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作戦会議
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「ジェダルを罠にかけた。おそらく明日にでも別の罪で捕まえることは可能だろう。その後にあなたを殺そうとしたことも自供させる」
「そうですか……」
「あまり嬉しそうではないな」
ジェダルが裁かれるのは構わない。
ほんの数日とはいえ、この家でご飯を作ってみたり、ウェッカさんの帰りを待って一緒に食べたりした。
そんな日常が終わってしまうんだなぁと思ったら寂しくなってしまったのだ。
「すまないが、今回は協力いただけないだろうか? 同行してほしい。ただし、何かあったとしても絶対に守ると誓う」
「別に構いませんけれども」
私はあっさりと返事をした。
「え!? いいのか!?」
聞いておきながら驚いた表情をしていた。
失礼ながら少し笑ってしまう。
「一度は死んだようなものですからね。それにそこそこ度胸はある方なんですよ。何よりもあれほどの目にあったのですから、ジェダルが捕まるところはこの目で見たいです」
「あなたという人は……」
今度は呆れているようだ。
危険な目に何度もあってきているし、これくらいのことでは動じないのだ。
「この変装セットで同行して構いませんか?」
「むしろそうしてほしい。その方が今考えている作戦には好都合なのだ」
「はぁ」
ウェッカさんは騎士団長なんだよね……。
イメージだけだと、騎士団ってもっと強行突破したりとか、強制的に切り刻むってイメージがあったんだけど、ウェッカさん率いる騎士団は知的な感じで動いているようだ。
やっぱり想像と現実って違うんだな。
「それから……」
「なんでしょうか?」
「今回の件が解決したら大事な話がある」
「今でなく終わってからですか?」
「そうだ」
一体なんだろう。
騎士団に入隊してくれと言われでもしたら流石にお断りさせてもらうが……。
護身術をそれなりに習っていたから防御はまぁまぁいけるかもしれないが、攻撃や剣術はダメダメだからなぁ。
などと複雑な表情で考えていると、ウェッカさんが笑っていた。
「あなたは本当に素晴らしい人だ。危険があるかもしれない状況に巻き込んでしまっているのに、その後のことをもう考えられるとは」
「神経図太いですからね」
「それもあなたの良いところだ」
私の性格を褒められた……。
あぁ、ウェッカさんとずっと一緒にいたい。
そうだ、ジェダルの件が終わったら思い切って告白してしまおう。
すでに私の頭の中にはそのことでいっぱいになっていた。
「それで、作戦の件を話そう、まず……」
今回の変装は役に立つことはわかったが、私に演技なんてできるだろうか……。
「そうですか……」
「あまり嬉しそうではないな」
ジェダルが裁かれるのは構わない。
ほんの数日とはいえ、この家でご飯を作ってみたり、ウェッカさんの帰りを待って一緒に食べたりした。
そんな日常が終わってしまうんだなぁと思ったら寂しくなってしまったのだ。
「すまないが、今回は協力いただけないだろうか? 同行してほしい。ただし、何かあったとしても絶対に守ると誓う」
「別に構いませんけれども」
私はあっさりと返事をした。
「え!? いいのか!?」
聞いておきながら驚いた表情をしていた。
失礼ながら少し笑ってしまう。
「一度は死んだようなものですからね。それにそこそこ度胸はある方なんですよ。何よりもあれほどの目にあったのですから、ジェダルが捕まるところはこの目で見たいです」
「あなたという人は……」
今度は呆れているようだ。
危険な目に何度もあってきているし、これくらいのことでは動じないのだ。
「この変装セットで同行して構いませんか?」
「むしろそうしてほしい。その方が今考えている作戦には好都合なのだ」
「はぁ」
ウェッカさんは騎士団長なんだよね……。
イメージだけだと、騎士団ってもっと強行突破したりとか、強制的に切り刻むってイメージがあったんだけど、ウェッカさん率いる騎士団は知的な感じで動いているようだ。
やっぱり想像と現実って違うんだな。
「それから……」
「なんでしょうか?」
「今回の件が解決したら大事な話がある」
「今でなく終わってからですか?」
「そうだ」
一体なんだろう。
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「あなたは本当に素晴らしい人だ。危険があるかもしれない状況に巻き込んでしまっているのに、その後のことをもう考えられるとは」
「神経図太いですからね」
「それもあなたの良いところだ」
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あぁ、ウェッカさんとずっと一緒にいたい。
そうだ、ジェダルの件が終わったら思い切って告白してしまおう。
すでに私の頭の中にはそのことでいっぱいになっていた。
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今回の変装は役に立つことはわかったが、私に演技なんてできるだろうか……。
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