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44 嫌な再会

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「……シェリル様、本日のイベントは私もお供します。シェリル様を狙う下衆な男からお守りする義務があるので」

 そっくりそのままパンドラに言い返してあげたい。
 普段から可愛いメイド服を着用しているし、パンドラ自身の外見もかなり可愛いと思う。
 私なんかよりもパンドラの方がモテる気がする。

「私たちも同行します。販売のお手伝いをさせてください」
 使用人ズも来てくれるのは助かる。
 家のこともあるので、ハットとライドを残して家事をやってもらうことにした。

 私、パンドラ、ハイタム、ロータムの四人でイベント広場へ向かう。

 ♢

 私達のブースへ行ってみると、仕立屋から届いた服の数が尋常じゃないほど多くて驚いた。
 これは流石に多すぎだろう……。

「売れ残ってしまうと思いますが……」
「いえ、我々の計算上では足りないかと。それほどシェリル様のデザインされた服は評判ですからな」

 運んで来てくれた者はそう言ってくれてはいるが、去年のイベントと比べても三倍以上の量だ。
 前回と違うのは契約が王宮直属の仕立屋になったことで宣伝力が増したくらいだが……。


 それからさっきから気になっていることもある。
 隣のブースに見たことがあるデザインの服がズラリと派手に並べられているのだ。

「……どうやら本当にシェリル様をお守りしなければならないようです」
「はぁ……今だから言えますけど、あの男の監視を担当してたときは地獄でしたからね」
「ハイタムはまだ良いですよ。私なんてレムの担当でしたから……彼女には何を教えても成長しませんでした。私には使用人としての力がないんだと落ち込みましたからね」

 特にハイタムとロータムには黒歴史を与えてしまって申し訳なく思っている。
 今思うと、使用人になったばかりで監視をさせたり随分と無茶をさせてしまっていた。

「……隣、ブースの派手さはダントツ。でも売っているモノが酷すぎ」
「たとえお金を貰っても着たいとは思えないですね……」
「強いていえば、全部洗濯中のときに仕方なく着る寝巻き。ユメの中で悪夢をみそうですが……」

 使用人ズの恨みは凄まじい。
 一旦落ち着かせて、私たちの服の販売に集中してもらうようにしてもらった。



「あらー、誰かと思えばシェリルさんじゃないですかー」
「ふん……まさかこんなところで会うとは……しかもなぜパンドラまでいるのだ?」

 ガルカとレムがついに隣の派手なブースへ来てしまった。



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【後書き】

新作のお知らせです。

新作『姉に婚約者を奪われ、役立たずと言われ家からも追放されたので、隣国で幸せに生きます』

こちらも是非宜しくお願い致します。
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