【完結】婚約者にウンザリしていたら、幼馴染が婚約者を奪ってくれた

よどら文鳥

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27 国王陛下と対談3

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 私と陛下の目が合ったと同時に、心配無用というような感じで笑っていた。
 いやー結構焦った。
 まぁ幼馴染に責任なんてないとは思ったけど。

「はっはっは! その心配は無用。幼馴染にまで責任を背負わせるようなことはせんよ。仮にそういう法律だったとしても、ソルト君とライアン嬢は私が守る。美味い食事がなくなるのは困るしサバスにも迷惑がかかる」

 職権濫用かよ!?
 まぁ陛下が冗談交じりに笑って言っているから本気じゃないんだろうけど。
 思ったよりも、ここの部屋の空気感が柔らかい。
 お父様が陛下と親しみを持って話せているのもなんとなくわかってきた。
 もちろん、私はまだまだ緊張と恐縮でお父様みたいに話はできないけれど。

「無論、すまないがミーナにはこのことは内密にしていただきたい」
「承知致しました。私まで共犯にされたら困りますからね。それに、ミーナ達と会う機会はほとんどありませんから」
「うむ、頼む。それでは固い話はここまでとし、このあとは食事会をしようと思う」

 お父様はノリノリだし、サバス様は慣れているようで平然としていた。

 あれ、私だけ浮いてない?

「ライアン嬢よ。君のような子がサバスと婚約してくれて本当に感謝している。叔父として礼を言いたい」
「そんな。むしろこちらからお礼を言いたいくらいですから」
「サバスは今まで跡取りを全く考えてこなかった。一番下の弟ダイルも本人の意思を尊重しようとしていたからな。あまり私からも強くいうことはできなかったのだ。だが、サバスが自ら行動して選んだ、その相手がライアン嬢のような人で本当に良かったと思っている」

「陛下、私は一生独身とまでは考えていませんでしたよ」
「可能性はあったかもしれぬ。どちらにしても、今まで何も言わず任せていた甲斐があったというものだ。ライアン嬢よ、これからもよろしく頼む。国王ではなく、叔父として」
「は……、はい。よろしくお願いいたします」

 そうか……。
 今やっとわかった気がする。
 それぞれに個室があるのは、王族としての権威ではなく、家族として迎え入れたい人たちを招き入れて、この空間だけでも気兼ねなくできるようにしたいのかもしれない。

 私も、早く慣れて少しは砕けてお話ができるようにした方がいいのだろう。
 だが、サバス様の容姿に慣れなければいけないという超高いハードルがクリアできていない。

 陛下、いや、叔父様と仲良く気兼ねなく喋るなんてことも無理だろうな……。

 ところで、ミーナ達大丈夫かな。
 お金パクるとか、そういうやばいことはしていないと祈りたい。
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