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婚約破棄編
4【マクツィア視点】不倫は許せない
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「まさか婚約破棄するとは……誠か?」
「はい。あの女は不倫したのだから当然です」
「そうか」
リーレルとの件を父上に伝えている最中。
信じがたい事実だ……。
私はリーレルに一目惚れをした。
幸い婚約者は決まっていなかったようで、こちらから縁談を何度も願い出てようやく手に入れた。
リーレルの兄は気に食わない。
しかし、それ以外はなにも問題がなかった。
それだけリーレルは魅力的な女だ。
だが!!
あの女は不倫をしていた。
相手は帽子をかぶっていたため顔はよく見えなかったが、背丈と服装から男だと確信した。
リーレルと仲良く二人で歩いていたんだ。
あろうことか男はリーレルの身体にまで触れていた。
『たとえ挨拶でも舞踏会でも手の甲へのキスはさせるな、男とのダンスは全て断れ』
リーレルには何度も言い聞かせてきたことだ。
今までの彼女は私の指示に従ってきたのに、何故なんだ……。
考えれば考えるほど許せなくなり、感情的になってしまったが婚約破棄を宣言した。
あの女はアッサリとその事実を認めた。
私の気も知れず、あまりにも簡単に。
慰謝料だけで済むと思うな……!
この気持ちを全て父上に報告した。
「お前は人の話を最後まで聞かぬ癖がある。リーレル男爵令嬢は不倫をしたことを認めたのだな?」
「はい!! 間違いなく!」
不倫行為について尋ねたときに、リーレルは「あの人は……」と言っていた。
つまり事実を認めたようなもの。
それ以上聞く必要もないし、聞けば私の感情が爆発してしまい、あの女に何をしだすかわからない。
誰の手にも触れさせたくないほど、私はリーレルのことを愛していたのだから。
「ならば私が直々に手続きを済ませておく。だが、あんな金も持っていなさそうな男爵家から慰謝料をもぎ取るつもりか?」
「当たり前です。場合によってはお取り潰しでも構いません。不倫していたことを国全体に広め、誰もあの女に近寄ることのないようにしたいのです。当然不倫していた男は極刑でしょう」
私はリーレルのことを恨んでいる。
もしもこの先リーレルに婚約者ができたら、私はその男を決して許すことなどないだろう。
場合によっては男を国から追放させたい。
リーレルに誰も近寄ることができないような罰を与えなければ気が済まないのだ。
「なるほど……。今回は私も協力してやろう。お前の選んだ相手だから今まで文句は言わなかったが、あの家にいるレオンという者だけは気に食わない!」
「父上もでしたか! 私もレオン男爵は嫌いでした。何故あんな男が他の者から人気が高いのか全く理解できません」
「まぁよい。それも今回の件で全ては終わる。レオン男爵も道連れにしてしまえばよいのだから。婚約破棄とはそういうものだ」
恨んでいる女と、気に食わない男を同時に罰を与えられる状況がこちらにはある。
不倫したことをすぐに後悔させてやろう。
「はい。あの女は不倫したのだから当然です」
「そうか」
リーレルとの件を父上に伝えている最中。
信じがたい事実だ……。
私はリーレルに一目惚れをした。
幸い婚約者は決まっていなかったようで、こちらから縁談を何度も願い出てようやく手に入れた。
リーレルの兄は気に食わない。
しかし、それ以外はなにも問題がなかった。
それだけリーレルは魅力的な女だ。
だが!!
あの女は不倫をしていた。
相手は帽子をかぶっていたため顔はよく見えなかったが、背丈と服装から男だと確信した。
リーレルと仲良く二人で歩いていたんだ。
あろうことか男はリーレルの身体にまで触れていた。
『たとえ挨拶でも舞踏会でも手の甲へのキスはさせるな、男とのダンスは全て断れ』
リーレルには何度も言い聞かせてきたことだ。
今までの彼女は私の指示に従ってきたのに、何故なんだ……。
考えれば考えるほど許せなくなり、感情的になってしまったが婚約破棄を宣言した。
あの女はアッサリとその事実を認めた。
私の気も知れず、あまりにも簡単に。
慰謝料だけで済むと思うな……!
この気持ちを全て父上に報告した。
「お前は人の話を最後まで聞かぬ癖がある。リーレル男爵令嬢は不倫をしたことを認めたのだな?」
「はい!! 間違いなく!」
不倫行為について尋ねたときに、リーレルは「あの人は……」と言っていた。
つまり事実を認めたようなもの。
それ以上聞く必要もないし、聞けば私の感情が爆発してしまい、あの女に何をしだすかわからない。
誰の手にも触れさせたくないほど、私はリーレルのことを愛していたのだから。
「ならば私が直々に手続きを済ませておく。だが、あんな金も持っていなさそうな男爵家から慰謝料をもぎ取るつもりか?」
「当たり前です。場合によってはお取り潰しでも構いません。不倫していたことを国全体に広め、誰もあの女に近寄ることのないようにしたいのです。当然不倫していた男は極刑でしょう」
私はリーレルのことを恨んでいる。
もしもこの先リーレルに婚約者ができたら、私はその男を決して許すことなどないだろう。
場合によっては男を国から追放させたい。
リーレルに誰も近寄ることができないような罰を与えなければ気が済まないのだ。
「なるほど……。今回は私も協力してやろう。お前の選んだ相手だから今まで文句は言わなかったが、あの家にいるレオンという者だけは気に食わない!」
「父上もでしたか! 私もレオン男爵は嫌いでした。何故あんな男が他の者から人気が高いのか全く理解できません」
「まぁよい。それも今回の件で全ては終わる。レオン男爵も道連れにしてしまえばよいのだから。婚約破棄とはそういうものだ」
恨んでいる女と、気に食わない男を同時に罰を与えられる状況がこちらにはある。
不倫したことをすぐに後悔させてやろう。
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