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【オズマ視点5】18 舞踏会での出来事2-B
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「ライアンさんったら顔色がよろしくないわねー」
手を繋ぎながら、俺の隣でミーナがニヤニヤしながらライアンのことを早速バカにしていた。
ミーナには申し訳ないが、ライアンのドレス姿を見ると今でも興奮はしてしまう。
俺はあまり口を出さない方がいいだろう。
ライアンの結婚相手がとんでもないダメ顔だと知っている手前、本当は盛大にバカにしたいところではあるが。
「心配かけてごめんなさい。大したことじゃないので」
ライアンはそう言っているが、婚約発表間近なのだから大したことあるだろう。
何を言っているんだライアンは……。
「ふふ、もうすぐ今年度の婚約発表の時間だからでしょう?」
「それもあるかもしれない」
なんだ、はやり婚約の件で緊張していたのか。
そうでなくては困る。
俺と一度は婚約を結んでいた相手だ。
ここで緊張してませんなどと言われたら、俺に対して婚約解消した直後に婚約してしまい申し訳ないと言う気持ちもないということになってしまうのだからな。
「オズマと私が結婚しちゃったから、ライアンに婚約者なんて早々できないものね。でも、応援はしているから頑張るのよ!」
もうだめだ。ミーナがどんどん喋るので、俺もライアンのことに少しはケチをつけたくなってしまった。
「あぁ。俺が婚約解消の原因でもあるからこんなことを言うのもどうかとは思うが、ライアンならきっといい相手が見つかるはずだ。幼馴染として応援はさせてもらう」
ミーナと二人でライアンのことをバカにしてしまった。
ついおかしくて笑ってしまった。
ミーナもそうなのだろう。
だが、意外にもライアンは怒っていないようだ。
今までだったらすぐに反論してきていたはずだが……。
「ありがとう二人とも。まだ内密にしてほしいんだけど、実は良い発表もあるから心配しないで」
「……ほう」
「あら」
それしか言えなかった。
ようやく自分から婚約発表を喋ってくれたが、これが良い発表と断言してしまうなんて……。
おかしすぎて、笑いを堪えるにに必死だった。
こんなライアンならば、今後ともいくらでも相手をしてやりたい。
幼馴染だし。
「幼馴染同士だろう? ライアンの新たな婚約者決まったんだろ? 先に紹介してくれてもいいじゃないか」
「私も見てみたいわ。別に見せられないくらい酷い顔とかってわけじゃないでしょう?」
ライアンは言い淀んでいる。
やはり俺たちに直接紹介したらバカにされるとでも思っているんだろうな。
「いや、もしかしたらミーナは気絶するかもしれないな……」
ちょっとまて、今ライアンなんと言った?
「そんなに酷い顔なの?」
「逆。私の好みかな」
血迷ったのかっ!?
そんなことを言われたら俺の面目もよろしくない。
ライアンの婚約者が好みの顔って……聞いた話だととんでもない酷い顔なのだろう。
俺自身もそんなに酷い顔なのか……?
