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54 ガルカ達の末路

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「何故だ!? たかだか民間人の家に入ろうとしただけで処刑などありえん!」
「……シェリル様は間も無く王妃になるお方ですからね。王に危害を加えたものは処刑。当然のこと」
「ふざけるな! そもそも俺が捨てられたのは王妃になるためだったのか!?」

 何をトンチンカンなことを言っているのだこの男は。
 しかも捕まっている立場を全く理解していないようだ。

「……シェリル様、とっとと警備兵に突き出すべきかと」
「そうかもしれないわね」
「おい! おかしいだろ! そもそもこうなった原因はお前がいけないのだぞ!」
「え? 私?」

 ガルカは私に指差ししてきたが、全く心当たりがない。
「だってー、私のデザインした服があなたのせいで売れなくなっちゃったのよ! だからその分の補償金を回収しにきただけなの!」
「そういうことだ。お前がこれだけ稼げているのにレムが稼げないなど、裏で不正をしているに違いない」

「……ここまでバカとは思いませんでした。もう良いから連行して」
「ガルカ……あなたにはガッカリです。結婚式はどれだけ幸せな人生になるかと本気で思ったくらいだったのに……」
「なんだと!? だったら今からでも遅くはないだろう。王族などと結婚せずに俺と……」
「もう手遅れです」

 警備員が縛り上げ、そのまま連行していこうとしたときだった。
「許せないわ!」
 レムが強引に警備員を振り切って私に襲いかかってきた。

 しかし、パンドラがすぐにレムを取り押さえた。
 この動き、一瞬だったのでよくはわからなかったが、本当に素早い。

「……シェリル様への直接的な危害を加えようとした罪。もう情状酌量はない」
「う……なんで私が……あれだけ素晴らしいデザインを書けているのに……きっと後で後悔するわよ!」

 確かに後悔する者もいるかもしれない。
 あれほど酷いデザインでも買う人は買う。

 実際にロック殿下が三着も買っていたのだから、彼が一番のファンだったのかもしれない……。

 ♢

 後日、ガルカとレムの処刑が決まった。
 ロック殿下の計らいで、せめて最後くらいは気に入っている服で最後を迎えさせてあげようということで、二人にはレムが作った服を着させて裁判や処刑台に立たせたそうだ。

 それを見ていた観衆からは爆笑と歓喜で溢れていたのだとか。
 しかもそれを聞いて満更でもない顔で最期を迎えたらしい。
 きっと、最期の最期までレムのデザインした服が人気を集めて注目されたのだと喜んでいたのだろう。


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後書き

ガルカ達はようやく末路を迎えましたが、結婚後のお話がもう少しだけ続きます。
興味あれば引き続きよろしくお願い致します。
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