誰ですの?」
マーレット様は私に小声で訪ねてきた。
まだ距離が離れているので小声なら聞こえないはずだ。
立ち止まってマーレット様に説明した。
「オズマとミーナです。私の幼馴染の……」
「え!? じゃあ、この男がライアンさんを婚約解消にもっていって、好きな人と無理やりくっついたっていう!? あ、そういえば舞踏会にいたような気も……」
「しーーーっ! 声が大きいです」
「今更どうでも良いのでは? それに、女性の方、コンサートには相応しくない格好をしているわね。あれだけ丈が短かったらパンツも後ろからなら立ってても見えそうだけれど」
そんなことは今更だ。
それよりも、せっかくの余韻に浸っている最中なのに、これ以上面倒ごとは起こさないでほしい。
そう願いながら、二人の方へ向かっていく。
「ライアンよ。俺たちに感謝するが良い」
「え? 何を?」
「おまえの持っていたプラチナチケットは偽物だと分かってな、ミーナが密かにゴールドチケットと交換してくれたのだよ」
「はい!?」
言っている意味がわからない。
おまけに今私はまだ余韻に浸っていて夢の中状態なのだ。
普段ならしっかりと情報整理が出来るだろうけど、今はそんな簡単にはできない。
それでも私は考えた。
プラチナチケットは陛下からいただいたもので、正真正銘本物だ。
しかも、握手までしてきたのだから間違いはない。
「これのどこが偽物なのか説明してもらえる?」
「ほへ!?」
オズマから変な声が聞こえてきたな。
私のプラチナチケットを見て、どうして驚いているのだろうか。
それにしても何度見ても美しい……。
我が家の家宝確定だな。
「バカな! ゴールドチケットじゃなくプラチナ……」
「そういえば、持ってもいないはずだったゴールドチケットがダミーチケットの中に紛れていたけれど……。まぁあれはサバス様が私のために──」
「だ……ダミーだと!?」
私の発言を被せるようにしてオズマが大声をだして驚いていた。
「当たり前じゃん! 盗難防止策よ」
何故かオズマたちは、魂でも抜けたような表情をしていた。
今更余韻がはじまったのだろうか。
無理もない。
アリア様のコンサートの後は色々な症状を起こすからな。
「じゃ、私たちはこれで」
「あ、あぁ……」
「ごきげんよう……」
一体どうしたというのか。
横でマーレット様がクスクスと笑っていた。
「ライアンさんったら、こういうところは抜けているのよねー」
「え? 何がですか?」
今度はマーレット様の言っていることがよくわからなかった。
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