マーヤの方を向いてみると、彼女は笑いを堪えるのに必死だった。
「んーーー、婚約に関しては当たっているから、発表まで待っていて」
「もったいぶらせやがって」
「しょうがないわね。後で盛大に祝ってあげるわよ」
「うん、ありがとう。でも発表のとき、本当に気をつけてね。顔を直視しない方がいいかもしれない」
「わかったわよ」
そうだよな、直視したら吐くかもしれないくらい顔がひどいのだろう。
ライアンの好みの顔ってブス専だったのか。
だとすれば、あのとき俺との婚約解消をあっさりと認めてくれた件についても合点がいく。
よかった。
俺はキモ男ではないようだ。
安心している最中、ついに婚約発表の時間がきたようだ。
「それでは今年度の新たな婚約成立した者達の紹介を始めましょう。なお、婚約と入籍が同時の組は、後ほどの紹介になりますので」
今回の目玉は間違いなくライアンだろうな。
いったいどんな感じで上位貴族の人間どもがバカにするのだろう。
あまり元婚約者がそういう目に合うのも気が引けるが、今回ばかりは仕方がない。
「最後の組は、皆様驚かれるかもしれないので心の準備をお願いいたします。まずは正妻になるライアン様、ステージの上へお越しください」
「はい……」
おかしい。
王族に仕えている司会者までもがライアンのことをバカにするなんて。
それとも、王族すらバカにしてしまうほどの見た目の酷さということなのだろうか。
「おいおい、そんなに驚くって、あの司会者も婚約相手をバカにしてんのか?」
「とんでもないお顔を見てみんなでライアンを笑ってあげようって考えているのよきっと」
「だが、司会者は今まで男爵家どころか准男爵にすらバカにするような行為は一度も……」
「見ていればわかるでしょう。あー楽しみで仕方がない。今日はこの光景を見にきたようなものだからね」
「まぁそうだが……」
俺はそこまでライアンをバカにしたいとは考えていない。
ただ、ミーナが今までライアンに対して妬いていたと言っていた。
だから今回はミーナの毒吐きを尊重して俺は彼女の意見に合わせることにしておく。
ライアンがステージに上がると、早速ヤジのオンパレードだった。
「おいおい、ライアンって婚約破綻したばかりの家柄だろう。もう婚約か」
「よっぽどライアンさんは飢えていたのね。きっと誰でもいいから婚約したかったのよきっと」
「お相手がまだ出てきていないが、なぜこんなにタメを作るんだ? そんなにやばいやつなのか? まさか一般人とか」
「ありえる。皆の者、盛大に笑う準備をしておけ」
いや、ヤジというより正論だ。
みんな良い貴族じゃないか!
これならば俺とミーナの結婚しました発表も荒れることもなさそうだな。
「さて、ライアン様のお相手はなんと! サバス=トリコロエル侯爵王子殿下です!!」
「「「「「「「「「「な!?」」」」」」」」」」
俺、今名前聞き間違えた?
サバス?
手を繋ぎながら、俺の隣でミーナがニヤニヤしながらライアンのことを早速バカにしていた。
ミーナには申し訳ないが、ライアンのドレス姿を見ると今でも興奮はしてしまう。
俺はあまり口を出さない方がいいだろう。
ライアンの結婚相手がとんでもないダメ顔だと知っている手前、本当は盛大にバカにしたいところではあるが。
「心配かけてごめんなさい。大したことじゃないので」
ライアンはそう言っているが、婚約発表間近なのだから大したことあるだろう。
何を言っているんだライアンは……。
「ふふ、もうすぐ今年度の婚約発表の時間だからでしょう?」
「それもあるかもしれない」
なんだ、はやり婚約の件で緊張していたのか。
そうでなくては困る。
俺と一度は婚約を結んでいた相手だ。
ここで緊張してませんなどと言われたら、俺に対して婚約解消した直後に婚約してしまい申し訳ないと言う気持ちもないということになってしまうのだからな。
「オズマと私が結婚しちゃったから、ライアンに婚約者なんて早々できないものね。でも、応援はしているから頑張るのよ!」
もうだめだ。ミーナがどんどん喋るので、俺もライアンのことに少しはケチをつけたくなってしまった。
「あぁ。俺が婚約解消の原因でもあるからこんなことを言うのもどうかとは思うが、ライアンならきっといい相手が見つかるはずだ。幼馴染として応援はさせてもらう」
ミーナと二人でライアンのことをバカにしてしまった。
ついおかしくて笑ってしまった。
ミーナもそうなのだろう。
だが、意外にもライアンは怒っていないようだ。
今までだったらすぐに反論してきていたはずだが……。
「ありがとう二人とも。まだ内密にしてほしいんだけど、実は良い発表もあるから心配しないで」
「……ほう」
「あら」
それしか言えなかった。
ようやく自分から婚約発表を喋ってくれたが、これが良い発表と断言してしまうなんて……。
おかしすぎて、笑いを堪えるにに必死だった。
こんなライアンならば、今後ともいくらでも相手をしてやりたい。
幼馴染だし。
「幼馴染同士だろう? ライアンの新たな婚約者決まったんだろ? 先に紹介してくれてもいいじゃないか」
「私も見てみたいわ。別に見せられないくらい酷い顔とかってわけじゃないでしょう?」
ライアンは言い淀んでいる。
やはり俺たちに直接紹介したらバカにされるとでも思っているんだろうな。
「いや、もしかしたらミーナは気絶するかもしれないな……」
ちょっとまて、今ライアンなんと言った?
