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29 殿下の部屋へ行った
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パーティー終了後、ロック殿下の専属使用人に案内され、ついに殿下のいる部屋前に来てしまった。
使用人に続いて私も部屋の中へ入っていく。
「やあシェリルさん、待っていたよ」
「跪くべきでしょうか……?」
「いやいや、公園で会ったときのような自然体でいてほしいのだが」
それはいくらなんでも厳しい。一国の王子に対してあの時のような口調で話せるわけがない。
「何故ポップスという名で私の前に現れていただいたのでしょうか?」
「その説明には奥の部屋に来てもらいたいのだが、良いか?」
「はい」
私たち以外にも殿下の使用人が数名部屋の壁で待機しているから、二人っきりになるわけでもないし何の問題もない。
ロック殿下相手だし、男女二人きりになって危険なことになるなんて展開は有り得ないだろう。
それにもかかわらず、わざわざこのように聞いてくれるだけでも、ロック殿下の気配りが嬉しかった。
奥の部屋に行くと、そこには数々の服が飾られていた。
和風から洋風、貴族系から衣装まで様々だ。
「凄い……」
「そうだろう。これは私の自慢のコレクションなのだ」
ファッションコレクションとでもいうのだろうか。
私も自分でデザインして作った服に関しては全て部屋に飾ってはいる。
「私は種類を問わず服が好きなのだ。特にシェリルさんのデザインされたものは特に気に入っていてな」
「ありがとうございます!」
ロック殿下にそこまで褒められるのは光栄だ。
「話を戻そう。私の趣味は、身分を偽り城下町を散策することだ。自ら歩くことで民衆の気持ちや不満も耳に入りやすくてな、国の改善もできるのだよ」
さすがは国民からの人気が高い発言は違うな。人気が高い殿下の顔すら知らなかった私は反省しないと……。
「たまたま散策中に、あの公園でシェリルさんを発見したのだ。直接話したことはなかったからな、声をかけることにした」
最初に会ったときは、気分転換に場所を変えてたまたま公園でデザインしていたからなぁ……。偶然とはいえ私の運が良かったんだろう。
「しかも私に特別にデザインしてくれただろう、あれは特に嬉しかったよ。あの後大急ぎで王宮の仕立屋で作ってもらったくらいだ」
ロック殿下は何気なくそう言ってはいるが、私にとってこれは物凄いことなのだ。
私の人生を大きく変えてチャンスを与えてくださったのはここにいるポップスと名乗っていたロック殿下だった。
使用人に続いて私も部屋の中へ入っていく。
「やあシェリルさん、待っていたよ」
「跪くべきでしょうか……?」
「いやいや、公園で会ったときのような自然体でいてほしいのだが」
それはいくらなんでも厳しい。一国の王子に対してあの時のような口調で話せるわけがない。
「何故ポップスという名で私の前に現れていただいたのでしょうか?」
「その説明には奥の部屋に来てもらいたいのだが、良いか?」
「はい」
私たち以外にも殿下の使用人が数名部屋の壁で待機しているから、二人っきりになるわけでもないし何の問題もない。
ロック殿下相手だし、男女二人きりになって危険なことになるなんて展開は有り得ないだろう。
それにもかかわらず、わざわざこのように聞いてくれるだけでも、ロック殿下の気配りが嬉しかった。
奥の部屋に行くと、そこには数々の服が飾られていた。
和風から洋風、貴族系から衣装まで様々だ。
「凄い……」
「そうだろう。これは私の自慢のコレクションなのだ」
ファッションコレクションとでもいうのだろうか。
私も自分でデザインして作った服に関しては全て部屋に飾ってはいる。
「私は種類を問わず服が好きなのだ。特にシェリルさんのデザインされたものは特に気に入っていてな」
「ありがとうございます!」
ロック殿下にそこまで褒められるのは光栄だ。
「話を戻そう。私の趣味は、身分を偽り城下町を散策することだ。自ら歩くことで民衆の気持ちや不満も耳に入りやすくてな、国の改善もできるのだよ」
さすがは国民からの人気が高い発言は違うな。人気が高い殿下の顔すら知らなかった私は反省しないと……。
「たまたま散策中に、あの公園でシェリルさんを発見したのだ。直接話したことはなかったからな、声をかけることにした」
最初に会ったときは、気分転換に場所を変えてたまたま公園でデザインしていたからなぁ……。偶然とはいえ私の運が良かったんだろう。
「しかも私に特別にデザインしてくれただろう、あれは特に嬉しかったよ。あの後大急ぎで王宮の仕立屋で作ってもらったくらいだ」
ロック殿下は何気なくそう言ってはいるが、私にとってこれは物凄いことなのだ。
私の人生を大きく変えてチャンスを与えてくださったのはここにいるポップスと名乗っていたロック殿下だった。
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