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23 平和な日々がやってきた
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「主人様、お茶のご用意ができました」
「ありがとうライド。ちょっと待っててね、あとちょっとでデザインが仕上がるから。ハイタムとロータム、それからハットの分も用意してあげてみんなで一休みしましょう」
「承知いたしました。お気遣い感謝いたします」
ガルカとレムがこの家からいなくなってからは、私は元どおりに仕事部屋でデザインを描いている。
四人の使用人も雇い続けていて平和な毎日だ。
時折公園に行ったりもするが、あれからポップスさんは姿を見せなくなってしまった。
まるで、私とガルカの離婚をするための手助けと、私の仕事を大きく進展させてくれるために出逢えた救世主のような人のようにも思える。
逢えたらお礼を言いたいのだが……。
サクッと残りを仕上げ、お茶会の部屋へ移動した。
変な話かもしれないが、私が雇った使用人達とは主従の関係はあるものの、基本的には仲良く暮らしている。
休憩中は女同士五人で紅茶を飲みながらこうやって女子会のようなことをするのが日課になった。
「主人様、我々のことなのですが……。元々はあの二人を監視する目的で雇っていただいたはずですが、今もこうしてここに置いてくださるのは何故なのでしょうか?」
「なによハット……そんなこと聞くなんて、でも簡単なことよ。四人ともここにいて欲しいからに決まっているじゃない。それに、離婚してからも雇っていくつもりだったわよ」
「それを聞いて一安心しました。失礼ながら、任務は果たせたので契約は解除されてしまうかと思っていましたので……」
そんなことをするはずがない。家のことをやってくれているおかげで私の仕事も効率よくできているし、美味しい食事の用意もフカフカなベッドも全て使用人達のおかげ。
大事な使用人達を手放したりするものですか。
「あの二人がいなくなってからは仕事がとても捗ります。毎日仕事の邪魔をされていた日々で流石に四苦八苦していましたので」
「ごめんねライド……あなたがレムの教育係で一番大変だったと思うのは重々承知で……」
「これも任務ですので」
女子会になってしまうと、どうしても他人の悪口が出てしまう。元夫のことなので自重はしたいが。
「ところで、主人様に一つお願いがございます……」
「何でしょう?」
「知り合いの女の子ですが、使用人をここで雇えないかと……長年務めていたのですが、急に解雇されてしまったようで再就職に困っているそうでして……」
「えぇ、別に構わないけれど、一応面接くらいはしておこうかしら」
お金には困っていないし、使用人が増えても問題はない。しかも女の子なら大歓迎ではある。
「どこの家で使用人をしていたのかしら」
「それが……主人はザッカム=アルフライデ氏です。ガルカ様の父親です」
「な……!?」
知っている名前がでてきたのでつい驚いてしまった。
「ありがとうライド。ちょっと待っててね、あとちょっとでデザインが仕上がるから。ハイタムとロータム、それからハットの分も用意してあげてみんなで一休みしましょう」
「承知いたしました。お気遣い感謝いたします」
ガルカとレムがこの家からいなくなってからは、私は元どおりに仕事部屋でデザインを描いている。
四人の使用人も雇い続けていて平和な毎日だ。
時折公園に行ったりもするが、あれからポップスさんは姿を見せなくなってしまった。
まるで、私とガルカの離婚をするための手助けと、私の仕事を大きく進展させてくれるために出逢えた救世主のような人のようにも思える。
逢えたらお礼を言いたいのだが……。
サクッと残りを仕上げ、お茶会の部屋へ移動した。
変な話かもしれないが、私が雇った使用人達とは主従の関係はあるものの、基本的には仲良く暮らしている。
休憩中は女同士五人で紅茶を飲みながらこうやって女子会のようなことをするのが日課になった。
「主人様、我々のことなのですが……。元々はあの二人を監視する目的で雇っていただいたはずですが、今もこうしてここに置いてくださるのは何故なのでしょうか?」
「なによハット……そんなこと聞くなんて、でも簡単なことよ。四人ともここにいて欲しいからに決まっているじゃない。それに、離婚してからも雇っていくつもりだったわよ」
「それを聞いて一安心しました。失礼ながら、任務は果たせたので契約は解除されてしまうかと思っていましたので……」
そんなことをするはずがない。家のことをやってくれているおかげで私の仕事も効率よくできているし、美味しい食事の用意もフカフカなベッドも全て使用人達のおかげ。
大事な使用人達を手放したりするものですか。
「あの二人がいなくなってからは仕事がとても捗ります。毎日仕事の邪魔をされていた日々で流石に四苦八苦していましたので」
「ごめんねライド……あなたがレムの教育係で一番大変だったと思うのは重々承知で……」
「これも任務ですので」
女子会になってしまうと、どうしても他人の悪口が出てしまう。元夫のことなので自重はしたいが。
「ところで、主人様に一つお願いがございます……」
「何でしょう?」
「知り合いの女の子ですが、使用人をここで雇えないかと……長年務めていたのですが、急に解雇されてしまったようで再就職に困っているそうでして……」
「えぇ、別に構わないけれど、一応面接くらいはしておこうかしら」
お金には困っていないし、使用人が増えても問題はない。しかも女の子なら大歓迎ではある。
「どこの家で使用人をしていたのかしら」
「それが……主人はザッカム=アルフライデ氏です。ガルカ様の父親です」
「な……!?」
知っている名前がでてきたのでつい驚いてしまった。
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