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3 何か描いてみますか?
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「そうですか、それは残念です」
私のデザインをここまで否定されたのは二度目だ。
一度目は昨日……ガルカに露出が多いと指摘された。
どんなに否定されようとも、デザインの方向性を変える気はないのでそこまで気にはしていない。
「私の方がもっとセンス良く書けると思いますけど!」
なんという自信なのだろうか。
別に私の絵が上手いとは思わないが、少なからずこれで食べていけるくらいは稼いでいる。
「……折角なので何か描いてみます?」
「良いんですか? やったー!」
別に競う気はない。芸術やファッションは人それぞれ好みがある。
私の服のデザインが良いという人もいれば、レムさんの描いた方が好きという人もいるだろう。
レムさんがそこまで自信があるのなら描いてみれば良い。
「今日新作を提出しにいく日なんです。せっかくなので、レムさんのデザインした絵も見せてきますけど、もしも開発になれば一緒に販売しますよ」
「ホントですか!? じゃあ、それで儲けたら?」
「もちろん正当な額でキッチリと報酬として支払いますよ」
「良いんですか? シェリルさんの仕事奪っちゃいますよー! 後悔しないでくださいね」
例えどんなにヒットしたとしても、私の仕事がなくなるってことは無いから心配無用。
それに、チャレンジ精神が高いのはすごく良いことだと思うので、デザイン作成をやらせてみた。
「できましたぁ」
「早いですね。見ても良いですか?」
だが、すぐに描いた紙を裏返しにして見せてくれなかった。
「ダメですよぉ。このまま封筒に入れるので持っていってください。きっと大ヒット間違いないです」
「販売目的ならば、サイズや細かい指定も決めないといけないのですが……」
「そんなの面倒なので、お任せします」
完全に舐められている。
だが、レムさんにとってはビジネスチャンスなのかもしれない。
文句を言わずに、封筒に入れてもらうことにした。
もしも製造することになったらその時にレムさんにも関与してもらえば良いだろう。
「じゃ、売れたら教えてくださいねー」
レムさんは上機嫌で仕事部屋を出ていった。
少し疲れたかな……今後、仕事部屋には安易に入れないようにしておいた方が良さそうだ。
業者に頼んで、部屋に鍵を設置してもらうか。
私も作業を再開し、出来上がったデザインを持って、まずは実家へ向かった。
私のデザインをここまで否定されたのは二度目だ。
一度目は昨日……ガルカに露出が多いと指摘された。
どんなに否定されようとも、デザインの方向性を変える気はないのでそこまで気にはしていない。
「私の方がもっとセンス良く書けると思いますけど!」
なんという自信なのだろうか。
別に私の絵が上手いとは思わないが、少なからずこれで食べていけるくらいは稼いでいる。
「……折角なので何か描いてみます?」
「良いんですか? やったー!」
別に競う気はない。芸術やファッションは人それぞれ好みがある。
私の服のデザインが良いという人もいれば、レムさんの描いた方が好きという人もいるだろう。
レムさんがそこまで自信があるのなら描いてみれば良い。
「今日新作を提出しにいく日なんです。せっかくなので、レムさんのデザインした絵も見せてきますけど、もしも開発になれば一緒に販売しますよ」
「ホントですか!? じゃあ、それで儲けたら?」
「もちろん正当な額でキッチリと報酬として支払いますよ」
「良いんですか? シェリルさんの仕事奪っちゃいますよー! 後悔しないでくださいね」
例えどんなにヒットしたとしても、私の仕事がなくなるってことは無いから心配無用。
それに、チャレンジ精神が高いのはすごく良いことだと思うので、デザイン作成をやらせてみた。
「できましたぁ」
「早いですね。見ても良いですか?」
だが、すぐに描いた紙を裏返しにして見せてくれなかった。
「ダメですよぉ。このまま封筒に入れるので持っていってください。きっと大ヒット間違いないです」
「販売目的ならば、サイズや細かい指定も決めないといけないのですが……」
「そんなの面倒なので、お任せします」
完全に舐められている。
だが、レムさんにとってはビジネスチャンスなのかもしれない。
文句を言わずに、封筒に入れてもらうことにした。
もしも製造することになったらその時にレムさんにも関与してもらえば良いだろう。
「じゃ、売れたら教えてくださいねー」
レムさんは上機嫌で仕事部屋を出ていった。
少し疲れたかな……今後、仕事部屋には安易に入れないようにしておいた方が良さそうだ。
業者に頼んで、部屋に鍵を設置してもらうか。
私も作業を再開し、出来上がったデザインを持って、まずは実家へ向かった。
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