「そんなに酷い顔なの?」
「逆。私の好みかな」
血迷ったのかっ!?
そんなことを言われたら俺の面目もよろしくない。
ライアンの婚約者が好みの顔って……聞いた話だととんでもない酷い顔なのだろう。
俺自身もそんなに酷い顔なのか……?
マーヤの方を向いてみると、彼女は笑いを堪えるのに必死だった。
「んーーー、婚約に関しては当たっているから、発表まで待っていて」
「もったいぶらせやがって」
「しょうがないわね。後で盛大に祝ってあげるわよ」
「うん、ありがとう。でも発表のとき、本当に気をつけてね。顔を直視しない方がいいかもしれない」
「わかったわよ」
そうだよな、直視したら吐くかもしれないくらい顔がひどいのだろう。
ライアンの好みの顔ってブス専だったのか。
だとすれば、あのとき俺との婚約解消をあっさりと認めてくれた件についても合点がいく。
よかった。
俺はキモ男ではないようだ。
安心している最中、ついに婚約発表の時間がきたようだ。
「それでは今年度の新たな婚約成立した者達の紹介を始めましょう。なお、婚約と入籍が同時の組は、後ほどの紹介になりますので」
今回の目玉は間違いなくライアンだろうな。
いったいどんな感じで上位貴族の人間どもがバカにするのだろう。
あまり元婚約者がそういう目に合うのも気が引けるが、今回ばかりは仕方がない。
「最後の組は、皆様驚かれるかもしれないので心の準備をお願いいたします。まずは正妻になるライアン様、ステージの上へお越しください」
「はい……」
おかしい。
王族に仕えている司会者までもがライアンのことをバカにするなんて。
それとも、王族すらバカにしてしまうほどの見た目の酷さということなのだろうか。
「おいおい、そんなに驚くって、あの司会者も婚約相手をバカにしてんのか?」
「とんでもないお顔を見てみんなでライアンを笑ってあげようって考えているのよきっと」
「だが、司会者は今まで男爵家どころか准男爵にすらバカにするような行為は一度も……」
「見ていればわかるでしょう。あー楽しみで仕方がない。今日はこの光景を見にきたようなものだからね」
「まぁそうだが……」
俺はそこまでライアンをバカにしたいとは考えていない。
ただ、ミーナが今までライアンに対して妬いていたと言っていた。
だから今回はミーナの毒吐きを尊重して俺は彼女の意見に合わせることにしておく。
ライアンがステージに上がると、早速ヤジのオンパレードだった。
「おいおい、ライアンって婚約破綻したばかりの家柄だろう。もう婚約か」
「よっぽどライアンさんは飢えていたのね。きっと誰でもいいから婚約したかったのよきっと」
「お相手がまだ出てきていないが、なぜこんなにタメを作るんだ? そんなにやばいやつなのか? まさか一般人とか」
「ありえる。皆の者、盛大に笑う準備をしておけ」
いや、ヤジというより正論だ。
みんな良い貴族じゃないか!
これならば俺とミーナの結婚しました発表も荒れることもなさそうだな。
「さて、ライアン様のお相手はなんと! サバス=トリコロエル侯爵王子殿下です!!」
「「「「「「「「「「な!?」」」」」」」」」」
俺、今名前聞き間違えた?
サバス?
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