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41 祝福
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「……ほら、目を離したらこうなるんですよ」
「「わっ!!」」
仕事部屋の扉を手前に引いて開けたらパンドラがいた。彼女は両手を広げて扉に張り付いた状態だったので、驚いて二人で悲鳴をあげてしまう。
「ずっとそこに立って聞いていたの!?」
「……シェリル様かロック殿下のイヤらしい声が聞こえてきたら興奮しますから。私、恋愛どっちもアリ派なので」
そこまでは聞いてない。
「……とはいえ、おめでとうございます。二人の結婚とても嬉しい」
「ありがとう」
パンドラが一瞬だけニコリと笑ったように見えた。普段は無表情だけど、こんな表情もするんだね。
一番最初に祝福してくれたのがパンドラで嬉しかった。
♢
予定より長くなったが、ロック殿下をお見送りして別れた。次回会う予定は明日。
だが、既に会いたくなっている。
今、私は恋焦がれているのだ。
らしくもなく、ニヤケた顔を抑えられないまま家の中へ戻ると、早くも騒動になってしまった。
「シェリル様! 王子と結婚ですって!?」
「おめでとうございます!」
「いつか大それたことをするんじゃないかと思っていました」
「私達の誇りです」
「……顔真っ赤ですね、病気ですか?」
どうやらパンドラが使用人達に報告してしまったらしい。隠すこともできずに、照れてしまう。
「あの、もしかしてロック殿下とご結婚されたら私達は……やはり解雇ですか?」
「え!? なんで!?」
ハットの質問がよく分からなかった。
「ロック殿下ともなれば、王宮暮らしになるわけですよね? そうしたら私達みたいな成り上がりの見習い使用人などでは……」
今度はライドが説明をしてくる。
ハイタムもロウタムはこれに対してうんうんと頷く。
どうやら四人は解雇を心配しているらしい。
対してパンドラは心境が読めないので一旦保留しておく。
「解雇なんてするわけないでしょう。五人とも私の大事な友達なのよ」
「……それでは困ります。友から性に発展するのは稀」
パンドラは一旦黙っててほしい。ややこしくなるから。
「仮に王宮で暮らすとなっても家は残すし、ここを仕事場としておきたいの。だから、家のことはこれからもみんなに任せたいなと思っているわ」
私の勝手な判断に過ぎないので、このことはロック殿下にも相談しておく必要がありそうだ。
五人とも私に抱きついてきた。
若干一名だけは触り方が嫌らしい気がするが、今だけは目を瞑っておくか。
「「わっ!!」」
仕事部屋の扉を手前に引いて開けたらパンドラがいた。彼女は両手を広げて扉に張り付いた状態だったので、驚いて二人で悲鳴をあげてしまう。
「ずっとそこに立って聞いていたの!?」
「……シェリル様かロック殿下のイヤらしい声が聞こえてきたら興奮しますから。私、恋愛どっちもアリ派なので」
そこまでは聞いてない。
「……とはいえ、おめでとうございます。二人の結婚とても嬉しい」
「ありがとう」
パンドラが一瞬だけニコリと笑ったように見えた。普段は無表情だけど、こんな表情もするんだね。
一番最初に祝福してくれたのがパンドラで嬉しかった。
♢
予定より長くなったが、ロック殿下をお見送りして別れた。次回会う予定は明日。
だが、既に会いたくなっている。
今、私は恋焦がれているのだ。
らしくもなく、ニヤケた顔を抑えられないまま家の中へ戻ると、早くも騒動になってしまった。
「シェリル様! 王子と結婚ですって!?」
「おめでとうございます!」
「いつか大それたことをするんじゃないかと思っていました」
「私達の誇りです」
「……顔真っ赤ですね、病気ですか?」
どうやらパンドラが使用人達に報告してしまったらしい。隠すこともできずに、照れてしまう。
「あの、もしかしてロック殿下とご結婚されたら私達は……やはり解雇ですか?」
「え!? なんで!?」
ハットの質問がよく分からなかった。
「ロック殿下ともなれば、王宮暮らしになるわけですよね? そうしたら私達みたいな成り上がりの見習い使用人などでは……」
今度はライドが説明をしてくる。
ハイタムもロウタムはこれに対してうんうんと頷く。
どうやら四人は解雇を心配しているらしい。
対してパンドラは心境が読めないので一旦保留しておく。
「解雇なんてするわけないでしょう。五人とも私の大事な友達なのよ」
「……それでは困ります。友から性に発展するのは稀」
パンドラは一旦黙っててほしい。ややこしくなるから。
「仮に王宮で暮らすとなっても家は残すし、ここを仕事場としておきたいの。だから、家のことはこれからもみんなに任せたいなと思っているわ」
私の勝手な判断に過ぎないので、このことはロック殿下にも相談しておく必要がありそうだ。
五人とも私に抱きついてきた。
若干一名だけは触り方が嫌らしい気がするが、今だけは目を瞑っておくか。
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