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43 ガルカ視点その2 むしろ借金まみれ

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「レム……すまない。どうやら賭博場が不正を働かせていたらしく全部すられてしまった」
「そんな……」
「勿論抗議をしたんだが、出入り禁止になって追い出されてしまった……」
「最低な店ね!」

 レムに悪いことをしてしまった。
 服も売れていない。

 だが、服に関しては販売実績があるのだから、たまたま悪運が続いているだけだ。
 とはいえ、これでは生きていくことすらできない。

「ねぇガルカ、出かける前に何か噂がどうとか言っていたわよね?」
「え……あぁ、シェリルが王子と婚約をしたという噂を聞いた」
「まぁ! あの卑劣な詐欺女がついに王子をも騙そうと!?」

 レムは騙された一人だからそう言っても仕方がないだろう。
 俺だって被害者なのだから元嫁とはいえ、どんなに悪く言われようが関係ない。

「この際はっきりさせようと思うんだ。シェリルの卑怯な手で服を売っていることを王宮でバラし、本当に売れるために努力してきたレムの評価を正当化させたい」
「どうやって?」

「明日、王宮の近くで、沢山の出店が出店するイベントがある。そこにシェリルの服も販売されるそうだ。だからその真横でレムの作った服を一気に売るんだ」

 レムは俺の意図を察してくれたようだ。喜んでくれているようで俺に抱きついてきた。

「なるほどー! あの女の横で売れば、無様な姿が見れて、しかも公平だからみんなが私の服を買ってくれるというわけね!」

「そういうことだ。そもそも俺たちは路上で販売していたのが間違いだったのだ。シェリルの服はしっかりとした店頭で販売をしていたし、親の力やコネを利用して売っていた。だから俺たちが負けても仕方がないんだよ」

「じゃあ、明日のイベントだったら……」
「当然売れまくる! おまけにシェリルの販売する真横で出店できれば、どちらが本当のデザインセンスがあるのかハッキリするだろう」

 やはり、商売は公平でなければいけない。
 シェリルには悪いが、己の傲慢さをしっかり感じて反省してもらうべきだ。

 早速イベントの予約をして、大量に抱えた在庫を持っていく準備を始めた。

 明日が楽しみだ。
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